第2話 聖人追放(2)
俺が「どう
「そもそも、私はリードしてくれるような男性が
優柔不断は嫌いよ――と、よく分からない事を言い出す。
知能の低い相手に言葉を伝えるのは、なかなかに
『
彼女にも分かるように言葉を選んでいた俺の様子を見て、メドゥサは勘違いしたらしく、
「それに、お金に細かい!」
買い物くらい、自由にさせなさい!――と言い出す始末だ。
メドゥサの自由にさせると、すぐに資金がなくなってしまう。
だからこそ、財布の
限られた予算の中で、計算して使うように考えて欲しかったのだが――
(完全に
ゴルゴーン王国の財政は、決して
王族が無駄遣いをしていれば、国民が反乱を起こす原因に
少なくとも大国は領土拡大を狙っているハズだ。
内乱を
それなのに、
どうやら、俺は「ケチだ」と思われていたようだ。
(そもそも、お金を
小国の出である俺たちは財宝を見つけるなり、
剣と魔法を教え、
(その
結果、すっかり自分本位になったようだ。
これは俺の
彼女も
「それに一緒に笑ってもくれない!」
そう言って、メドゥサは
まるで子供のようだ。
今はお互いに聖人と王女という立場である。
あまり仲良くしていては、
昔は遊び相手になった事もあるのだが――
(その時のことを言っているのだろうか?)
今はお互いに立場というモノもあるので、昔のように無邪気に話したりは出来ない。『開拓団』に参加している内は
今のメドゥサは国の顔だ。
人前で楽しく会話するワケにもいかないだろう。
「そもそも、
『不死身のゴルゴーン騎士団』と他国に恐れられているのは、俺が復活させているからなのだが――
(これはもう、アレだな……)
多分、こういうイベントなのだろう。外交も兼ね、他国との人脈作りに
取り巻きのイケメンたち――騎士、魔術師、ダークエルフ、修道僧――は、まるで『
いや、俺が出て行くと――
(たぶん国王に怒られるのは、お前たちなのだが……)
騎士のボンボンは家から
少なくとも、騎士たちの治療は俺が行っていた。
俺が『開拓団』へ参加することを最後まで反対していたのが、国の騎士団だ。
(少なくとも、これで不死身ではなくなったな……)
また、魔術師は
下手に罪を着せ、国外へ逃亡されると、他国に魔法が渡ってしまう危険がある。
それが嫌なら
俺が所属する神殿と魔術教会は仲が悪い。
(神殿側からすると『格好の
ダークエルフの集落は取り
弓の名手ではあったが、
妖精狩りの連中からゴルゴーン王国が保護してやっているのだが、その恩を
王女に取り入って、地位を
(残念ながら、それは悪手だ……)
修道僧は破門だな。恐らく、俺が
(この国はもう終わりだな……)
「分かりました……」
俺はメドゥサに告げると、木造の小屋を後にする。
勇者という肩書はあっても『開拓団』の一員にすぎない。
「えっ⁉ そんなにあっさり?」
などと彼女は
王族である自分の言葉に、もう少し責任を持った方がいいだろう。
(さて、これからどうしたモノか……)
早々に準備をして近くにある『青の森』へと入ろう。
青色の奇妙な植物が多く育つ、気味の悪い場所だ。
もし、追っ手を放たれたとしても、森の中なら
(料理が得意な冒険者がいると助かるのだが……)
――ここは『
かつて魔王が支配し、
人の侵入を
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