5話、魔物大進軍

カインがリエルと旅を始めた頃。


王城で、動きがあった。


バルバリア城、謁見の間


「報告‼️、ここより遥か南西、魔物の大群が発生し、ここへ進軍を開始しました!」


衛兵が息を切らして乗り込んで来た。


「なんと、ついに目覚めたと言うのか! レイティ将軍、我が軍の戦力は。」


「はっ、今すぐ出せる兵は8000ほどしか。」


「は、8000じゃと、して魔物の数は、」


「はっ、ざっと見積っても、2万はいるかと。」


「おぉ、なんという事だ!! これで、この国もついに滅んでしまうと言うのか!」


「王よ、嘆いても何も始まりませぬ、早く撤退を!!」


「しかし、民達が!!」


宰相の進言に中々頭を縦に振らない王だった。


王城で王がグズグズしているその頃。


カインとリエルは狩のため西へと来ていた。



「そうだ。そこで回避してからの攻撃!!」


「はっ、ハァァァァァァァァ!!」


リエルは覚えが良く早くも、猪を3頭連続で倒していた。


「今日は、猪鍋だな。」


カインが、食べれる山菜を採取していると、


なにかの気配を感じ取った。


「大型の獣? いや、違う。」


カインは、華麗な身体能力を活かし巨大な大木を飛び上がり頂上へと登り気配がする方へ向くと、魔族の軍勢が進行してきていた。


カインは素早く地上に戻ると、狩った猪アイテム袋へ収め、リエルに引くように言った。


「ここに猪と僅かだけど金がある。リエルは街へ逃げろ。」


「カインは、どうするのさ。」


「ボクは、奴らを倒す。」


「そんな事なら私も行く。」


「ダメだ、お前は……「私の修行に付き合ってくれるって言った。それに仲間て言ったじゃない!!」……死ぬかもしれないんだぞ!」


「そんなの覚悟の上だよ、それにカインも居るし大丈夫でしょ?」


「……ったく。お前は…いいだろ!! 遅れんなよリエル!!」


「うん!!」


カインは背腰の魔剣を引き抜くと刃先はさき逆手したにし、忍刀しのびかたなの様な持ち方にすると一気に走り出した。


リエルも追うように2本の短剣を抜きカインの後を追った。


カインは先頭を歩くゴブリンを両断すると、オーク、オーガ、トロールと次々に両断していく、リエルも負けずと、オーガ、トロールと致命傷を与えていく。


2人が介入して僅か五分で魔物軍勢の半分以上を壊滅させられてしまっていた。


「おのれ、人間ごときにこれ程遅れをとるとは、私が出て直接せい…………」


立ち上がった指揮官クラスの魔物が一瞬にして斬り倒された。


「し、指揮官が、やられた、撤退、撤退だ!」


「リエルここは任せれるな?」


「はい!」


リエルの返事に笑顔で頷ずいたカインは、撤退する魔物の先頭へと、舞い降りる。


「逃がさないよ?」


「ヒィィィィ!」


カインは、手に持つ魔剣を一度鞘に納めると、


「秘技、」


至天一閃しでんいっせん


(まぁ、秘技ほどじゃ無いんだけどね。)


カインの放たれた蒼い光のような焔を纏った一閃が、斬撃波となり、残りの魔物を一掃した。


『す、すごい、ねぇ、カイン。私もそれ使ってみたい!!』


『使ってみたいってこれは』


『ダメ?』


『ダメじゃないけど、かなり練習が必要だぞ』


『が、頑張る!!』


『その意気やよしってね。さて、狩った魔物の魔石や、素材を回収して、冒険者ギルドに持っていこうか。』


『うん!!』


カインとリエルが、討伐した魔物の魔石と素材を回収している一方、王城で、動きがあった。



『王よ、何とか1万まで集められましたぞ。』


『おぉ。そうかでかした!!』


『ほ、報告‼️』


偵察兵の1人が肩で息をする。



『どうした今度はなんじゃ!!』



『魔物の軍勢が、全て討伐されました。』


『な、なんじゃと!!』


流石に本気で驚いた用で、王は、座席から立ち上がった。


『一体だれが、討伐したのじゃ』


『身元はまだハッキリとは分かりませんが、冒険者ギルドの者達だと。』


『すぐその者達を呼んでまいれ』


『はっ!!』


偵察兵は再び風を切らしながら走り出した。



















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異世界へ転生したら化け物スキルだったので最弱のフリをする事にしました。 火雅ミノ狐 @st77

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