☆200感謝エピソード



☆を付けて下さった皆様、本当にありがとうございます!!

大変嬉しいです!!

☆200記念!

……糖度マシマシでお送りいたします(笑)

糖度をかなり上げましたので、全年齢のギリギリかと思われます。

苦手な方はご遠慮下さいませ。


準備はよろしいでしょうか?


【二人の後日談・日常編】です!!


どうぞ!!


⁺‧•͙‧⁺•͙‧⁺ •͙‧⁺ ⁺‧•͙‧⁺•͙‧⁺ •͙‧⁺ ⁺‧•͙‧⁺•͙‧⁺ ⁺‧•͙‧⁺•͙‧⁺ ⁺‧•͙‧⁺•͙‧⁺ ⁺‧•͙‧⁺•͙‧⁺




 レオンハルトとの想いを確かめ合った俺たちだが、一日中イチャイチャラブラブしている……というわけではなく……いつも通りレオンハルトと俺の執務室で仕事をしていた。



 カリカリ。

 カリカリ。


 静かな室内に、ペンを走らせる音だけが聞こえていた。

 今日はいい天気だが、遊ぶこともなく俺たちは真面目に城でレオンハルトと、書類仕事をしている。


「ふぅ~」


 キリのいいところまで終わったので、トントンと書類をまとめて顔を上げるとレオンハルトと目が合った。


「ルーク、休憩するか?」


「はい」


 ミルカがレオンハルトの言葉を聞いて、お茶の準備をしてくれた。

 

「それでは私は書類を提出して参ります」


 ミルカはお茶の準備が終わると、先程終わらせた書類を持って部屋を出た。

 本来なら別の執事に頼んでもいいのだろうが、ここに配属される執事や侍女はまだあまり仕事に慣れてない者が多い。しかも仕事中はミルカ以外の者は別室待機なので、ミルカが自ら行った方が早いと言っていた。


「ありがとう、頼むな」


「はい」


 ミルカを見送ってソファーに座ると、それを待っていたのようにレオンハルトが俺の膝を枕にしてソファーに寝転んだ。

 レオンハルトと想いを確かめ合ってからも日々の仕事に追われ、あまりゆっくりと過ごせないので、俺にとってもこの二人だけで過ごせる時間は貴重だった。

 俺もレオンハルトに触れたくて無言で彼の髪を撫でた。


 気持ちよさそうに目を閉じるレオンハルトを見て、思わずくすっと笑い、レオンハルトの頬を撫でるとレオンハルトが身体を起こした。


 交代だろうか?

