第8話 僕はボス

 次の日。


「ボス。最近なにか気に障ることがありましたでしょうか? それとも、私のことが……嫌いになりましたか?」


 どうした、どうした!


 やはり、昨日の一件か!


「き、昨日はごめん。わざとじゃないんだ。君のことが嫌いになったわけでも、気に障ることがあった訳でもないよ!」


 あの後、怒ることを通り越したのか、フォルストは落ち込んでた。


 かなり悪いことをした。


「ボス……。私との約束を覚えていますか?」


 約束?


「ああぁ。もちろんだ!」


 知らんけど。


 フォルストは、心なしか少し悲しそうに見えた。


 その時、ウニタス登場!


 場に和んだ空気が流れた。


「ボ、ボス〜!! お、おはようございます!!」


「おはよう!」


 今日も元気で可愛いウニタス。


 それにしても、念じるだけでも魔法は使えるらしい。


 僕としては、技名を呟きたい。


 今度どっかで練習しよ。


 そしたら綺麗な光の集まりが現れる。


 黒いけど。


 どうせなら、白とか、青とかが良かったなー。


 色変えれる設定とかないのかな?


「ボス? ボス! 聴いていましたか?」


「え? 聴いてたよ!」


 フォルストがこっちを見てる。


 いつの間にか、僕の部屋に手下が集まっていた。みんな可愛い。


「では、ボスには結界をお願いします。私達は城の復旧を急ぎますので」


 あの後、結界が無くなっていたことについても、地味にお説教された。


 常に結界を張ってないといけないらしい。でないと、また前みたいに悪党が攻めてくる。


 疲れるけど仕方ないよね。


 僕ボスだし。


 結界はそれらしきものをイメージして頑張って貼ってみた。


 たぶん大丈夫だと思う。


「ボ、ボスぅ! ウ、ウニタスと第二拠点を発掘しに行きませんか? こ、こんな風通しの良すぎる場所ではよく眠れませんよね!?」


「そうだね。いい考えだ!」


 ついでに、結界も見てこよ。


 ウニタスと話していると、ジロッと鋭い視線が送られてきた。


「ウニタス。あなたには、城の復旧という大事な任務があるでしょう?」


「え、えーーーー!! い、嫌だ! いやだーん! ……わ、分かりました」


 睨みを効かせるフォルストにウニタスは折れた。

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