第十二話 荒れる日本海
再び北上。
村上駅を出てまもなく、左側車窓の向こうは海になった。最沿岸を走る国道345号線のすぐ隣を平行する路線。待望の日本海である。
冬の日本海の波は、期待通りの厳しく荒れた相を晒していた。盛り上がり、色を変えつつ迫りくる波は、波頭に雪を散らしながら岩礁にぶつかり、激しく飛沫を上げる。
うむ、そうでなくっちゃいけない。太平洋はこの際サザンでもいいが、北の日本海はやはり演歌でないと。石川さゆりでないと!
水平線の先、やや霞のかかった大きな陸地が見える。佐渡ヶ島だ。大きさイメージで言えば、横浜の高台から臨む千葉くらい。
それともうひとつ気づいたこと。
日本海の水平線は水平じゃない。直線ではなくて、微妙にギザギザで、しかも動いている。要するに、今日の波はそれくらい荒れているということだ。
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