SIDE:ゴロツキ 「俺たちが見た悪夢」
更新送れました!!!
懺悔します!! すみませんでした!!!
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悪夢だ。
俺たちは、悪夢を見ていた。
訳の分からねえボンボンのガキに負けて、あっさり衛兵どもに捕まって、スキルまで奪われて。
ふざけんなよ。
俺たちが、何をしたって言うんだよ。
おかげで、俺たちの計画はめちゃくちゃだ。
俺たちは、ただあの村を襲って金や職位門を調達しようとしただけだ。
が、それには村に住み着く魔族の女が邪魔だった。
だから俺たちは計画を立てた。
魔族の女が済む村を仲間が制圧し、俺がそのバケモノ女を殺す。
そういう算段だった。
だけど、あのクソガキが邪魔をしてきた。
聖剣を召喚したとき、一目でわかった。
こいつのスキルは剣聖だと。
聞いたことがあった。
王家の人間には、剣聖のスキルを使う王子がいると。
俺はそんなヤツに喧嘩を売ったんだと。
それに、剣を上から押し付けたとき、重力操作のスキルを上乗せしても、あのガキにはまるで効果がなかった。
この特技を喰らって生きていたヤツは一人もいなかったのに。
命乞いするフリして、スキルで重力を上から押さえつけても、叶わなかった。
だけど、見逃された。
しめたと思った。
必死で逃げた先には、ちょうど制圧済みの村があった。
仲間に報告して、剣聖のことを伝えたら村を燃やしてそいつをおびき寄せようと言い出した。
そいつはいいやと俺は頷いた。
でもそれが、間違いだったんだ。
あいつが挑発してきた時は怒ったが、本当は怖かった。
そして5人がかりで戦ったが、負けた。
俺は死を覚悟したが、あいつは俺たちのことを誰一人殺さなかった。
そしてあいつは、声だけで俺たちを気絶させた。
そして、負けた後に気づいた。
俺は、スキルを奪われていた。
仲間たちもそうだった。
あいつは規格外だ。バケモノはあいつだったんだ。
あいつのせいで、俺たちの人生はめちゃくちゃだ。
俺たちはこれから、どうすればいいんだよ……。
武力と暴力に溢れたこの国で生きていくには、こうするしかなかったのに。
……誰か、この国を変えてくれよ。
悪事に手を染めた俺が言うのもなんだが、いつもそう思う。
なんなら、あのクソガキにもそう言ってやりたかった。
だが、今はもう無理だ。
今の俺はもう、スキルを使って抵抗することもできない。
地下牢に繋がれ、一生を終えるのを待つだけだ。
………しかし。
最後に一度だけ、またお袋に会いたかったなァ……。
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