第9話
「バレンタインが嫌いな事は分かった…けれど、どうして泥棒なんか…」
「彼女を引いた車が…某洋菓子店の従業員だったからですわ」
「……なっ!!」
東山さんは救急搬送されたが…病院で息を引き取った。
「…因みにその事故を起こした従業員は 現在も働いているみたいよ?」
希美の言葉に、葵と瑠花は驚いた。
「…えっ!? そうなの!?」
「うん、勿論 名前は変えてるけど……」
「クビにならなかったの…!?」
「…その洋菓子店は 従業員不足だからクビにはならなかったみたいですわね」
「えー……」
あれから何年も経って…事故はまるで何も無かったかの様にされてしまった。
「まぁそれが…“復讐のきっかけ”になったのでしょうね」
「…………」
東山さんは亡くなる直前まで チョコレートと手紙をずっと大切に握っていたそうだ……。
「…これが その手紙ですわ」
明日香は南野先生から手紙を預かっていた。
“遥君へ―――。
私の隣で 笑ってくれる遥君。
貴方の笑顔が 大好きです。
一緒に 先生になる夢叶えようね!
いつも ありがとう―――飛鳥”
※~※~※~※~※~※~※~※~※~※
『先生は何故 チョコレート泥棒なんて……』
『…見掛けてしまったんだ。アイツを』
『…アイツ?』
『僕の…大切な人の命を奪ったヤツだよ』
『………!!』
『普通に…何事も無かった様にヘラヘラ笑ってたんだ。だからッ―――』
『…………。』
※~※~※~※~※~※~※~※~※~※
そして先生は、チョコレート泥棒になった。
…彼女の全てを奪った 洋菓子店へ復讐する為に。
―The End―
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます