現実

第1話

「またね」

またねはない。

バレンタインが去って行った。

今年も、何もなかった。

ていうか、まだ数時間残っているが、何事もないだろう。

女の子からのチョコを期待していたのは、思春期の頃。

大人になると、もう社交辞令かサービスか、そういうのしかもらえない。

もう成人しているので、その手のお店に行けばおそらくもらえると思うが、虚しいのでやめた。

週末だったか・・・

某タレントさんのバレンタイン握手会があった。

参加予定だったが、体調が悪化のため、出歩くのがつらく断念した。

体調管理を怠った僕が悪いのだが、僕の日ごろの行いが相当悪いのね。

そのまますっぽかすわけにもいかず、メールでその峰を伝えておいた。

便利だね。

で、バレンタイン当日になりその主催者からレターパックが届く。

『先日のイベントに欠席の連絡をくださった方には、当日配っていたものを送ります』

チロルチョコが入ってた。

今年の収穫、これひとつ。