第24話 国宝級の写真が撮れた

「カレー美味しかったね」


「ああ、そうだな。また機会があったら家の近くのお店に行こう」


全国チェーンだからな。

確か家の近くにもあった気がする。

今まで中々行かなかったから今回はカレーはとても美味いと、改めて良い発見だった。


「まだ午後は残ってるわけだけどどこ行きたい?」


「その顔は候補がある感じでしょ?拓哉が考えてくれたところに行きたいな」


「バレてたのか……そんなに顔に出てた?」


「ううん。なんとなく分かっただけ」


まじか……

なんとなくで分かってしまうものなのか。

美優に隠し事は出来ないってことかだな。

特にやましい隠し事は無いけども。


「それじゃあ俺が考えてたところに行くか」


「うん!運転よろしくお願いします」


俺は目的地へと車を走らせる。

あらかじめ調べた情報によるとそう遠くない位置にあるはず……

おっ!見えてきたみたいだな。

俺は混んでいる駐車場の空きを見つけ車を停める。


「ここは……動物園?」


「そう、有名らしいから来ようかなって」


ちなみに俺は全く知らなかった。

動物園ってニュースに載ったりよっぽど地元にないと知らなくないか?

俺は動物は好きだが動物園を調べて行くかとなったら微妙だし。

早速入場券を2枚買って入場する。

もう休日の午後なので結構な数の人がいた。


「この匂い嗅ぐと動物園って感じがするよな」


「そうだね。動物園なんて小学校の遠足以来かも。結構楽しみ」


美優はかなりの動物好きでもふもふが大好きなタイプだ。

俺も好きな動物は犬猫を始めとした身近な動物なのでいつか猫カフェとか一緒に行きたい。

飼うのはちょっと難しいけども。


「何から見に行く?」


「うーん、色んな動物がいて悩むね……」


俺達はマップの前に立って考える。

動物園でしか見れない動物を見たい気持ちもあるがやはりもふもふは捨てがたい。

ゆえにハムスターという近所に誰かしらは買ってるんじゃないかという動物の名前に吸い寄せられる。


しかしわざわざ動物園まで来てハムスター?

せっかくならキリンの餌やりとかもやってみたい気も……

そして迷っていると俺はマップ上に至高の存在の名前を見つけた。

こ、こいつは……!

飼育率も低そうでなおかつもふもふで餌やり体験もできるまさに今の状況にぴったりの存在じゃないか!


「決めた?拓哉」


「おう。せーので言うか」


「いいよ。同じの選んでるかな……?」


「どうだろうな。じゃあ行くぞ。せーの……」


「アルパカ!」「ハムスター!」


……見事に噛み合わなかった。

ハムスターだったのか……

めちゃくちゃ悩んだ末に俺はアルパカにしたのに……!


「ふふ、噛み合わなかったね」


「そんなときもあるだろ」


「そうだね。じゃあ両方行こうか」


「賛成。近いからハムスターの方から行こうぜ」


俺達は手を繋いでハムスターを始めとした小動物たちがいるコーナーへと歩き出す。

子供が多かったが大人も少なくない数がいた。

だって可愛いもんな。


「見て、拓哉……!いっぱいいるよ……!」


そしてこの場で一番可愛い俺の妻。

テンションが上がっているのか目をキラキラと輝かせて俺のすそを軽く引っ張っている。

もはやハムスターよりもはしゃぐ美優を見ていたいんだが。


ハムスターは大きな仕切りの中に入れられて抱き上げるのは禁止だが触るのは自由なようだ。

美優がそーっと手を伸ばしてハムスターを撫で始めた。


「もふもふだ……可愛い……」


俺もとりあえず近くのハムスターを触ってみる。

さっきは美優のほうがいいとか言ってたけどやはり触りたいものは触りたい。

もふもふで温かくて最高だ。


「あ、そうだ。写真撮ってあげようか?」


「え?いいの?でも拓哉も触りたいんじゃ……」


「ずっと撮るわけじゃないしある程度撮ったらまた触るよ」


「……じゃあお願いしようかな」


「了解。勝手に撮ってるから美優は自由に触っていてくれ」


俺はスマホを起動させてカメラを開く。

一番可愛い瞬間を絶対に撮り逃したくない。

俺はカメラで20分くらい連写しまくりホクホク顔でハムスター広場をあとにした。


「結局写真ずっと撮ってたけど触らなくてよかったの?」


「国宝級の写真がたくさん撮れたから全く問題ない」


「そ、そんなに……?」


「ああ。家宝にして俺の部屋に神棚を作って額縁に入れて飾ろうと思う」


「そんなに可愛いならせっかくだし私たちの寝室においてほしいな。あと写真のデータも送ってほしい」


「了解。後で送っておくよ」


それから俺達はアルパカの広場で餌やり体験をしたりモフったりした。

俺の中でアルパカの評価が上がった。

俺達は時間が許す限り動物園を回り楽しんだ。

そして──


「すごく楽しかったね。今日が終わっちゃうのが少し寂しいくらい」


帰りの車で美優が呟く。

俺としても同意見だ。

やはり楽しい時間はあっという間に過ぎていくものだな。


「また来ればいいさ。俺達はずっとこれからも一緒なんだから」


「……うん。そうだね。またいつか行こうね」


そうして俺達は帰宅した。


後日、写真を美優に見せたところ美優の可愛い顔ばかり写っていてハムスターはあまり写っていなく美優にお説教をくらった。

一番可愛いものを撮っただけだったのに……

解せぬ。


そしてさらに後日に額縁にハムスターを見てテンションが上がっている美優の写真を入れて寝室に飾ったら仕事から帰ってくると撤去されていた。

美優のお説教をまたしてもくらったのは言うまでもない。



─────────────────────

ずっと甘々に書いてきたせいでシリアス展開の書き方がわからなくなってきた(汗)

もっとシリアスをいれるべきなんだろうか……

それともいっそのこともっと甘くしようか……(砂乃の技量的に可能かは置いておいて)


とりあえずこれからも頑張ります!笑

ぜひ☆とフォローをお願いします!



あと動物園に関しては調べてもないし小学校以来一回も行ってないのでおかしな点があってもどうかお許しください。

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