第32話 誘ってるってことでいいんだよな?

朝、若干の気だるさと右腕のしびれと共に目が覚める。

目をこすって横を見ると裸の美優が俺の腕を枕にして俺に抱きついて寝ていた。

それと同時に昨夜の記憶が蘇ってくる。

お互い初めての経験に戸惑いながらもこんなが快楽がこの世にあるのかと衝撃を受けた夜だった。

とりあえず起こすために隣で寝ている美優のほっぺを軽くつついてみる。


「ん……う〜ん……」


美優は少しくすぐったそうに身をよじる。

それでも起きる気配がない。

もっと寝顔を見ていたいし昨日は2回戦もしてしまって疲れてるだろうから寝かせてあげたいがそろそろ俺の腕が限界だ。


「美優……起きて」


「うん……?たくやぁ……?」


寝ぼけているのか美優の目はトロンとして甘えたような声を出す。

めちゃくちゃ可愛いし動画を撮りたい。

だけど本当に腕が痛い。


「えへへ……たくやだいすきぃ……」


もう腕なんてどうでも良い気がしてきた。

甘えながら俺に頬ずりしている美優を見ていたら腕の一本や二本くらい犠牲にしても悔いはない。

即座に腕は我慢して美優を観察する方針に切り替えた。

俺は美優を起こさないように左腕でスマホを掴みカメラを起動して動画を撮り始める。


「ああ。俺もだよ」


「ほんとに……?」


「本当だよ」


「ふふ……やったぁ……」


その後も美優の甘えモードは続き5分ほど経ったとき。

不意に美優の目がぱっちりと開き固まる。


「あ、おはよう。目が覚めた?」


「あ……う……」


美優は自分が裸であることに気づき顔を赤くする。

そして俺がスマホを構えてるのを見てジト目になる。


「何撮ってるの……?流石に恥ずかしいよ……」


「昨日はお互い散々見ただろ?」


「それはそうだけどさ……」


昨日の美優はかなり積極的だった。

実は2回戦をねだってきたのは美優だったりする。

俺も1回戦が終わっても臨戦態勢のままだったので喜んでそのまま2回戦に突入したというわけだ。


「それで拓哉はなんでそんなにニヤニヤしてるの?何か良いことでもあった?」


「まあね。世界一可愛い妻のお宝映像をゲットした」


そう言って俺は美優にさっき撮った動画を見せる。

スマホからはこれでもかと美優の甘えた声が流れ出す。


「〜〜っ!?」


「どう?俺の奥さん最高に可愛いでしょ?」


美優の顔がみるみる赤くなっていき俺のスマホを奪取したのち動画を削除した。

まあバックアップを取ってるから問題はなしだ。

美優は潤んだ瞳で睨んでくる。

顔が真っ赤だし怒っている、というよりも恥ずかしがっているの方が正しいので全然怖くない。


「なんでこんなの撮ったの……」


「え?可愛いからだけど?」


「撮られた私は恥ずかしすぎるよ……」


美優が拗ねたようにそっぽを向いてしまう。

拗ねた顔も可愛いので写真を撮りたいがそれをしてしまうと今度は完全に拗ねてしまう。

今回は諦めてまずは機嫌を直してもらうとしよう。

俺は少し強引に美優の唇を奪う。

唇が触れ合う程度のキスだ。


「ごめんね。どうしても美優が可愛くてつい撮っちゃったんだ。許してほしいな」


「……ギューって抱きしめてくれないと許さない」


なにこれ可愛すぎるんだが?

俺は即座に美優を抱きしめる。

お互い裸なので体温がダイレクトに伝わってきて温かい。


「これで許してくれる?」


「ダメ……もっとしてくれないとやだ……」


今日の美優はいつもより甘えん坊のようだ。

俺としてもウェルカムなのでもう少しだけ力を入れて抱きしめた。

美優も満足そうに笑う。


「苦しくないの?」


「少し苦しいくらいが私は好き。拓哉に求められてるって感じがするから……」


「そういうもんかね」


「そういうものなの」


そのまま朝のイチャイチャタイムを楽しむこと30分ほど。

美優の許しを得られたので名残惜しいが離れた。

朝ご飯もまだ食べていないし離れなくてはいけないのは分かってるんだけど離れたくないものは離れたくない。

さて準備しようと起き上がると美優が呼びかけてきた。


「拓哉〜」


「ん?どうし──!?」


振り向いた瞬間いきなり抱きついてきたかと思えばキスで口を塞がれた。

美優は強く抱きしめてきたので美優の柔らかい果実が胸板に押し付けられて形を変えている。


「えへへ……私からのおはようのキスだよ」


しかし俺のムスコは全然冷静でいられなかった。

さっきまでは眠気もあったしそういう雰囲気じゃなかったから大丈夫だったのだ。

不意打ちでキス、しかも胸を押し付けられたとなれば臨戦体勢にならざるを得ない。

俺は美優を押し倒し少し乱暴にキスをして舌で美優の口の中を蹂躙する。


「んっ……ちゅる……れろ……ぷはぁ……はぁ……はぁ……拓哉……?」


「それは誘ってるってことでいいんだよな?」


「へ?ちょっと待っ───」


美優の返事を聞かず再び口を塞ぐ。

キスを終えて離れたときには美優の目は潤み顔も蕩けきっていた。


「いいよね?」


「は、はいぃ………」


結局、朝から美優と一戦交えることになった。



─────────────────────

感謝!


@ibukids 様


ハルナ 様


kotuda 様


おすすめレビューありがとうございました!



何も考えずに書いてたけど美優って若干Mぽい?

今まで二人ともシてこなかった分リミッターが外れちゃいました。

砂乃も既にシリアスを諦めたので二人はもう何者にも止めることは出来ません。


☆とフォロー、応援コメントをくださると砂乃が喜び二人のイチャつきは更に加速します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る