注意報の男

saito sekai

Beginning

ある男は、強風注意報が発令されると、パンツ一丁で走り回る癖があった。

そしてある警察官に職質をされた男は、こう言った。


「強風でシーツが飛んで来れば、体が隠せる。飛んでこないシーツが悪い」


そんなめちゃくちゃな理屈を垂れたので、怒った警官が諌めようとした瞬間、白い布のようなものが、男のところに飛んできたので、喜んだ男はそれを身に付けたが、その白い物は一反木綿であったので、男は拐われてしまい、何処かへ行ってしまった。


…それから半年が経ち、男が去った町は、少し退屈な感じだ。警官はのんびり巡回をする。そして何気なく空を仰ぐと、白いシーツのようなものが舞っているではないか。それを見ていた警官は言い知れない興奮を覚え、その目はギラギラするのだった。  完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

注意報の男 saito sekai @saitosekai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