第1話3 コエと出会い2

馬車で町の中を進み、ウルシにある屋敷へと向かう。

王都と違って人は多くないが活気が無いわけではなさそうだ。


市場の方へと向かう人々やきている服も質素ながらに綺麗で、私の両親たちは忙しいながらも立派な領主なんだということがわかった。


「リリィ、もう少し人が少なくなったら、街の中歩きたい」


「はい。わかりました。騎士団の方たちにも後ほど伝えて参ります。」


静かで、王都よりもゆっくりと時間が流れて要る気がする。




「ニーナ様、ついたみたいです。」


馬車の中から見える景色に夢中になっていると馬車が止まった。

リリィの後をついて馬車を降りると王都の屋敷よりもかなり小さいが立派なお屋敷が目の前にあった。


緑屋根のやさしい色の建物で、周りは森が広がっている。

そして屋敷の前には5人のメイドと年老いた優しい笑顔の執事。


私が近づくと6人はゆっくりとお辞儀をした。


「…今日からよろしく、お願いします」


「お待ちしておりました、ニーナお嬢様。

初めまして、ウルシの屋敷を任されています、執事長のミハイロヴィッチと申します。ミハイとお呼びくださいませ」


コクリ、とゆっくり頷く。

リリィの方へと視線を向けると、リリィが私の一歩後ろからミハイへ部屋の案内を促してもらう。



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