どうすれば!?

「はぁ、ルイ?冗談もほどほどにしてよ。

ルイはさ?私のモノなんだよ?だから私の言う事聞けよ」


いつものお嬢様の喋り方ではなかった。


「お、お嬢―――」


バンと音がなった。

お嬢様は壁にもたれかかっていた俺の顔の横に手を伸ばし、思いっきり叩いたのだ。

所謂、壁ドンというやつだ。


「ルイ、次あの女と関わったら…わかるよね?」


お嬢様は俺の耳に顔を近づけそう囁いた。

背筋がゾクッとした。

悪寒が止まらない…


「しかし…」

「しかし、じゃない。ルイはね?他所の女と喋ったら駄目なの。ね?賢いルイなら、どうしたらいいか、わかるよね?」


俺は今日の出来事を頭に浮かべた。

ペトラは俺が話しかけなくてもあっちから話しかけてくる。

もしお嬢様の言っている事を鵜呑みにしたら

俺はペトラを無視という行為をしなければならない…

俺の心はそこらの人間と同じだ。

特別な関わりが無くても無視という行為はできない。

というか、相手に無視されたら俺だって傷つくし…

少なくともお嬢様の言っていることを拒否りたいのだが…

ふとお嬢様から外していた視線をもとに戻した。


「っ!」


あの目はやばい…人を殺す勢いの目をしている。

どうすれば…………

俺はどのような選択肢を選べばいいんだ…

いつも以上に頭をフル回転させているが…

考えれば考えるほど選択肢の枝はどんどん折れていく。

こうなったら……


「お嬢様…ペトラ様と関わってはいけないは無理でございます」

「は?なんで…?なんで?なんで?なんで?もしかしてその女に気があるの!?」


お嬢様の顔はもう


「いえ…そういう訳ではなく、私としてはペトラ様とは関わったらがあると思います。」

「利用価値…?」


お嬢様は壁においた手を引っ込めた。

お嬢様の表情が少し


「はい。ペトラ様のラミレス家は私達と同じ公爵家です。その公爵家のお嬢様、ペトラ様と関わって仲を広めれば、私達としても得ではありませんか?」


どうだ…

お嬢様は何故かは知らないが、女、ペトラと関わることにキレていた。

だが、を目的として関わるということにすれば良いのではないのかと俺は考えた。

俺はもう一度お嬢様を見ると、考える素振をしていた。


「確かに…ね。利用という行為なら関わっていい…」

「お嬢様、私はペトラ様を好意として見たことがありませんので…」

「し、知ってたけど…なんかルイとあの女が喋ってるのを見てたらイライラしたのよ…」

「…周りにはお嬢様いませんでしたよね?どうやって見たのですか?」

「えっ、あっ、ぐ、偶然見ただけよ!」


俺からはお嬢様どこにも見えなかったんだが…

まぁでもさっきのやばい雰囲気が消えてるからそんなのどうでもいいか。


「ルイ、あの女とは関わってもいいけど、少しだけね?」

「はい、お嬢様」


よしなんとか危機を脱した。

もうこれ以上この部屋に居たくない。


「それではお嬢様。話が終わったのでこれで失礼しますね」

「う、うん。ってまっt―――」


俺は逃げる様にその部屋から出た。

急いで自分の部屋に戻った。

部屋の扉の鍵を閉めた。

俺の部屋にはもともと鍵は無かったが公爵から許可を貰い自分で作った。

簡易的ではあるが、人が強く押しても開かないぐらいにはなっている。


鍵を閉めた後、俺はベットに顔を埋めるように横になった。

今日は色々な事がありすぎて辛い。

俺はさっきの出来事を思い出した。


お嬢様は何故あんな風になってしまったんだ。

【あるれい】ではあんな性格ではなかったのに…

色々な事が変わりすぎている。

考えても仕方ないな。

少し仮眠を取るか……


20分ぐらい経った後、俺は目を覚ました。

ベットから起き上がり、いつもの執事の服に着替えた。

そして俺は部屋から出て、出来る限りお嬢様と出会わないように今日の雑務に取り掛かった。


今日一日中お嬢様と会わない、ということはできず、夜食では一緒に食べるため強制的に会わないといけない。

その夜食となった今俺はめちゃくちゃお嬢様に見られている。


「ジトーーーー」

「………………」

「ジトーーーー」

「…………チラッ」

「っ!……………」


ナニコレ、気まず。

俺はお嬢様にめっちゃ見られながらご飯を食べたのだった。



――――――――――――――――――――


即興枠として書いてるので設定があやふやです。

暇潰し程度で見てくれると嬉しいです。

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