幼馴染との日常生活

第39話 連休明けと急な仕事

朝、美優にいつものように起こしてもらって出社する。。

いってらっしゃいのキスをお願いしたら恥ずかしそうに顔を赤くしながらもやってくれたので俺のやる気は十分だ。

俺が自分のデスクに座り仕事の準備をしていると敬太に話しかけられる。


「おはよう拓哉。ゴールデンウィーク空けだってのにずいぶん機嫌良さそうだな」


「敬太か、おはよう。まあ確かに調子はいいな」


「そいつは何よりだよ。どうせ連休中はずっと美人な奥さんとイチャイチャしてきたんだろ?」


「それは否定しない」


「けっ!幸せそうにしやがって。昼にでもゆっくり聞かせてくれよ?」


そう言って敬太は笑いながら俺の背中を叩いて歩いていった。

俺は苦笑しながら再び準備に戻る。


そんなこんなで午前のタスクをこなしもうすぐ昼休みを迎えようかという時間帯。

パソコンの画面に向き合っていると肩に手を置かれる。

後ろを振り返ると敬太だった。


「拓哉、部長がお前を呼んでるぞ」


「部長が?わかった、すぐいくよ」


俺は一旦作業を止め立ち上がる。

そして部長のデスクに向かった。


「おお、村松。すまんな、わざわざ来てもらって」


「いえ、大丈夫ですよ」


部長から呼び出されることはほとんどない。

だから呼び出されたということは何かあるということだ。

俺は内心少し身構えながら部長の言葉を待つ。


「呼んだのはな。お前に出張に行ってもらおうと思ってな」


「出張……ですか?」


「そうだ、あとは……」


「私もですっ!村松さん!」


俺が後ろを振り返ると俺が教育係を務めた後輩、高梨たかなし奈緒なおが立っていた。

明るくて親しみやすい性格と愛嬌のある笑顔が人気の社内のアイドルだ。


「君たち二人に出張に行ってほしくてな。急で悪いんだが明日から行ってくれ。新幹線のチケットと宿はすでに取ってある」


そう言って部長からチケットを渡される。

話はそれで終わりだったらしく俺たちは解散した。

と言ってもすぐに昼休みに入ったんだけども。

俺は休憩スペースで敬太と一緒に昼食を広げる。


「出張かぁ……俺も久しく行ってねえな」


「俺もだよ。結婚してからは初めてだ」


「言われてみればそうだな」


そう考えると美優と何日も離れるのは結婚してから初めてだな。

今日の夜にすぐ伝えないとな……


◇◆◇


「というわけで出張に行くことになった」


俺はまさかの残業を終えてから帰って美優の手作り夕食に舌鼓を打って食後のお茶を飲んでいるときに出張のことを話す。

今日のご飯もすごくおいしいかった。


「そっか……どれくらい?」


「二泊三日だな。進捗次第では伸びたり縮んだりするだろうけど今のところはその予定」


できるだけ早く終わらせて帰りたい気持ちもある。

だけどそれでミスをしていたりしたら本末転倒だしなんとも言えない。


「わかった。頑張ってきてね」


「ああ。お土産とかも買ってくるよ」


明日行くところはういろうが有名だっけな。

ちょっと調べてから今日は寝ようかな。


「後輩の高梨さんだっけ?仲いいの?」


「そうだね。仲いいほうだと思うよ」


「一番は敬太さんって方?」


「まぁそれはそうだな。でも女性社員の中では高梨が一番仲いいかも」


俺がそう言うと美優がピキッと固まる。

あれ?俺なんかおかしなこと言ったっけ?


「高梨さんって……女性なの……?」


「え?あ、うん。そうだけど」


美優はもっていたカップを机に起きこちらに歩いてくる。

そして俺の首に手を回して優しく抱きしめた。


「………不安だし寂しい」


「俺が好きなのは美優だけだしあいつも俺に対してそんな感情は抱いてないよ。だから安心して」


俺は美優を抱きしめ返す。

温もりが伝わってきてホッとする。


「わかった……。でも寂しいのは変わりないから今日は甘やかしてほしいな……」


「いいよ。じゃあソファーに行こう」


俺はソファーに座り美優を俺の膝の上に座らせる。

そして少し強めにぎゅっと抱きしめた。


「拓哉に抱きしめられるとすごく安心する……」


「確かにな。俺も美優の体温が伝わってくるとすごくホッとするよ」


「ふふ、それはよかった。でも私はキスも同じくらい好きだよ?」


美優は振り返っていたずらっ子のような笑みをみせる。

俺は苦笑しつつ美優の唇にキスを落とした。


「どう?」


「うん……やっぱりキスも好き……」


「それはよかった」


どうやらお眼鏡にかなったらしい。

満足気な笑みを浮かべていた。

それから俺が美優を抱きしめること10分ほど。

美優がモゾモゾと動き出す。


「そろそろ寝よっか。明日は早いんでしょ?」


「そうだな。名残惜しいけど寝よう」


美優が膝の上からどいて俺が立ち上がると美優が頬にキスをしてくる。


「甘やかしてくれたお礼。ほら、歯磨きに行こ?」


そう言って美優は洗面所の方に消えていく。

俺は消えていく頬の温もりを感じながら俺も洗面所に向かう。


その日は手を繋ぎお互いの温もりを確かめ合いながら眠りについた。


─────────────────────────

半端な時間ですが書き終わったので出しちゃいます

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