穢れることを恐れていては

「初めてとはな。驚いたわ」

身繕いしながら叔父は放った。嘲笑含みの口調に折れそうになるのをぐっと堪える。


「そういう世代だよな。おっさんは金になるからねぇ。しかしユカちゃんの処女膜破かせていただけるとは思わなかったね。大切にした甲斐があったよ」


毛布をかぶっただけのユカは静かに叔父のひとり語りに耳を貸す。


「んで?どうするの?」


一頻り喋った叔父が改めて聞く。この先関係を続けるつもりがあるのかと聞かれていると、ユカは感じた。

「え、このまま。お金欲しいし」

下劣な笑い声が胸を突き破る。

「いいじゃねぇか、正直で」

折角整えた衣服を剥ぎ、再びユカに覆いかぶさる。獣慾の塊はユカの肉体に激しく吸い付く。

このままどうにかなってしまうなら。

それならせめてこの鼓動の証を、馬鹿な叔父を使って母親に思い知らせてやりたい。

ユカを貪る陰獣の娘たちの柔らかい感触など、とうに忘れていた。


叔父の求めを絶対拒絶しない。いつでもどこでも月経と重なっても、ユカは直向きに叔父の求めに応じた。それなりの額を手に入れることになった。

半年ほど関係を続ける間に妊娠した。叔父の知り合いという医師が処置してくれた。

「自分を大切にね」

その人は穏やかだった。

「あんたに関係ないでしょ」

瞬間、苦い表情を浮かべる。

医者の癖に叔父の依頼を受けるクズ。倫理に反すると叔父を説き伏せユカを保護することを放棄した汚物。

「あんたもあいつと同じのくせに」

厭らしい笑みは母親のそれを真似て作った。その人はユカに2度と視線をくれなかった。

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