#3 討伐、そしてレベルアップ

「さてと、これからどうするか。」


『万能者・極』を手にした今、何をするべきなんだろう?



[ 答 マスターのステータスの強化を提案します ]



 おぉ、イフォが提案してくれた。

 たしかに俺のステータスゴミだったもんな。

 全部1だったっけ。


「どうすればステータスって上がるんだ?」



[ 答 魔物ディスターバーの討伐によって 経験値を稼ぎ

  レベルアップすることで可能です ]



 どうやら、一般的なゲームと同じく、この世界に存在する魔物を倒して、レベルを上げればいいらしい。

 でも、いままで一匹も見てないし、そもそも俺のステータスで勝てるのか?



[ マスターに 魔物ディスターバーの捜索を提案

  『魔力感知』を発動しますか? ]



 ん?『魔力感知』?

 そんなの持ってたっけ?



[ 答 『万能者・極』に含まれる【スキル】の1つです

  この世界の生物は 魔力を有しています

  そして 魔物ディスターバーは 人間よりも多くの魔力を有していることがほとんどです

  そのため 『魔力感知』によって 周囲の魔力の感知が可能です ]



 おお。すげぇ。

 たしか、あの【ステータス】が表示されたとき、〈魔力〉って項目があった気がする。

 じゃあ、これ使えば敵……魔物ディスターバーだっけ?

 そいつら、簡単に見つけられんじゃん!

 じゃあ、これはYESだな。


「おう。それ使ってみてくれ。」



[ 了 『魔力感知』を発動しました ]



 その瞬間、俺は実際には見えていないが何かの反応を感じ取った。



[ それが魔力です

  マスターの前方に魔物を確認しました ]



 たしかに50m先ぐらいかな?

 小さいけど何かの反応を感じた。


「よし。行ってみよう!目指せレベルアップ!」









「おお、ほんとにいた。」


 今、俺の前に立ちはだかっているのは、強固な魔物……ではなく、小さなスライムだった。

 うん。見るからに弱そうだな。


「イフォ、こいつってどうしたら倒せる?」



[ 答 物理攻撃 魔法攻撃 精神攻撃 状態異常によって

  魔物のHPをゼロにすることで可能です ]



 なるほど。何かしらの攻撃手段でHPを0にすれば良いのか。

 でも、魔法って言っても【スキル】何も持ってないもんな。

 さてどうしよう。

 ……素手で殴るか。



[ マスターに『身体強化』の発動を提案します ]



 …!そんなの持ってたっけ?



[ 答 これも『万能者・極』に含まれる 【スキル】の1つです ]



 やばい。なんでも含んでんじゃん。

 まあ、あるもんは使おう。

 サンキュー『万能者・極』!


「『身体強化』発動!」



[ 了 『身体強化』を発動します ]



 おお、すげぇ!

 なんか身体軽いし、力がみなぎってくる感じがする!



[ 『身体強化』の性能を確認しますか? ]



 お、たしかにどんな【スキル】なのか分かってないな。

 どんな事ができるんだ?



[ 答 身体能力の上昇や 攻撃力 防御力 俊敏など 多くのステータスが一時的にアップします

  『万能者・極』の効果により 上昇率や効果時間が最大となっています ]



 え?最大なの?

『万能者・極』って、もしかしてやばいやつなんじゃ……。

 こういうのって、地道にスキルレベル的なものがあるんじゃ…?



[ 答 その通りです

  一般的な【スキル】は スキルレベルというものが存在し その【スキル】ごとの熟練度によって 上昇し 【スキル】が強化されます ]



 ……なんか苦労せずに、最大ってなんか後ろめたい気持ちになるな。

 まぁ、ありがたく使わせてもらおう。


 とりあえず、ずっとこのスライムの前でなにかするのもアレだし、とりあえず攻撃してみるか。

 …というか、このスライムほんと何もしてこねぇな。

『身体強化』を発動したときも、隙だらけだったのに何もしてこなかったし。



 俺はスライムを蹴った。

 すると、スライムは一瞬で飛び散った。

 ……というか霧散した。


「弱すぎんだろ。…いや、『身体強化』のおかげかもな」


 相手が相手なので、あまり効果は実感しなかったが、流石にステータスが全部1だったのに一発ってのは無いんじゃないか。


 手応えが感じられず、その場に突っ立っていると、目の前に薄い光の板が出現した。

 そう、あの【ステータス】を表示する板だ。



   Lvel Up !


【ステータス】


《天海奏向》 Lv.1 ⇒ 2

              

 HP 5       +4

 攻撃力 3      +2

 防御力 3      +2

 魔力 4       +3

 知力 8       +7

 俊敏 6       +5


 スキル 『万能者・極』



 おぉ!だいぶ上がってんじゃん!

 知力に関しては+7!?

 能力によって上がり幅も違うんだな。


 ……いや、それでもHP5は低いか(泣



 まぁ、とにかく!

 レベルが上ったんだし、この調子でどんどんレベル上げしてみるか。


 何かあっても大丈夫くらいには上げたいな………。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る