第3話 暗殺事件

 一時期、残虐な事件や、陰惨な事件というのが流行ったことがあった。

「少年によるバラバラ殺人事件」

 であったり、

「カルト宗教による、毒ガステロ事件」

 そんな時に限って、そんな遺産な事件や、想像もしていなかった事件が起こるもので、中には、

「政府が黙認していたために、結局そのとばっちりが、政府関係者に降りかかる」

 という事件が起こったりもした。

 もっとも、こんなとばっちりという言葉を使用してしまうと、まるで、

「この被害者には、関係のないことのような錯覚を与えるが、おっとどっこい。この男こそ、諸悪の根源だった」

 というオチでもあった。

 その継続していた事件というのは、もう今から20年くらい前から、

「霊感商法」

 などという、二束三文のようなものを信者に売りつけるというもので、信者は完全に信じ込んでしまっているので、いくらでも、お金を出すと、団体側は思っているのだ。

 しかし、そのせいで、その家族における被害は相当なもので、

「借金をしてでも、二束三文のものを、高額で購入させられる」

 ということであった。

 悲惨なのは家族であって、借金を背負わされてしまったことが、家族の崩壊に直結してしまうのだ。

「信者である人は帰ってこない。借金だけが残る」

 悲惨な状態である。

 宗教団体としては、信者を完全に洗脳しているので、

「信者からは、お布施としてもいただいている」

 と、何とでもいいわけができるわけだ。

 しかし、実際には、完全なる洗脳であって、やはり宗教に入信するような人は、どこか精神を病んでいるからであり、そこを攻撃することで、洗脳など、意外と簡単なのかも知れない。

