第4話

 振り返ると、一人の男子生徒の姿があった。

 彼は、俺のクラスメートで、名前を黒江 翼という。

 成績優秀、スポーツ万能、おまけにイケメンと三拍子揃った男で、当然のごとく女子からの人気が高い。


「相棒! もう帰るのか? まだ来たばっかだろう」


「翼、今日本当は授業ない日だからな、それにしても、翼も今日授業ないだろ

 う?」


「俺は相棒に会いに来ているからな」


 そう言って、爽やかな笑みを浮かべる。


「まぁ、そう言うなら別に構わないけど」


「それで、今から何処に行くんだ?」


「図書館だよ、調べたいことがあるからな」


「なんだ、また勉強か?  俺も付き合うぜ相棒!」


「お前は帰って寝ていろ」


「ひどいな~相棒、まぁ そのつもりだけど」


「じゃあ、また明日な」


「あぁ、相棒 また明日」


 そうすると、俺は学校出て、図書館に行った。

 そして、そのまま閉館時間まで本を読んで過ごした。

 それから、帰宅するために校門を出ると、そこには見覚えのある人物が立っていた


「渚、誰を待ってるんだ?」


「勇樹くん!  一緒に帰ろう」


 そういって一緒に歩き始めた


「勇樹くんは嫌じゃないの?」


「何が?」


「学校で猫かぶってる私のこと」


「嫌いじゃないよ、でも、心配してる、最近頑張りすぎてるからね」


「...二人でいる時、ゆーくんって呼んでもいい?」


「いいよ、少しはリラックスしないとね」


 家の前に着くと、渚はニコニコしながら、また明日といって帰っていった


「ただいまー」


「お帰り、お兄ちゃん!」


「学校大丈夫だったか?」


「うん、翼くんが守ってくれて」


「へぇーあいつが、お礼を言わないと」


「お兄ちゃんこそ大丈夫だった?」


「俺は大丈夫だよ、図書館で本を読んでたからな」


「それもそうだけど.. 子守ちゃん、何かしなかった?」


「あぁ、写真集をもらったぞ」


「むぅ~」


「大丈夫だって、俺は世界で一番、雫を愛してるからな」


 そういうと、雫は顔を真っ赤にして、部屋に戻っていった

_______

(あの女、やっぱり、お兄ちゃんを狙っていたのね)

「私の方が大好きなんだから!!」


「雫~! 夜だからあんまはしゃぐなよ~!」


 もういいもん次会ったらくぎを刺しておかないと...

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