第9話「赤城美穂の秘密2」
「ねぇねぇねぇねぇ!みんな聞いて!!!」
美穂がいつも以上のけたたましさで部室に入ってくると1枚の紙を机の上に置いた。その紙には学校に声優を招いてのイベントがあると書かれていた。
「これがどうしたんだよ」
「ここ!ここ見てここ!」
美穂が指差す部分に目をやるとそこにはSPLASHの主人公の声優「栗本敦貴」と書かれていた。すると、美穂以外の全員が口を揃えて
「栗本敦貴!?」
と叫んだ。そして時が過ぎ、当日。運命の日がやってきた。栗本がステージに登壇し、何故声優を始めたのかや、生徒達のから募った質問などに答えていた。
「え〜、次の質問、SPLASHのことを覚えていますか?という質問なんですが、当然ですよ!覚えてます覚えてます!何せ初めてメインで出させてもらった作品ですからね!新人だった僕がまさか主人公役で受かるなんて思ってもみませんでしたからねぇ〜、いや!主人公やりたいなぁって受けに行ったんですけどね?」
生徒達から少し笑いが起きた。
「いやぁ・・・もう何年前ですかね?もうそれくらい前に感じますねぇ・・・いや、CHRONICLEで声の出演はしてるんですけど、ちゃんと台本貰って掛け合いとかしながらっていうのはSPLASHでしかないですねぇ・・・回想とかでもいいから出たいですね・・・当時は本当に必死でやってましたねぇ・・・監督にもよく怒られてました。死ぬ気でやれ!って言われてやってます!って感じで・・・いやぁ懐かしいなぁ・・・3まで主役やらせてもらって、でも死んじゃって・・・台本貰った時は泣いちゃいましたね・・・今でも思い出すとちょっと泣きそうになるんですけど・・・最後の台詞は気合いを入れましたね・・・いやぁ、SPLASHの話になると止まんなくなっちゃいますね〜SPLASHの話はこの辺にして次の質問に行きますか!」
栗本は次々に質問に答えていき、最後に生徒達と写真を撮って帰って行った。そして放課後、部室にて
「いやぁ・・・良かったねSPLASHの話が聞けて」
「あれってもしかしなくても赤城のやつか?」
「うん!私の!読まれて良かった〜、読まれなかったらどうしようかって思ってたよ〜」
「やっぱり栗本さんも3の最後の台詞には思い入れがあったんだな」
「そうだねぇ・・・SPLASH愛も凄かったし、本当に良かった」
「そういえばCHRONICLEの話もちょっとしてたけど栗本さんはCHRONICLEしてるのかな?もしやってたらあたし戦って見たかったな」
「Twitterだとしてるみたいだよ?プレイ自体は趣味って感じらしいよ」
「やっぱり使ってる機体はスプラッシュ?」
「スプラッシュ・ディフィートらしいよ最後に乗った機体だから思い入れも強いみたい」
「スプラッシュ・ディフィートは何回も修正されて良機体になってるし、慣れるにはいいと思う」
「ゲームの話に移行してんな・・・」
ある程度話した後、各々家に帰って行った。
「ただいま〜」
「おぉ、おかえり美穂」
「あ、お父さん、学校に栗本さん来てたよ〜」
「あぁ、知ってる知ってる、RAINで連絡来たし、学校でSPLASHの話しましたよ〜って。またSPLASH関連で出たいです〜って」
「出してあげないの?」
「う〜ん、栗本君はもうジャックってイメージがあるからなぁ・・・モブとかで使うにしても申し訳ないし、かと言ってネームドキャラで使ってもジャックだ〜ってなっちゃうしなぁ・・・」
「回想でもいいから出たいって言ってたよ」
「回想かぁ・・・う〜ん、回想なぁ・・・今のキャラ達と接点がないからなぁ・・・出してあげたいんだけどねぇ・・・CHRONICLEみたいな感じのにしか出してあげられないからなぁ・・・どうしたもんかなぁ・・・」
「if系の話とかどう?」
「if系・・・う〜ん、彼の為にも頑張るしかないなぁ」
「頑張ってねお父さん」
赤城の父親は頑張る決意をし、部屋へと戻って行った。
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