 こうやって書くと、まるで、

「すべての宗教団体が、そんな団体であるかのように思われてしまう」

 が、しかし、実際にはそうではない。

 実に一部の悪徳団体による詐欺行為なのだが、一つにそういう団体があれば、他の団体もたまったものではないだろう。

「こっくは真面目な布教活動をしているのに、一部の団体の詐欺行為のせいで、すべての団体が悪く見られる」

 ということである。

 まるで、喫煙者のようだ。

 今の時代は、喫煙という行為自体があたかの犯罪のように言われているので、実際の愛煙家にとっては、辛いものだろう。

 それに輪をかけて、

「マナーを守らない連中」

 がいることで、

「俺たちまで、マナーが悪いと思われるのは、心外だ」

 と思っている。

 実際に、喫煙している連中の中には、

「なぜ、禁煙と言われるか?」

 ということを理解しようとしないバカなやつらが多い。

 特に、まだ、受動喫煙禁止法が施行される前であれば、パチンコ屋であったり、飲み屋で吸っていて、それが我が物顔をしているバカがいるのだ。

 こちらが、本当に煙たいので、煙たそうにすると、、

「ここは吸っていいところだ。文句あるのか?」

 と、平気で許可されていることをあくまでも権利だと勘違いしているクソバカが一定数いたのだ。

 そもそも、禁煙というのは、

「タバコを吸っている人よりも、まわりで煙を吸わされる人間の方が、願などの病気になりやすい」

 という、学術発表によることが、きっかけだった。

 いわゆる、

「副流煙」

 というものだが、

 その副流煙というのは、タバコから出る煙、そして、人間が吐き出す煙の両方があるのだから、それも当然である。

 考えてみれば、喫煙所などが、木造の部屋だったりした時は、壁がヤニで、べっとりとしていたではないか。あれが、

「人間の肺臓の中だ」

 ということを考えれば、これほど恐ろしいものはないというものだ。

 そんなことを考えていると、本当に恐ろしくなる。

 昔、

「ヘビースモーカーの肺臓」

 という写真を本で見たことがあったが、ヘビースモーカーの人間に限ってそんなものを見たことがないのだろう。

 見れば、普通であれば、

「やめよう」

 と思うアズだ。

 それでも思わないということは、完全に、

「依存症」

 になっているわけで、

「死のうがどうしようが、今さえよければいい」

 としか思っていないということであろう。

「自分が勝手に死ぬ分には、どうでもいいことなのだが、その間に、他人を死に向かっていざなっているのだ」

 と思うと、許せるわけもないだろう。

 それを考えると、

「依存症というものが、どれほど恐ろしいことなのか?」

 と思い知らされるのであった。

 要するに、

「自分さえよければいい」

 という考え、さらには、

「自分に少しでも権利があると思えるようなことであれば、他人がどうなろうが、自分の権利を徹底的に主張する」

 というわがままでしかない行為というのは、許されることではないのだ。

 それは、かの宗教団体にも言えること。

「いや、あいつらこそ、撲滅されるべき」

 なのだろうが、

 なぜか。この20年以上も、同じ疑惑、いや、真実を見せつけられているのに、行政は何もしようとしない。

 かつての、

「テロ行為による、毒ガス事件」

 があったことで、宗教団体への法律的な弾圧が厳しくなったにも関わらず、そんな団体がなぜ、野放しになっているかということが、今になって明らかになってきたのだった。

 それを引き起こしたのが、

「元ソーリ襲撃事件」

 であった。

 かつて、疑惑塗れで、しかも、

「この男のせいで、自殺に追い込まれた人間がいる」

 という事実があるのに、その事件を、誰も追いかけようとしない。

「その疑惑をハッキリさせる」

 といって、総裁選で勝利した元ソーリは、ソーリになったとたん、疑惑を解明するどころか、コロッと態度を変えて、その。

「疑惑塗れの元ソーリの犬」

 に成り果てていたのだった。

 確かに、党内では最大派閥なので、少しの譲歩くらいはあってもいいのかも知れないが、あからさまな閣僚人事に誰も何も言わない。

「まぁ、最初だから、大目に見ればいい」

 などと言っていたが、結局、いつまで経っても、疑惑の解明はしようとしないし、それどころか、他の国で戦争が起これば、国民の血税を勝手に、寄付するという、

「売国奴」

 に成り下がったのだ。

 ちょうど世間は、

「世界的なパンデミック」

 というものが、まだまだ猛威をふるっていたころで、口では、

「経済を活性化させないといけない」

 と言いながら、国内に金を使わず、本来であれば、中立でなければいけないはずの、日本が、片方の国に加担して、しかも、もう一方に経済制裁とかをするのだ。

 その国に宣戦布告しているようなものではないか。

「まあ、日本は、アメリカの植民地なんだから、しょうがないか」

 と言っている人もいたが、こうなってしまうと、その言葉もまんざらでもないということになるだろう。

「我が国日本は、一体どこへ行くんだ?」

 と言っていると、そんな時に起こったのが、この、

「元ソーリ暗殺事件」

 であった。

 結果死んでしまったわけだが、一部の人間の中には、

「可愛そうだ」

 などと言っている政治を知らない人が言っているが、それこそ、かつてのプロ野球で、「一番人気のあったチームのファンのほとんどは、女子供だ」

 と皮肉られていたのと同じではないか。

 昔のプロ野球ファンというと、ほとんどが、サラリーマンか、子供会に入っているような少年くらいだった。

 テレビのゴールデンタイムでは、一部の人気球団しか放送しない。

「視聴率が取れないチームを放送してどうなるのだ」

 ということであったが、今では、女子供も、

「地元チーム」

 ということで応援するようになってから、それまでとは、見方が一変してきたのだ。

 そのせいもあって、民放のゴールデンタイムで一部の人気チームを見る人が減った。

 そのかわり、地元球団の人気が上がってきたのだが、さすがに放送局もどこまで視聴率が稼げるか分からない放送をゴールデンに持ってくるわけにはいかない。

 ということで、出てきたのが、

「有料放送」

 というものだ。

「月額数百円で、人気チームの試合を、試合開始前から、終了後のイベントまですべて見せます」

 ということにすれば、契約者がどんどん増える。

 他のドラマ、バラエティ、映画などの専門チャンネルもできてくると、もう、テレビを見なくなってくるというわけだ。

 そうなると、民放側が思っていたものは、すべて失敗ということになるだろう。

 結局、専門チャンネルに奪われて、視聴率は、一桁でも普通になってきた。ゴールデンは昔の深夜番組のようになってしまって、もう、今では、

「家にテレビなんかない」

 という人も多いことだろう。

「テレビなんか見るより、ユーチューブでも見ている方がよっぽどいい」

 と思っている人が多いということだ。

「時代の流れ」

 といってしまえばそれまでなのだろうが、テレビ業界は、自爆したようなものであり、そういう意味では、

「同情の余地はない」

 といってもいいかも知れない。

 実際には、ドラマや情報番組でもいいのもあるのに、昼の情報番組などでは、ほとんどが芸人連中ということで、信憑性も何も感じられなくなってくる。

 芸人が悪いというわけではないが、バラエティや芸人だけを使っているようなテレビ界というもの全体が、信憑性のないものに思えてならないのだ。

「視聴率が落ちまくるのも、無理もない」

 と言われても当然であり、それが、何を意味するのかということを考えざるを得ないのだった。

 余談となったが、このソーリが死んだことを悲しんでいるのは、ほとんどが、女子供、有識者は、そんなことはなかった。

 もっとも、その事後処理に追われて、それどころではないのだろうが、捕まった犯人から、出てきた証言が衝撃的で、

「それどころではなかった」

 というのが、本音であろう。

 狙撃犯がいうには、

「自分は、宗教被害者二世で、暗殺した元ソーリは、その団体と関わっていた」

 ということでの、半分、八つ当たりのようなものであったが。そのおかげで、出るわ出るわ。

「国会議員の半分」

 さらには、

「現職大臣の半分以上」

 が、その団体と関係があったというのだ。

 それはそうだろう。その団体に言及すれば、自分の身が危ないのだから、なるべく触れないようにしようとするはずだ。

 国会議員を巻き込んだ宗教団体、どんなことが起こっているのか、たぶん、下々の我々が分かることはないだろう。当然、

「ヤバイ」

 と思っている上の連中が、必死になって、

「もみ消しに走るだろう」

 からである。

 ただ、問題は、その程度で収まるものではなかった。世間、特にマスゴミの力は大きなもので、やつらが騒ぎ出すと、政治家もさすがに、

「知らぬ存ぜぬ」

 というわけにもいかない。

 何とか適当に、

「調査した」

 とでもいって、煙に巻こうとしたのだろうが、

「そうは問屋が卸さない」

 というところであった。

 そういう意味で、

「元ソーリ暗殺事件」

 は、殺されてもしょうがない暗殺だったのだが、ひょんなところから、政府の膿が出るということでは、

「あいつも、死んだことで役に立つだから、よかったじゃないか」

 と言っている口の悪いやつもいることだろう。

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