4話、リエル

蒼く光りを放って剣だがその光りも収まり蒼い綺麗な剣身が際立たつ剣となっていた。かいは魔剣を収納異空間へと収めると先を行く

騎士団達の後を追った。


騎士団とカインが、王都バルバリアの城壁前に到着していた頃、


城壁内ではバルバリア名物の市が開かれていた。


そんな市の中央付近で何かあったのか人だかりが出来ていた。


ガジャーン、


「おら、立て!! 泥棒。今日と言う今日はぶち殺してやる。」


どうやら小さな少女か小さな果物を1つ盗んだようで、


その店の店主大男が公衆の面前で、殴る、蹴るなどして行き過ぎた暴力を行使していた。


止めに入った男も殴り倒し、宣言どうり少女をぶち殺す勢いだった。


トドメの一撃と言わんばかりに大きく手を振りかぶった瞬間、強風が吹いたかと思うと、


男の手が地面に落ち切断面が蒼い炎でチリチリと燃えていた。


「ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!! 俺の手がァァァ!!」


痛みより恐怖なのか、男はその場に腰を抜かし崩れ落ちる。



ぎゃーぎゃー情けなく叫ぶ男を横目にカインは少女の元に近寄り手を差し出す


「立てるかい?」


「う、うん。……イッ」


右足が打撲し青く純血している


カインは情けなく叫ぶ男を見て



「この子貰うから良いよね?」


「手が、手が~」


少しイラついたカインは指を鳴らすと切られたはずの男の手があら不思議、どこも斬られて無かった。


「何一人で騒いでるの?」


「手が~……あれ?」


1人騒いでいた男が恥ずかしかったのか、


素早くたちあがり、カインに絡んで来た。


「そのガキは泥棒なんだ直ぐによこせさもないと、先程かかされた恥のお返礼としてお前も、痛めつけるぞ!」


大男が合図すると、群集の中から武装した男達が複数人出てきた。


「へー数の暴力か。ザコの天啓的だね。」


「う、うるさい!! お前らやっちまえ!」


(魔力を込めないとどうやらただの鉄と同じ、怪我はしても死ぬことはないかな、なら。)


カインは背中から背腰に装着していた魔剣を抜くと、襲い来る男達の剣を弾いてはみぞに一撃を打ち込み1人また、1人と失神させていく。


気づけば再び大男ひとりとなっていた。


「来なよ、今度は。手加減してあげないからね」


「……っくこの、ガキぃィィ、オリャァァォァ!!」


正直に正面から走ってくる大男のパンチを軽くかわすと強烈な一撃を溝に打ち込むのだった。


カインは、騎士団が駆け付けて来る前に。少女の手を引きその場を後にする。


しばらく走り。少し広い場所に出ると、負傷


した少女を癒すため、何かないかとさがして


いると、いつ覚えたのか、ELECT、完全回復オールヒールがあったので、少女を癒した。


「あ、ありがとう。」


「どういたしまして、君、名前は?」


「…………リ、リエル」


「リエルか、いい名前だね。リエル、泥棒はいけないよ?」


「………………っ……よ。」



「ん?」



「そんなの分かってるよ。でもお腹空から……ごめんなさい。」


リエルは大粒の涙を流した。



カインは少し慌てると、笑顔で攻めてる訳では無い事伝え、なんとか落ち着かせる。



「大丈夫、ボクは君の敵じゃないよ。あーぁ

言い方が怖かったかな。ごめんよ。」


「ううん、カインさんは悪くない。もっと強くなりたい!! 強くなれば泥棒なんてしなくて済むのに!!」


(確かに、強くなれば、ギルドでもそれなりに稼げるし。)


「ね、リエル君さえ良ければだけどボクと修行の旅しない? 強くなって狩りが出来れば泥棒なんてしなくて済むよ?」


「い、行きます!! そして強くなりたいです!!」


こうしてカインは旅の仲間が出来たのだった。


まさか彼女がカインと引けを取らない双剣のリエルとは、また別の話。











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