主人公のブチギレ

俺とペトラは遅れて外に来た。

そうすると、教師が俺達に淡々とした口調で言葉をはいた。


「遅いぞ、授業始めるからさっさとそこに集まれ」

「すみません」


俺はその教師に謝りペトラと一緒に生徒が集まっているところに混ざった。


「よし全員集まったな。それでは授業を始める。今からするのは対人戦だ」


そう教師が発言すると周りが不満の声を出した。

対人戦とは····言葉通り人と人の戦い。


「実力を見極めるためだ。こういうのはちまちまと魔法や剣を振るより対人戦の方が良い」


それはそうだ。

魔法を適当に撃って実力を出すより、人と戦いながら魔法や剣を振るほうがそいつの本当の実力を出すことが出来る。


「では、こちらで決めた組み合わせで戦ってもらう」


教師が戦い合う組み合わせを一つずつ言っていた。

一応だが男は男と、女は女で戦い合う。

差別っぽいが仕方無い。

男は女を傷つける行為に弱いからだ。

次々と名前が呼ばれていた。

俺の名前と俺が戦う相手の名前もでた。


「全部の組み合わせが終わったな。よしじゃあ、この結界内で戦ってもらう」


パチンッと指を鳴らす音が聞こえた。

そして同時にドーム型の薄い青色の壁が出来た。

これは空間魔法の一種だ。


「ではそこの組み合わせから戦ってもらう。と、その前ルールを言ってなかったな。

ルールは相手が降参あるいは相手を気絶させたらそいつの勝利だ」


そう教師が言い、結界内に2人が入った。

始めっ!という合図から2人は戦いあった。

そこから次々の組み合わせの2人が戦いあった。

そうして時間が経過した。

俺の番になった。


「よし、そこのお前らさっさと始めろ」


俺とその相手は結界内の中へと入った。

さて····どうしたものか。

わざと負けるか、勝つか···

いや····目をつけられないようわざと負けるか。

そう考えていると、戦いの火蓋が切られた。

その直後黙っていた相手が口を開いた。


「ふ、なんだその貧小な体は(笑)

こんなやつと戦うとは。体が鈍っちまうぜ(笑)」

「·····························」


·······前言撤回。

ぶっ倒す·······!

俺は地を蹴った。


「な!?」


相手の懐に潜り、握った拳を相手の腹に打ち込んだ。

そうすると見事に相手は吹っ飛んだ。


「ぐへっ!」


そのままモブAのような声を出して倒れた。

俺は結界外に居た教師に目を向けると困惑している顔をしていた。


「あ、やりすぎた」


と俺は遅れて言葉をこぼした。


「と、取り敢えず次の奴らだ」


そう呆気をとられていた教師が発言した。

俺は結界外に出ると、


「見事ですねルイ様」


ペトラの声が聞こえた。


「ありがとうございます·····と次はペトラ様ですね」

「ええ、見ていてくださいねルイ様」


ペトラとその相手は結界内と入り、開始の合図が出た。

そのとき、ペトラは手を相手に向けて、

小指を、薬指を、中指を徐々に手の平に折り込み、人差し指を相手に指し、そして親指を上にし、銃のような形を手にした。

そのとき、


「······バンッ――――」


とペトラが呟いた。

その瞬間―――――――相手は突如倒れた。

それを見ていたみんながポカンとしながら固まった。

それをいち早く振りはった教師が、


「ラミレスの勝利だ」


ペトラは結界内から出て俺の方へ来た。


「どうでしたか?」

「ペトラ様は強いのですね」

「ありがとうございます」

「あれは·····凄く複雑そうに見えてただの魔法でしたよね?」

「あら、バレてしまっていたのですね」


そう、ペトラは別に凄い魔法を使ったわけではない。

銃の形を手でしたのはただの見栄えだろう。

ペトラという人物は、ただ魔法を打つのではなく魔法を打つときなにかしら見栄えのいい構えをする。

厨二病的なやつだろうか。

まぁそれのお陰で前世での人気があったのだろうけど。


そうして全員の対人戦が終わった。


「今回の授業は終わりにする。教室に戻って帰る準備をするように」


教師は先に教室へと戻り、生徒達はとぼとぼと重い足を動かし歩いて教室に戻った。

俺もそれに付いて行った。


教室に戻って帰りの準備をした。

そのあと教師が色々と明日について喋った。

そのまま帰りの挨拶をし、生徒達は次々と帰っていた。

そうして他の生徒達が帰っているのを眺めていると


「ルイ様、途中まで一緒に帰りませんか?」


隣に座っていたペトラが俺に声をかけた。


「そうですね····」


いや、一緒に帰るのはまずい。

お嬢様と俺は馬車で帰るため門で待たなければならないし、

なによりお嬢様とペトラを会わせてはいけない。


「すみません。今日はお嬢様と馬車で帰るので·····」

「·······そうですか残念です。ではまたお誘いしますね」


ペトラはそのまま教室から出た。

俺は時間をおき、教室から出て門へと向かった。

そうすると、お嬢様が門で待っていた。


「お嬢様遅れました、すみません」

「·············うん、早く馬車に乗って」


お嬢様は冷たくそう返した。

なんか·····お嬢様怒っていないか?

俺はそう思った。

そして馬車へと俺は乗った。


馬車の中にいる間、お嬢様はずっと無言だった。

というか凄く怖かった。

めちゃくちゃ寒気と嫌な予感がした。

俺の本能が屋敷に帰ってはいけないと訴えかけているかのように――――


そうして屋敷に着いた。


「ルイ、付いてきて」


俺は腕を引っ張られ馬車から降り屋敷の中へと入った。

抵抗は出來なかった。しようと思えば出来るが、

そのままお嬢様の部屋へと引っ張られた。


そしてお嬢様の部屋に連れてこさせられバタンと扉が閉まった。

お嬢様は俺の前で背中を見せて立っている。


「すみません、お嬢様····怒っていますよね」

「·················」

「なにかしたのであれば謝りm――――」

「ねぇルイ?あの楽しそうに話してた女だれ?????」


掴んでいる腕の力が強まった。

話してた女ってペトラのことだよな·····

何処で見られた?

俺とお嬢様は別のクラスのはずだ。

というかこの会話の流れ3年前に聞いたことがある気が····


「ええと····女とは···」

「惚けないでよ、あのなんだっけ?ペ····トラだっけ?3年前も一緒に喋ってたよね?」

「え?なぜ知って····」


そうだ何故お嬢様が知っているのだ?

あの場にはお嬢様は居なかったはず···


「あは、知ってるの当たり前じゃん、ルイの事ならなんでも·····身長体重、好きな物嫌いな物、得意としていること苦手なこと、何時に寝るか何時に起きるか、な~んでも知っているよ」


お嬢様は髪を靡かせ俺の方へと振り向いた。

俺はお嬢様の顔を見た瞬間、後に下がってしまった。

お嬢様のその顔は3年前よりも黒さを増していた。

もう表情も読み取れない程に黒く塗りつぶされているような·····


「というかあの女······私とルイが一緒のクラスになるのを邪魔してきたし」

「え?」


一緒になるのを邪魔した?

もう何がなんだかわからない。


「ルイ、あの女ともう一生関わらないで」

「·········」


俺は無言を返してしまった···

ペトラは前世の推し、故に関わりたいと思っている。

だが関わってしまえば【あるれい】のストーリーを変えてしまう····

でも少しなら·····


「今、私にバレなきゃ大丈夫とか思った?」

「っ!」

「はぁ、ルイ?冗談もほどほどにしてよ。

ルイはさ?私のモノなんだよ?だから私の言う事聞けよ」


いつものお嬢様の喋り方ではなかった。


―――――――――――――――――――


前回短かった分今回は長いです。

一気に書いたのでクオリティ低いです。

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