第49話 熱いバトルは特にない
「っと、レベル九十六、ニューヨークダンジョンを一つ攻略、と」
俺が、ダンジョンコアを割る。
スキル獲得、と。
「軍隊が僕達より強くなると困るからね、鍛えておかなくちゃ」
とアーニーが言う。
「む、良い調子だ」
ヴォルフが言う。
「そんなに焦る必要もないわよ。どうせ、手に入るスキルは攻略するダンジョンのレベルと比例するのだから、軍隊の強さには限界があるわ」
とシーマが言う。
何にせよ……。
「この辺りでステータスは頭打ちだな、そうそう上がらなくなってきた」
俺達は、ステータスを見せ合う。
『NAME:羽佐間義辰
TITLE:ムンドゥス
RACE:超越者
AGE:28
SEX:男
JOB:時壊王
LEVEL:94
HP:5560
MP:13878
STR:2104
DEX:2251
VIT:1853
AGI:3264
INT:1744
MND:4074
LUK:1030
CHA:1021
SKILL
経営(中級)
料理(最上級)
プログラミング(中級)
絶対耐性
完全隠蔽
飛行魔法(最上級)
生活魔法
全能力増大(極大)
解錠(最上級)
隠密(最上級)
錬金術(最上級)
言語翻訳
鑑定
遠話魔法
AUTHORITY
銀の鍵
輝くトラペゾヘドロン
幻夢境
窮極の門
盲目白痴の神
闇の跳梁者』
『NAME:アーノルド・ガルシア
TITLE:アルスマギカ
RACE:超越者
AGE:28
SEX:男
JOB:魔導王
LEVEL:94
HP:3474
MP:55580
STR:1204
DEX:1107
VIT:1371
AGI:1861
INT:4487
MND:2849
LUK:1050
CHA:1021
SKILL
経営(中級)
プログラミング(中級)
速読
瞑想
魔導書製作(最上級)
全能力増大(極大)
絶対耐性
完全隠蔽
アイテムボックス
鑑定
言語翻訳
AUTHORITY
アルスマグナ
セフィロトツリー
ディエスイレ
アカシックレコード
ノリメタンゲレ
ハルモニアムンディ』
『NAME:ヴォルフガング・ラインハルト
TITLE:アルマトゥーラ
RACE:超越者
AGE:28
SEX:男
JOB:護星王
LEVEL:94
HP:55544
MP:11517
STR:3874
DEX:2277
VIT:3148
AGI:1051
INT:1041
MND:2548
LUK:1025
CHA:1020
SKILL
経営(中級)
プログラミング(中級)
栽培(上級)
畜産(上級)
魔装具製作(最上級)
絶対耐性
完全隠蔽
全能力増加(極大)
飛行魔法(最上級)
アイテムボックス
生活魔法
鑑定
言語翻訳
遠話魔法
AUTHORITY
ティタノマキア
アルゴナウタイ
アイギス
エリュシオン
クリュメノス
グラウコーピス』
『NAME:セラフィーマ・ポチョムキナ
TITLE:ラーミナ
RACE:超越者
AGE:28
SEX:女
JOB:武天王
LEVEL:94
HP:6007
MP:18045
STR:2374
DEX:3105
VIT:1854
AGI:2259
INT:1754
MND:2871
LUK:1040
CHA:1020
SKILL
経営(中級)
プログラミング(中級)
工作(最上級)
魔導具製作(最上級)
絶対耐性
完全隠蔽
全能力増大(極大)
縮地
瞬動
慣性制御
飛行魔法(最上級)
アイテムボックス
生活魔法
鑑定
言語翻訳
遠話魔法
AUTHORITY
グレイプニル
ラグナロク
ユグドラシル
フィンブルヴェト
メギンギョルズ
ギンヌンガガプ』
えー、まあ、全員ぶっ壊れスキルとステータスになりました、と。
レベル七十もあれば、怪獣映画の主役並だと言えばヤバさが分かるだろうか。
