犬はする前に南北の磁力に方角を合わせる
喫茶店を出て歩くこと数分、繁華街を抜け裏路地に入って立ち止まる。
「なるほどな...」
さっき渡された資料にざっくりと目を通す。そこには三十人ほど名前が書かれたリストとプロフィールの書かれた紙が一枚ずつ入っていた。名前の書かれた紙の方はリストの方は二十人に✕マーク、三人に△マーク、一人に○マーク...後は全部『不明』と書かれている。プロフィールの方も大した情報は載っていない...ポケットからライターを取り出し資料を燃やす。全てが灰になったのを確認し裏路地の更に奥へと歩いていく...
クロユリ合衆国...この町は色々な人間たちが暮らす混沌の地。土地を追い出された者、神に愛想を尽かした者、人知れず何かを成そうとする者...様々な思惑が混ざり合うこの地は主に九つのエリアに分けられる。その中でも最も怪しい奴らが潜んでいるのが霧の町『ニヴルヘル』...一言で言ってしまえば碌でもない町、こんな所を一人で歩こうものなら...
「そこの可愛いお嬢ちゃん?」
...こんなような奴に絡まれることは必然である。振り返らずとも声色を聞くだけでこの先何を言われるか分かってしまう。この姿になってからというもの色々と面倒ごとが増えたしなにより...元同性からその視線を向けれることが何よりキツイ。
「こんなとろでお散歩してるぐらいならお兄さんたちと楽しいことs...ガハッ!」
振り返れば男が勝手に吹っ飛んでいた。
「やりすぎだ、芽衣」
「ユウト様にそのような視線を送るなど万死に値します」
「...その呼び方はやめろ。
「失礼いたしました。ガランサス=レニエッタ様」
恭しく跪いて私に頭を下げるスーツの女性。腰にはその容姿には似つかわしくないレイピア、胸ポケットにはタバコの箱。...
「...首尾は?」
「入口に二人...服装からして犯罪組織『アストラエア』のアジトの一つなのは間違いないかと...恐らく中に三十人程、数は問題ないですがしかし...一つ問題が」
「どうした?」
「はい、反教国派...『リキャスター』の幹部。『
「
この世界には神が創り出した様々な
「ここで反教国派と事を構えるのは少々、ここは一度様子見を...」
―――――――――ドカン!
瞬間、何か爆発音のようなものが辺りに響き即座に臨戦態勢をとる...今まさに私達が入ろうとしていた施設は見張りの
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