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【レオンハルト&ルーク流 口付けの作法】
レオンハルトとルークの日常編です。
二人が両想いになった後のお話ですので甘えです。
今回もまた、全年齢ギリギリかと思われます。
大丈夫というかたのみ、どうぞ!!
それではどうぞ……。
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「それでは今後ともよろしくお願いいたします」
今日はレオンハルトと一緒に夜会に出席していた。
レオンハルトと俺は外交を任されているので、夜会の出席も多い。
そして今日は、5夜連続の夜会出席の最終日だった。
ようやく、話をするべきであるゲストとの話を終えると、レオンハルトが俺の耳元で囁くように言った。
「ルーク、少し休憩しよう……さすがに疲れた……」
俺もレオンハルトの提案に頷いた。
「そうですね。飲み物と食べ物を用意してきますので、テラスで待っていて下さい」
「ああ。頼む」
レオンハルトが一緒にいると絶対に声をかけられて休めなくなるので、俺は先にレオンハルトに会場から出るように言った。
そして俺は結構がっつりと食べ物を用意して、飲み物をトレーに乗せるとテラスに出た。
テラスに出ると、レオンハルトがご婦人に囲まれていた。
レオンハルトはどこにいてもモテる。
拗ねそうになるが、レオンハルトの目が疲労で光を映していなかったので、俺はすぐにレオンハルトを助けるべく動いた。
「レオンハルト殿下、お食事のご用意が出来ました」
レオンハルトは、令嬢に「少々失礼いたします、良い夜を」と言って俺の方に歩いてきた。そして、俺たちは競歩のようなスピードでその場を去って、広い庭園に向かったのだった。
「ああ~~~助かったルーク」
「いえいえ、殿下。あのガゼボで食事にしましょうか」
「ああ」
俺たちはガゼボを見つけて一時、食事を摂ることにしたのだった。
「ああ……ルークを抱いて眠りたい」
食事が終わるとレオンハルトが俺の肩に頭を付けて呟くように言った。
「兄上が『結婚まで無用な宿泊は禁止』だと言っていたので当分は無理ですね……」
俺はゴクリと果実水を飲みながら答えた。
するとレオンハルト殿下は身体を起こして、両手を俺の肩に置きながら言った。
「過保護じゃないか!? もう18歳だぞ!? ああ、ルークの寝顔を一晩中見て癒されたい」
「それではレオンハルト殿下が休めませんので、やはり却下ですね」
俺たちが話をしていると、近くの茂みでガサガサと音が聞こえた。
レオンハルトと俺は剣に手をかけた。
ここは会場の隅だ。もしかしたら、夜会会場に賊が入り込んだ可能性がある。
もし賊なら会場に入り込む前に阻止したい。
「ルーク、いいか? 私から離れるなよ?」
「はい」
俺たちは音のする方に近付いた。
すると、女性の声が聞こえた。
「ふふふ、今日のゴードン様のごいさつは素敵でしたわ。レオンハルト殿下もルーク様もにこやかに拍手をされていましたわ」
「そうか……それは安心した。私は緊張してお二人の顔が見れなかったから……何かご褒美をくれないか?」
俺たちは顔を見合わせた。
どうやら今日の主催者とその婚約者か、恋人と言った二人がここで密会をしていたようだ。
ここは会場からは程よく離れているし、少し見えにくい場所にあるので逢瀬には丁度いい。
俺は、剣の柄から手を離してため息をついた。
「なんだ……レオンハルト殿下、戻りましょう」
俺は戻ろうとしたが、レオンハルト殿下は動かない。
どうしたのだろうか?
不思議に思っていると女性の声が聞こえた。
「ふふふ、何がいいのですか?」
「一度、君からキスしてほしい」
これ以上は二人の会話を聞くの野暮だ。
「(ほら、レオンハルト殿下行きますよ)」
俺は小声で、レオンハルト殿下を引きずるようにして先ほどまで二人で休んでいた場所に戻った。
ガゼボに戻るとすぐに、俺はレオンハルト殿下に両手を掴まれた。
「な、何ですか?」
突然のことで驚いていると、レオンハルト殿下が真剣な顔で言った。
「なぁ、ルーク。私はこの5日間、毎日、毎日、毎日夜会に出席して、充分過ぎるほど働いたとは思わないか?」
(一体、突然何を言い出すんだ?)
