第5話 ハビタブルゾーンの惑星

 太陽は連星ではない。連星系は半分以上ある。太陽系からケンタウルス座の方角に約4.3光年のケンタウルス座α星は三重連系で、太陽系に最も近い恒星。三連系の恒星はケンタウルス座α星A、ケンタウルス座α星Bそしてプロキシマ・ケンタウリ。その中でプロキシマ・ケンタウリのハビタブルゾーン内を公転する惑星プロキシマ・ケンタウリbが発見されている。

 しかし、直径は太陽の約7分の1で木星の1.5倍の赤色矮星を11.2日で公転するプロキシマ・ケンタウリbには、スーパーフレアが観測されている。


 太陽系からみずがめ座の方角に約40.5光年離れた位置にあるトラピスト1は、木星よりわずかに大きい程度の半径しかない極めて小さい超低温の赤色矮星。周囲に7個の地球型惑星の存在が知られており、既知の太陽系外惑星系の中ではケプラー90系に次いで2番目に惑星数が多い。このサイズの天体では、初めて惑星系を持つことが確認された。そのうち3個は、ハビタブルゾーン内に存在していると考えられる。年齢は76±22億年と見積もられている。太陽の自転周期が赤道付近では約25日で極付近では約30日に対して、トラピスト1は約3.3日とされている。これら惑星は公転周期が多くて18.8日しかなく、7つの惑星は全て潮汐固定され、昼側と夜側の間に非常に大きな温度差が生じ惑星全体に強い風を発生させる可能性がある。現在ハビタブルゾーンにある地球サイズの系外惑星は約20個見つかっている。



 ケプラー452bは、はくちょう座の方角に約1400光年離れた位置にある。太陽とほとんど同じ温度、明るさ、大きさの恒星の周りを公転している。その恒星は太陽の1.1倍の明るさを持ち、大きさは1.2倍。軌道半径は地球よりも5%長い。恒星の回りを一周するのにかかる時間は地球でいう385日。惑星自体の大きさは地球の1.6倍。太陽類似星のハビタブルゾーンに位置していて地球に似ている惑星の中では、最も小さい。もし岩石惑星であれば質量は地球の5倍となり、表面重力は2Gになる。ケプラー452bは濃く曇った大気を持ち、火山活動も起きていると考えられている。

 しかし、ケプラー452bは恒星のハビタブルゾーンに誕生してから、すでに60億年が経過していて、水をどんどん蒸発させていく段階になっている。

 ケプラーが2009年に打ち上げられてから、地球の2倍を超えない大きさでハビタブルゾーンに位置している惑星は、12個ほど発見されている。


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