タンブルウィードで家が埋もれた
「...」
無言でこちらを見つめる女性。
「...」
「...!芽衣!」
そう叫んだと同時、芽衣も気づいて即座に右へ飛ぶ!刹那の一瞬、何か白いものが横切った。スコン!と横切った何かが背後の壁に刃物のように突き刺さる。...それはお札のような白い紙。しかし、どう見てもそれは紙というにはあまりにも殺傷力が高すぎる。しかも紙の殺傷力もさることながら...マジかこいつ!
「ガランサス様!」
「交渉は失敗だ!撤退を...「待ってくれ」...!」
私の台詞を遮るようにどこかから声が聞こえた。
「ちょいと手伝ってくれねぇか?」
暗がりの中、こちらを見つめる数百の何か...その何かを搔い潜るようにこちらに誰かが近づいてくる...ゆっくりと歩いてくる誰かの輪郭が月光に照らされ少しづつ見えてくる...
―――――まさか!
「おう、そうとも俺が――「ガランサス様!猫が...喋って二足歩行しています!」」
そう、猫だ。猫である。
「猫って呼ぶな!俺には―――「猫だろ」「猫ですね」」
「だから猫って!...て、違う!今は俺のことはどうでもいい!お前ら強いんだろ?見てれば分かる...頼む!ボスを助けてくれ!」
「あ?」
「ガランサス様!来ます!」
ボスを助けてくれ!その言葉に困惑していたのを見逃さず的確に私に向かってお札攻撃が飛んでくる!
「...っ!」
私は背後から来るお札を躱そうと体を右に捻る!しかし!
「いつの間に!」
死角から飛び掛かって来た影のようなようなものに背後を取られていた!マズい、回避...は不可能。受けるしかない!急いで体勢を...
「
「!?」
気が付けば背後にいた影のようなものは一瞬で霧散し消滅していた。原因は言わずもがなあの喋る猫...そして今、はっきり分かったことがある。この感じは間違いない...こいつは存在そのものが...
「改めて名乗らせてもらうぜ!...俺は『学習』の
「で?この際だから話は聞いてやる」
「その前に...ボス!出てきてください!」
そう猫が語り掛けるといつの間にか黒い影が申し訳なさそうな感じで私の背後に立っていた。...ふむ、ボスを呼んだら黒い影が出てきた...なるほど。察したわこれ面倒なやつだ。
「端的に説明するぜ!ボスは敵の
...なるほど。
「存在を奪う...ねぇ?それ私達もヤバいのでは?」
「いや、その
「なるほど~それは興味深い事案ですね~」
「
「なっとるやろがい~としか言いようがありませんね~実際のところ先ほどからずっと調べていましたが確かにアレに生体反応がありません」
...私は芽衣と顔を見合わせる。
「...どうなさいますか?」
「どうもこうも実質一択しかないだろ...アレを倒して美雨に話を聞く!」
「了解いたしました。有象無象の相手はお任せください」
こうなってしまっては仕方がない。任務を放棄しても
「うし、行くぞ!――――――
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