俺は困惑しながらも「ええ。そうですね……それを言うなら俺もですが」と答えた。レオンハルト殿下は俺ところは華麗にスルーしながら言った。
「ルーク、ご褒美がほしい」
「は?」
俺は、思わず酔狂な声を上げてしまった。
「え……と、え? ご褒美とは??」
レオンハルト殿下は急に色気のある声を出しながら言った。
「キスしてくれ」
俺は、「はぁ、どうぞ」と言って目を閉じた。
正直に言うと、仕事始めと仕事終わりにはキスをされるので、特に問題ない。
すると、レオンハルト殿下が声を上げた。
「違う!! 私からではなく、ルークからしてほしい。いつも私からだろう? 今日はルークからしてくれ!! 触れるだけじゃない……キスが……いい」
俺は顔に熱が集まるの感じた。
「ええ!? ここでですか?」
「ああ」
俺はキョロキョロと辺りを見渡した。
人はいない。
俺が周りを警戒していると、レオンハルト殿下が拗ねたように言った。
「ルーク。私たちが婚約しているのは周知の事実だ。そんなに警戒する必要はない。見られたからと言って痛くもかゆくもないだろう?」
「そういう問題じゃありません!! これは……恥ずかしいというか……気持ちの問題です!!」
俺がためらっていると、レオンハルト殿下がじりじりと迫って来た。
「ルーク。早く……キスしてくれ……」
レオンハルト殿下が目を閉じてキス待ちの顔をしている。
そういえば、レオンハルト殿下のキス待ちの顔を初めて見たが……カッコいいし、エロいし、あ~~マジで、恥ずかし過ぎる!!
なかなかキスをしない俺にレオンハルト殿下が片目を開けた。
「まだか? ルーク」
俺は思わずレオンハルト殿下に抱きついた。
「わっ!! 突然どうした、ルーク!!」
驚くレオンハルト殿下の手を取って俺は心臓に当てた。
普段よりも早い心臓の音がレオンハルト殿下の手に伝わるのがわかる。
「早い……でしょう、緊張してるんです!!」
「ふふふ、私にキスをするだけなのにこんなに緊張しているのか? 毎日しているのに?」
「自分からするのは……――恥ずかしいんです」
するとレオンハルト殿下に抱きしめられた。
「ああ~~~~もう、ルークを抱きたい。なぜ結婚してからなんだ? 今すぐ抱きたい」
俺は慌ててレオンハルト殿下を見上げた。
「抱く!? ……どうして、キスから話が飛躍したのですか?」
「そんなのルークが煽るからだろ?」
どうやら、俺がキスを先延ばしすることで、レオンハルト殿下はますます手が付けられなくなりそうだった。
俺はレオンハルト殿下の両頬を挟んで、唇にキスをした。そしてペロリと舐めて口を離した。
「キス……どうでしたか?」
するとレオンハルト殿下が真っ赤な顔で抱きしめてきた。
「ああ、ルーク。もう帰ろう。すぐに帰ろう、直ちに帰ろう。イザークには使いを送る。今夜は離せない」
どうして~~~!?
キスしたらおさまるんじゃないの???
結局その後、俺は主催者に帰ることを伝えると、レオンハルト殿下に引きずられるように馬車に乗り込んだ。
馬車の中や、ベッドの中で暴走したレオンハルト殿下にめちゃくちゃに愛されてしまったのは……兄上には内緒だ。
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読んでいただきありがとうございました!
大変嬉しいです。
ぜひまた遊びに来ていただけば嬉しいです。
藤芽りあ
腹黒王子は、善良な俺を悪役令息にしたいらしい……やめよう? 藤芽りあ @happa25mai
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