について※差し戻し

「お前、オカルト研究部なのに、ちゃんと活動してるんだって?」

「……なんだよ。ちゃんと活動してちゃ悪いかよ」

「いや、別に。ただ、珍しいなと思ってさ。あんなん、帰宅部の隠れ蓑みたいなもんだと思ってたよ。真面目に活動すんのは良いことだよ、そりゃ」

俺がオカ研に所属しているのはかなり前からだし、一人しかいない部室でずっと妖怪絵巻やらなにやらをまとめてレポートにしてるっていうのは結構周知の事実だ。噂にもなっている。かなり悪い噂に。

しかし、俺の幼馴染の庄田は、相変わらずそういう情報には疎いようだった。

太陽のような男だ。

「でさあ。なんで俺がこんな話、振ったと思う?当ててみ」

「知らん。用がないならどっか行け」

「つれないなー。俺以外にそういう態度とっちゃ駄目よ?」

「お前以外の奴と話すことなんてねえよ」

「俺だけ特別ってこと?嬉しいこと言ってくれるじゃん。いやそんなことは良くてさ、本題本題。当ててくんないなら俺の方から言うけど。……お前さ、   って知ってる?」                            ※脱字

「   ?」

  ※同脱字多数。以               

   下省略

妖怪の中でも、かなりメジャーな奴じゃないか。

「知らないわけないだろ。馬鹿にしてんの?」

「いやいや、違う違う。ごめんごめん。最近さ、俺の周りでその   が出た~って騒ぐ奴がいっぱいいてさ」                 

「はあ?……見間違いか、ただの野生動物だろ。まさか妖怪が実在すると思ってんの?」

「いいから聞けって。そんでな?そのうちの一人がさ、お前のことを頼りたいって」

……!

……

「……」

「な?聞く価値、ありそうだろ?」

「……別に、聞かないとは言ってないだろ」

「そう来なくっちゃ。でな。   って言ってもただの   じゃなくて。山とかにいるわけじゃなくて、学校とか家とかに、突然現れるらしいんだよ」

「……野生動物じゃなさそうだな。なんというか、妖怪よりも幽霊とか、怪奇現象の方が近いんじゃないのか?」

「オカ研ってむしろそっちの方が専門だろ?お前ならやれるって」

「いや、だから、何をやればいいんだよ。話がさっぱり見えない」

「学校に突然現れるって言ったろ?夜中、うちの学校の図書室に   が現れるっていうめちゃくちゃ具体的な情報があんだよ。誰が流したかわからん噂らしいんだけど、その、お前のこと頼りたいって言ってたやついわく、その   と実際会って、色々調べて欲しいんだと」

「……いや、そりゃあ、見てみたい、けど……」

妖怪と会う機会なんて、あれば活かしたい。

けれど、どうせ嘘だろうし。俺はそういうのに騙されるほど馬鹿じゃない。

しかし、もし本当なら。

もし本当なら、

「……俺も付いていってやるからさ!案外話の分かる奴かもしれんし!いなかったらいなかったで話のタネになるからさ!」

震えている俺を見て、庄田は無理に明るく振舞ってくれた。

もし本当なら、やっぱり俺を外から見ている、この視線が関係しているのかな。


※段落抜け?


俺は逃げた。

散々集めたオカルティックな知識は、結局全部作り話を補完するための、怖さを助長するための作り話で、役に立つわけもなかった。

「おい、待てって!こんな暗いとこに置いてくなよ、怖いから!」

庄田の声がする。

全部嘘だ。

あいつが俺に、そんなことを言うわけがない。

気付いたら明るいところにいて、俺に手を差し伸べてくれるのがあいつだ。

「ちょっ……お前そんな走るの早かったっけ!?成長したなあ!俺ちょっと感動で泣きそうだよ!」

怒りが収まらない、もはや、怖くない。

俺はあいつの見ている前で走ったことはない。

無様な走りを見られるのが嫌だったから。体育の授業でどうしても記録が必要だった時は、一度仮病で休んで昼休みに測り直してもらった。

杜撰な擬態。

許せない。

ぺらぺらぺら、と音がする。

ページをめくるような音だ。

どこから音がしているのかわからない。どちらを向いても真正面から音が聞こえる。世界そのものが音を立てているような。

   が現れてから、ずっとそういう音がしている。

音が止まった。


「あれ、君?もう閉校時間はとっくに過ぎてるよ、どうしたの?」

庄田の声に身構えていた耳に、不意打ちのようにその声が突き刺さる。

知らない女性の声だった。

警備員?

そんなわけないのに、一瞬、本当に一瞬だけ、足を止めて、振り返ってしまった。

   は、口を大きく開けて笑って……

   は、   は、   は、   は、   は、   は、   は、   、   、   、

ああもう、どうして気付かなかったんだろう。


俺の腹から下を切り潰して飲み干し、腹が大きく膨れ上がった   が、を見る。

その目は悪意に満ちていた。

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※欄外に文章を書かないこと




















俺が   に触れられているとき。   の考えていることが、ぼんやりと伝わってきた。

   はきっと化ける。   に。 に。 に。 に。そしていつか、一番外側に到達するだろう。














わたしから逃げたいのなら、短い文章を書くと良いと思います!












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自分騙り 過言 @kana_gon

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