第2話 ~出会いと別れ~


3月15日。卒業の日。   

       彼の命日。そして彼と出会った日。

彼が亡くなってから2年がたつ。

私たちは今年成人した。

私は今日も毎年のように行く彼の家へ向かう。


       ピンポーン


誰もいないけどインターフォンを押す。

彼の両親は去年交通事故で亡くなった。とてもよくしてもらっていたのでその感謝もする。

「お邪魔します。」

と呟きながら家の中にはいる。

彼が生きているときにも来たことがあるのである程度の場所は覚えている。

リビングに行くと彼の写真が仏壇の横においてあった。

その横にご両親の写真と彼の好物だったおはぎをおいて手を合わせた。


“元気だよ。……こないだ弟子が出来たんだ。可愛い子だよ。あなたが生きていたらもっと楽しい人生が遅れただろうね。……また来ます。”


彼の家から帰る途中、小さな子猫を見かけた。

段ボールの中に置き去りにされた子猫は弱々しく泣いていた。

私は、その猫を抱き上げ家に連れて帰った。


「ただいま。」とドアを開けるとそこにはなぜか私の弟子になった後輩のくるみが膝を抱えて座っていた。

「おかえりなさい。」といいながらも彼女は玄関から動こうとしない。

「どうしたの?」と尋ねても彼女は首を降るばかりで何も話さない。

私はそんな彼女にかける言葉も見つからなかったのでそっとしておくことにした。

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僕の大切な人 いむ @imunomori

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