 そう思っているとレオンハルトの顔が急に近づき、親指で俺の唇をなぞった。


「レオンハルト殿下!?」


 俺が慌ててレオンハルトを見ると、レオンハルトはいつものように笑ってみせた。


「ルークの唇は、柔らかくて気持ちがいい」


「え?」


 髪を撫でる時のように、頬を撫でる時のように、あまりにも自然に、そんなことを言うので、焦っている俺の方がおかしいのかと錯覚してしまう。

 レオンハルトは俺の手を取って、俺の指を自分の唇に導いた。

 レオンハルトの雰囲気が一気に変わった。熱の籠った瞳で見つめられて、誘うように俺をの唇を自分の唇に押し当てる。


「どうだ?」


 俺はゴクリと息を呑んで小声で答えた。


「……柔らかい……デス」


 ずっと童貞だった俺は、レオンハルト以外の人とキスをしたこともない。

 だが、いまだにレオンハルトの唇に触れる度に想像以上に柔らかくて驚く。まだ慣れなくて恥ずかしくてレオンハルトの顔が見れなくて下を向いた。


「だろ?」


 レオンハルトに下半身に直接響きそうな色気のある声で囁かれて顔を上げると、彼が目を細めて笑った。

 そして俺の手を唇から離し、しっかりと握るとゆっくりと顔を傾けながら近づいてきた。

 レオンハルトの美しい紫の瞳が閉じられたと思うと、唇に柔らかくてあたたかいものが触れた。


 気が付くと――俺は、レオンハルトと唇を合わせていたのだ。


 俺はやはり柔らかに驚いてしまって、微動だにできなかった。

 呼吸も忘れて、唇の柔らかさに驚いているとレオンハルトが一度唇を離して、俺の瞳をじっと見つめた。

 そして俺の耳に手を添えて瞳を閉じると、もう一度唇を合わせてきた。


 あ、俺――キスしてる……


 ぼんやりとした頭で、そう思った。


 休憩中とはいえ、いつ誰が入って来るのかわからない状況でキスをされているのだ。

 もっと、心も身体も抵抗してもいいはずだ。

 だが、俺の心も身体も、レオンハルトとのキスを拒みはしなかった。

 受け入れるの当たり前のように、俺はレオンハルトのキスを受け入れていた。


 レオンハルトは何度か、唇を合わせた後に、顔を少し離して俺の瞳を見ながら言った。


「唇で触れるのが一番柔らかい気がする」


 俺は小さく頷くと、自分の唇に触れた。

 エロ過ぎる……

 もう、色々と……耐えられない。 

 レオンハルトのあまりの色気に羞恥と困惑で、結局おれの口から飛び出した言葉は……。


「レオンハルト殿下……なんだか慣れてませんか?」


 自分で言って、驚いた。

 どうして、その言葉を選んだ?

 もっと、他に言葉があるだろう?!

 レオンハルトを困らせるような自分の発した言葉に動揺していると、レオンハルトが、意味深な笑みを浮かべた。


「まぁ、慣れているかもしれないな」


「え……?」


 慣れている?


 俺は目の前が真っ暗になった。

 もしかしてレオンハルトは誰かとキスをするような関係になったことがあるのだろうか?

 ずっと側にいたが気付かなった。

 裏切られたように思って、涙を堪えていると、レオンハルトが俺の顔を覗き込みながら慌てて言った。


「誤解するな。私も初めての相手は、ルークだ。――ただキスには慣れている……――ルークが知らないだけで……」


「え?」


 レオンハルトの初めての相手は俺。

 それはなんとなくわかる。

 7歳の頃から、俺は四六時中レオンハルトと一緒にいた。ずっと俺と一緒にいたレオンハルトにキスをするような深い仲の相手がいたとは思えない。


 でも、俺が知らない?

 え? どういうこと?

 

 驚いてレオンハルトを見ていると、レオンハルトがこれまでみたことないような幸せそうな笑みを浮かべ、再び顔を近づけて唇を押し当てた。

 いつの間にか俺は目を閉じてレオンハルトの唇を受け入れていた。

 長い間、レオンハルトの唇の柔らかさを感じていると、少し唇が離された。


「……ずっと……こんな風に起きているルークと……したかった」


 ふとレオンハルトが、唇をくっつけたまま内緒話をするように呟いた。

 言葉を発した振動と、空気で、背中に一瞬身体が浮き上がるような浮遊感を感じた。 

 そんなフワフワした感覚を感じながら、俺はレオンハルトの瞳を見ながら尋ねた。


「寝てる時にしたってことですか?」


 レオンハルトが目を細めて鼻が当たりそうなほど至近距離で言った。


「ああ。ルークが可愛い寝顔を無防備に見せるので……我慢出来なかったんだ」


 そして再び唇を合わせた。

 ズルいって……それ……

 俺は少し唇が離れると小さな声で言った。


「そういうことは……1人でしないで……言ってください」


 するとレオンハルトは驚いた顔をした後に、幸せを体現したような笑顔を見せた。


「ふふふ、勝手にしたことを咎めたりはしないんだな……今度からは、ちゃんと伝えることにする。ルーク、キスが……したい……もっと……」

 

 レオンハルトはそう言って、何度も唇同士を触れさせる。

 耳に片手を添えて、耳を撫でたり、引っ張りながら何度も、何度も。

 しかも空いている方の手で脇腹をなでたり、背中を撫でたり、いつもされていることなのに、キスをしながらだといつものようなくすぐったさや、心地良さではない、別の感覚が生まれてくる。


 もっと、ほしい……。


 そう思ってはっとした。


 今は仕事中!!!!


 そしてそろそろミルカも戻って来るかもしれないし、大臣や兄が書類を持ってくるかもしれない。

 特にこんなところを、兄たちベルンハルト殿下や、イサーク兄上に見られたら!!


 俺は、レオンハルトの身体を押しながらゆっくりと唇を離した。


「も……う……んっ……ダメ……です……」


 自分の信じがたいほど媚びを売るような甘い声が出たことに困惑して、レオンハルトを見ると、彼は目を細めて口の端を上げながら言った。


「ふっ、そんな誘うようなとろけた顔でダメなど言っても止まってやれないぞ」


 レオンハルトのどこか余裕を無くし俺を求める熱量のある瞳と濡れた唇を見てしまったら、俺も、もう……――ダメだった。


「レオンハルト……殿下……誰か来たら……」


「わかっている。だが、今は……ルークに触れたい」


 そして再び俺はレオンハルトに唇を奪われた。

 結局レオンハルトはミルカが戻って来るまで唇を離してくれなかったのだった。


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