レベル九十四のステータスとスキル……、これは最早、地球全ての戦力よりも大きい。
核ミサイルでも無傷で、デコピンで大陸を割るくらいと言えば分かるだろうか。
だが、普段は無意識に身体能力を制限できるので謎だ。
既に人間ですらない。
俺達は、人間の上位種である超越者に進化したようだ。
スキルも、増加と統合を繰り返し、レア度最上級よりも更に上の『権能』を得た。
なんか……、特に見せ場もなく、気がついたら強くなっているとか、大変面白味がない。
でも実際、週に一度くらいのペースで超高レベルダンジョンの攻略はしていた。
じゃなきゃとっくに世界は滅んでる。
俺達四人が、各国の首都圏に現れた超高レベルモンスターとダンジョンの間引きをしないと、ダンジョンとモンスターの流出現象で世界の終わりだ。
いや、現在進行形で世界の終わり来てるけど。
流出現象ってのは、高レベルのモンスターやダンジョンの持つ権能で、周囲の環境を作り変え、自分の世界を上書きすることだ。
これにより、高レベルのモンスターやダンジョンの周辺は、別世界に作り変えられる。
幸いにも、流出現象の範囲は半径十キロメートルほどなので、広がりはしないが。
だが、それにも限度があるからな。
流出現象によって生み出された世界同士が重なると、食い合いが発生する。
互いに世界を押し付け合うパワーゲームの始まりだ。
流出現象の原因となる存在の意思によって、他の世界と融合するか、領域を奪おうと侵略するかは選べるが、大抵、高レベルのモンスターは、自分が世界で一番偉いと思っているので、喧嘩になる。
そして、もし喧嘩に負けた奴が、外に出たら……?
災害が歩いてくるようなものだ。
だから、俺達は、高レベルモンスターや高レベルダンジョンが漏れ出さないように、間引きをしている。
それにより、レベルがガンガン上がったって訳だ。
もちろん、バリバリの死闘で、前衛のヴォルフの手足がポーン、遊撃の俺の内臓がドバーッ、中衛のシーマの首がスパーン、後衛のアーニーの全身がグチャッ。
そんなこともあった。
だが、基本的に、俺達の戦いは、MMORPGやファンタジーTRPGのエンドコンテンツ勢みたいな動きしかしないからな。
常に遠話魔法で脳内にメッセージを送り合って、決められた符丁の通りに行動する。
指揮系統は上から、俺、アーニー、シーマ、ヴォルフ。
例えばこんな感じ。
まず俺が権能で敵の位置を確認、敵の能力を解析。
敵の能力により、俺達の中で誰の権能をメインにするか決定して戦闘開始。それと同時にアーニーの魔法で先制攻撃。
向かってきた敵を、ヴォルフが権能で敵愾心を引きつける。
その隙にシーマが権能と剣で近接攻撃、俺が権能と鉾槍で中距離攻撃開始。
アーニーがバフとデバフを展開しつつ、同時進行で権能による魔法攻撃。
ヴォルフも隙を見て権能と斧による攻撃とカウンター。
俺が敵の範囲攻撃を予知すると、全員で回避。
俺は基本的に全ての役割をこなせるので、誰かが死んだらスイッチして態勢の立て直し。
つまり、このように、勇気の力でうおおおおー!的な、面白要素は一切ない。
俺達の戦いはまさにエンドコンテンツ的なものだから、ちょっとしたミスで全滅するし、一人一人の責任も重い。
人々が考えているような、カッコいい冒険者的な、英雄譚的な要素は一切ない。
ゴリッゴリのガチバトルだ。
脳内で「タゲ取れ」「バフ張れ」「六時方向に回避」とかやってる。
まあ……、戦闘シーンが見たけりゃユウチューブのMMORPGのエンドコンテンツ攻略動画でも見てろ。
大体あんな感じだから。
「じゃあ、今日のところはこれで解散な」
「うい」
「うむ」
「ええ」
さて、帰るか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます