12月2日
結局僕は弱いままだから、毎日毎日ボロボロになっている。
僕は自分のことが世界で一番大切だからボロボロになっている自分が可哀そうでならないけれど、この世界で生きている以上、ボロボロで生きることは当たり前なんだと思う。
……当たり前、と思ってしまうのはもう僕が化け物に侵され始めているからなのだろうか?
ボロボロになるのなんて今までは当たり前じゃなかった。
でも社会ではボロボロになるまで戦うのは当たり前で、しかもその傷が癒える前に次の戦いに向かうことだって多くあった。
それが「普通」の生きるってことなら、この世界に生きる以上、僕もその「普通」に従わなきゃいけない。
きっと僕のこの苦しみは少数派で、きっとおかしいのは僕で、みんなが普通にできることができない僕が、ただの出来損ないなんだ。
自分を守るためだけじゃなくて、相手と組織を守るために仮面が必要なことを知った。
化け物が浮かべていた薄ら気味悪い笑顔を、真似した。
少しだけ、強くなれたように思えた。
でも、一時はそれで身を守れたとしてもやっぱり僕はその数分後に莫大なダメージを負うことになる。
僕なんかが作れる仮面魔法は中途半端でしかないから、本物の毒に勝てない。
それに、仮面魔法には莫大なエネルギーが必要だから、僕なんかには到底使いこなせそうにない。
中途半端な仮面魔法で化け物たちに紛れても、化け物たちは僕じゃない弱虫を攻撃するだけで、なんの解決にもなってないんだ。
それが僕には苦しくて、やっぱり僕はこの世界では生きられないんだなと思った。
でも、生きていかなければならない。
この世界から離脱するのは死ぬか化け物になるかの二択なんだから。
生きていくしかない。
この世界しか僕の生きれるところはないのだから。
社会という世界で化け物と戦う村人Bの話 凩幽 @8265184
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。社会という世界で化け物と戦う村人Bの話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます