第9話 突然の襲撃者(3)
はぁ――とライジェルは
その後、
どうやら、戦う気がなくなったようだ。
『戦うに
また、ライジェルなりの探索方法があるのだろう。
周囲に『青年の仲間は
私にも魔法を
いいえ、
(これじゃあ、どちらが襲撃者なのか分からないよ……)
「取り
そうすれば、
青年がまだ戸惑っているようなので、
「大方、
そんなところか――と告げる。
青年へ言ったというよりも、私にも分かるように説明してくれたのだろう。
よくある話なのか、ライジェルは平然とした様子で、私の右耳から首の辺りを優しく
魔力暴走で倒れていたので、気が付かない内に精神力を消耗していたらしい。
(
別に他意はないのだろう。
でも、この
(まあ、気持ちいいので続けてもらっても構わないのだけれど……)
青年の方は気力だけで動いていたのだろう。
自分の置かれた状況を
ライジェルは私から手を離すと、青年の
青年の顔色は見る見るうちに回復していく。
正直、今まではアンデッドのように血色の悪い顔をしていた。
だが、すっかり元に戻ったようだ。
かはっ!――と息をすると、青年は前のめりに倒れる。
別にライジェルが攻撃をしたワケではない。
どう呼吸をしていたのか、それさえも忘れていたのだろう。
思考能力を奪い、凶暴化させる。
ハァハァ――と息を荒げて、青年は呼吸を整える。
まるで今までは、水底にでも
悪い
青年の様子を見ていると、
(実際、そうなのかもしれない……)
そんな風に思ってしまう。目は相変わらず、
回復するには、もう少し時間が掛るだろう。
「妖精狩りをすれば『お金が手に入る』と思ったんだろうさ」
仲間の治療費といったところか――そう言って、ライジェルは私へと近づく。
杖を
(ヤッター! これで食べられる♪)
私はスプーンでパウンドケーキを
「ちょっと、甘いかもしれないど……」
熱いから気を付けてね♪――と言うと、彼はパクリと
見た目は大人っぽいけど、食べている時は男の子といった感じだ。
大した事ではないのだろうが、私は感動する。
一方でライジェルの方は、想像した味と違ったのだろう。
また、フワフワな食感にも
砂糖が少なかったので――
(甘さが足りなかったかもしれない……)
と思っていた私だが、男性である彼には丁度良かったようだ。
「
と一言。焼きたてのお菓子を食べたことで、新しい扉が開けたのだろう。
(成功のようね♪)
ムフフッ♡――と私は
しっとりとは違ったフワフワな食感。
『
ライジェルも気に入ったようで「もう一口くれ」と指で合図をされた。
私は「はい、あーん♡」とパウンドケーキを差し出す。
底の方には野苺のジャムが
今回はその部分を
ライジェルは一口で
だが、四つん
どうやら呼吸も整ったようで、だいぶ楽になったみたいだ。
私はパクリとパウンドケーキを
(ライジェルを
そんな事を考えていた。一方で彼は青年に向かって、
「『妖精狩り』は
割に合わないぞ――と告げる。
そして、
「どうせ、誰かに吹き込まれ、その気になっただけだろう」
そう言って、肩を
『呆れている』といった様子だったが、青年に対してではないようだ。
もっと、別の相手に対してらしい。
恐らくは
私は興味が
「ねぇねぇ」
と私はライジェルの
「妖精狩りに会ったことがあるの?」
首を
出来るだけ、可愛く見える角度を意識する。
年齢を気にしたら負けだが、エルフなのでセーフだろう。
「以前、組織を壊滅させたことがある」
とライジェルは語った。
(どうしよう……)
思っていたよりも
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