第12話
雫と翼の気持ちは一つだった
そして、今に至る
旅館までの道のりは長くもなく短くもなくといったところだろうか
二人は互いに一言も話さずに歩いていた
しかし、沈黙に耐えられなくなった翼は意を決して口を開いた
「雫ちゃん、そろそろ相棒から離れていった方が良いんじゃない?」
もちろん雫の返事はノーだが……
そんな無言の状態が数時間続いたのち旅館についた二人だったが
二人が泊まる部屋はというと一部屋となっており
和室であった
翼は緊張感でつぶれそうになっていた
(気まずい)
一方雫の方はというと初めての旅行でテンションが上がっていたのだがその上がり方は異常だった
部屋に入った途端、枕投げを始めたのだ
そして、今もなお枕投げは続いていた
しかし、互いに疲れてきたせいか終わりかけていたところに旅館の女将さんがやってきてこってり絞られてしまった
その日の夜ご飯では 翼が一人で盛り上がっており雫はというと……
温泉に浸かっていた
(それにしても、話す話題がないのが困るよ...)
しばらくすると、反対側の男湯から翼が話しかけてきた
「雫ちゃんってそんなに相棒のことが好きなの?」
「お兄ちゃんは、私の憧れですから」
「へぇ~、憧れか~」
「...じゃあ、翼くんはお兄ちゃんのどこが好きなの?」
すると翼は急に慌てふためき始めた
これは絶対に好きであると確信を持った雫はとりあえずお風呂から上がることにした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます