第25話 今日はラッキーな日

「社員旅行?」


「おう、もうそろそろ時期だろ?」


週末を終え出勤した俺は昼休み、敬太と一緒に昼食を食べている。

休日の過ごし方の話をしているといつの間にか社員旅行の話になっていた。

最近美優と楽しい日々を過ごしていて社員旅行のことをすっかり忘れていた。

今までは割と楽しみにしていたはずなのにな。


「社員旅行か……すっかり忘れてた」


「はは!そっか。奥さんは来るのか?せっかくだから挨拶したい」


「ちょっと今日聞いてみるよ。仕事とか入ってるかもしれないしな」


「ああ。そうしてみてくれ」


帰ったらついでにあのことも相談するか……

俺は社員旅行と他に相談したい事を頭の片隅に残し俺は仕事に戻る。

そして仕事を終え家に帰った。


「ただいま」


「おかえり。今日もお仕事お疲れ様」


いつものように美優が出迎えてくれる。

美優がおかえりと言ってくれると嬉しい。

仕事で疲れた心身が癒えていく。


「美優、今日はちょっと相談事があるんだ。ご飯のときに話させてくれ」


「え?それは別にいいけど……」


「ありがとう。じゃあ俺は着替えてくるね」


俺は2階に上がり着替える。

そして1階に下りると美優がご飯の準備を終えて待ってくれていた。

いい匂いが漂っていて食欲がそそられる。


「ごめん、待たせちゃって」


「大丈夫だよ。じゃあ食べよう?」


「「いただきます」」


いつも通り美優のご飯は美味しい。

もはや美優のご飯が無いと生きていけない体にされてしまった。

愛想尽かされないように頑張ろう。


「それで……相談ってどうしたの?」


美優が不安そうな目で見つめてくる。

そりゃあ夫が帰ってきていきなり相談があるとか言われたら不安にもなるか。

俺も美優にいきなり言われたらとりあえず土下座をして謝る自信がある。


「ああ、社員旅行が近くてさ。美優も来るかなって思って」


「社員旅行……」


「6月にあるんだよ。仕事がないなら美優と一緒に行きたいなって」


「行く……!行きたい……!」


思ったよりも美優の食いつきが良かった。

他に社員もたくさん来るわけだし少しくらいは考えると思っていたのだけど。


「意外だった。あまり知らない人は得意じゃないだろ?」


「そうなんだけどね。でも拓哉がどんな人達と一緒に仕事してるか見てみたかったんだ。あと、夫がお世話になってますっていうのを……やってみたい」


か、可愛い……!

俺の奥さんいじらしすぎじゃない?

旅行に行った時敬太に自慢しまくってやろ。

っと……そうじゃなくて……


「それでさ……二つ俺から提案があるんだけど」


「どうしたの?」


「その……社員旅行に行く前にさ、ゴールデンウィークに新婚旅行に行かないか?」


「ふぇ……?」


美優はどうやらまったく予想してなかったようで珍しく口をポカンと開ける。

俺達の初旅行はやっぱり二人きりがいい。


「どう……かな?」


「うん……!私も新婚旅行行きたい」


美優はとびきりの笑顔を向けてくれた。

一気にゴールデンウィークが楽しみになってきた。

社員旅行も今までで一番楽しみだ。

早く旅行したいな〜……


「それで他にも提案があるの?」


「ああ……えっと、その……そろそろ結婚式の準備を進めないか?」


「……」


再び美優のポカンとした顔が見れた。

珍しい表情を2回も見ることができて今日はラッキーな日かもしれない。


「ほら、結婚式の準備って時間かかるからさ。そろそろ始めようかと思ってるんだけど……どうかな」


「うん……!」


どうやらこちらもオーケーのようだ。

俺としては断られたらどうしていいか分からなかったので本当に安心した。

そんなことになったら今日は枕を涙で濡らす自信がある。


「それじゃあ今日はまず旅行について決めようか」


「賛成……!どこに行く?」


俺達は食べ終わったあとパソコンを開き二人で並んで画面を眺める。

海外は難しいから国内だな。


「こことかどうだ?」


「うーん、もっと近場でゆっくり観光したいな。移動も楽しそうだけど拓哉といろいろ楽しみたい……!」


「なるほど、そういう考え方もあるのか……じゃあこの温泉街の旅館とかどうかな」


「よさそうだね。お土産もありそうだしゆっくりできそう」


俺が提案した旅館は近いし観光できる場所も沢山あり美優も異存はなさそうだ。

だが俺がこの旅館を選んだ一番の理由は……

なんと部屋に露天風呂が付いているのだ!

どうにか美優と一緒に入りたい……!


俺はそんな下心を抱えつつ美優と新婚旅行の予定を組んでいった。


──────────────────

今日は少し短めですみません!



@kurokame様


おすすめレビューありがとうございます!



最近家から出なさすぎて昨日が土曜だと気づかず7時に投稿してました(汗)

春休みは人を狂わせる……


もう面倒くさいので全部7時投稿にします。

新作を投稿するときは今までと変わらず土曜の9時投稿のままです。


☆とフォローよろしくお願いします!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る