第2話 とんでもないじゃがいも

荷台は大きな倉庫についた。人間が1.2.3の箱を用意し荷台の前に置いた。人間が近づき真っ先に俺を掴み1番カゴに大事そうに入れてくれた。その内、兄弟達は、3番カゴに入った。他の奴らは、2番カゴに入った。


また、新しい人間が荷台を運びやって来た。その荷台からまぁまぁ大きなやつが俺の敷地内に入ってくる。


「テメェでかいじゃないか」俺は、無視した。

「無視とは、いい度胸してるぜ!」とさらに言って来た。

「俺達の兄貴は、お前より数段デカイんだぜ、謝らないと踏み潰されて死んじゃうぜ!」と笑う。

俺は、そんな言葉には、動じない。


人間は、俺達じゃがいもを大きな順に選別している。

俺の敷地に入ってくる奴は、ほとんど俺より小さな奴らばかりで、ハッタリかました奴に体当りを食らわさそうとした時、人間が両手でとんでもない大きさのじゃがいもを1番カゴに入れて来た。


選別が終わりさっきの幼児達が倉庫に入って来た。入って来るなり、カゴの上から、覗かれて手を伸ばされる。真っ先に1番デカイ奴が、掴まれて持ち上げられた。幼児は重くて持てないのだろう。手が滑り俺の頭の上に落ちて来た。とんでもない重たさで俺の皮膚がめくれた。俺は「どけ!」と喚くがそいつの耳には、聞こえない。大人が両手でそいつをカゴから出した。そして、体育座りした幼児の前で何か言っている。


俺のポジションだったのに、あんな奴にとられるなんて本当にムカつく話だ。しかも、両手の中で笑ってやがる。

「なぁ、兄貴は、別格だろ」と舐めた口を聞いて来たので俺は無視して、いずれこいつも粉々にしてやると心の中で誓った。


大人の両手から、カゴに戻って来た。奴をみるなり、殺意が湧いた。俺を見下し、お前のような小さなじゃがいもには到底真似できないだろうと言うような目を向けて来たのだ。


3つに分けられたカゴに人間が紙を貼った。3番カゴ、2番カゴと積み上げ俺達の箱に手を伸ばし、人間が持ち上げる。俺達の箱は、量は少ないが質量があるので重たそうだ。人間は、遠心力を使い一番上に乗せようと箱を回した。その時にデカイ奴が遠心力をフルに使い端から真ん中に陣取っていた俺に向かって体当りして来た。俺は箱の四つ角のところに肉が食い込み背中に激痛が走る。前を向くと、奴は真ん中に座りこちらをみて不敵な笑みをこぼしている。それを見ていた子分が、「やっぱり兄貴だぜ!」とはしゃいでいた。

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