第4話 アネモネ①
俺はアネモネ。
ガデン島という小さな島で漁師見習いをしている若輩者だ。
親父は島一番の漁師と呼ばれる男で、お袋は気が強いが誰よりも優しい肝っ玉母ちゃん。
俺は昔から体を動かすことと海が好きだったから、漁師になることがガキの頃からの夢だった。
そんな俺には2人の幼馴染がいる。
1人はストレチアという男の子。
少し人見知りな所はあるけれど、話せば楽しい奴だ。
ストレチアは料理が好きで、俺が取ってきた魚でいろんな料理を作ってごちそうしてくれるんだが、どれもこれも最高にうまい。
島で料亭を出すのが将来の夢だと聞いているが、あいつなら大丈夫だな。
そしてもう1人がビリアという女の子。
すごくかわいいし性格も良いんだけど、気が強くて周囲の男はあまり近寄ろうとはしない。
そんなビリアに俺は物心つくことから恋焦がれていた。
美人だからというのもあるが、それ以上に俺は彼女の内面に惹かれていた。
『ビリア!? お前ばあさん家で何やってんだ?』
『あぁこれ? ほら、もうすぐ台風が来る季節でしょ? だから今のうちに補強しておかないとと思って……ほら、おばあちゃんこの間から腰を悪くしてるから』
『ばあさんに頼まれたのか?』
『ううん、私が勝手にやってるだけ。 おばあちゃんにはいつも畑の大根やニンジンを分けてもらっているんだから、恩返しはしないとね? 痛っ!!指打った!』
『……ったく! 慣れないことするからそうなるんだよ……俺も手伝うから早く済ませちまおうぜ!!』
俺が加わったことで補強作業はその日のうちになんとか終わらせることができたが、ビリアのきれいな手や顔は傷だらけになり、2日間筋肉痛に苦しむことになってしまった。
そんなボロボロになりながらも、人のために一生懸命になれる彼女に俺は心惹かれていた。
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『ちょっとお兄さん! 道端に煙草を捨てるのはやめてください!』
島に観光に来ていた難いの良い男が目の前でポイ捨てした。
いかにもやばそうな風貌だから、大抵の奴は怖気づいて見て見ぬふりをするかもしれない。
でもビリアは違った。
はっきりとした物言いで相手にひるむことなくダメなものはダメだと言い放った。
『はぁ!? なんだこのガキ』
『煙草はきちんと灰皿に捨ててください! それにこの煙草、きちんと火が消えてないんですよ?
何かに引火して火事にでもなったらどうする気ですか!!』
『知るか! こっちは観光でわざわざ来てやったんだ! もてなしくらいしろよ!』
『あなたのような人をもてなす気なんてないわ! とっとと島から出ていきなさい!!』
『このガキ……黙って聞いてれば……ごぶっ!!』
『ビリアに手を出すんじゃねぇ!! とっとと失せろ!!』
『ひっひぃぃぃ!!』
ビリアの胸倉を掴む男に腹を立てて、俺は1発顔に食らわせた。
強そうなのは見た目だけで内面はビビりだったみたいだな。
『あっありがとう……アネモネ』
『礼なんていらねぇよ。 でもビリア……いくら許せないからって女1人であんな男を相手にするなんて危ないぜ? 俺がいたからよかったものの……』
『じゃあアネモネだったら見過ごした?』
『えっ? そりゃまあ……一言何か言うけど……』
『でしょ? 危ないからって悪いことは悪いって言うのが人間でしょ?
何より大好きなこの島でポイ捨てなんて……私は絶対に許せないわ!』
『ったく……』
相手がどんな奴であっても、立ち向かう彼女の勇敢な姿に俺はいつも勇気をもらっていた。
どんな時でも明るく前向きなビリアがいるからこそ、俺は荒れ狂う海で漁ができるんだ。
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「アネモネ、これを受け取れ」
ある日、俺は親父から1本のモリを受け取った。
それは代々、島の漁師が一人前と認めた子供に授ける由緒正しいものだ。
俺はこのモリを授かるために……親父に一人前と認めてもらうために……今まで漁師として頑張ってきたんだ。
「親父! 俺、親父以上の漁師になってやるからな!!」
「そんなの当たり前だ! 馬鹿野郎が!!」
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「おめでとうアネモネ! とうとうやったんだね!」
俺はその足で、ビリアの家に報告に来た。
「あぁ!ありがとう!……ビリア。 聞いてほしいことがあるんだ」
「どうしたの? あらたまちゃって……」
「ビリア! 俺と結婚を前提に付き合ってくれないか!?」
「え?」
俺は意を決してビリアに気持ちを伝えた。
決めていたんだ。
親父に一人前の漁師と認めてもらう時が来たら、ビリアに俺の想いを伝えようって……。
ビリアが受け入れてくれるかどうかはわからないけど……何もせずウジウジするよりはずっといい。
「ずっとビリアが好きだった。 海よりもずっと……いや、海は海で大好きだから……じゃあ魚!……っていうのもなんか変だな……えっと……とにかく好きなんだ!」
「……ぷっ! ちょっと……告白するにしてももう少しなんとかならなかったの?
それ以前にこんなムードも何もない場所で言わなくてもいいでしょ?」
うっ! 確かに……勢いで言ってしまったとはいえ、ビリアの家の玄関で言うことじゃなかったよな……せめて海辺とかロマンチックな場所を選べばよかった。
「うっうるせぇ! 場所なんてどこでもいいんだ! ビリアのことが大好きだって伝わればそれでいいんだ!!」
恥ずかしさのあまり開き直ってしまった……。
「まったく……アネモネらしいね」
そう言うと、ビリアは俺の手を優しく掴んできた。
幼馴染同士なんだから、ガキの頃から手を繋ぐことなんてザラにあったけど……今のこれは何か違うように感じる。
とても温かい……何か特別な想いが伝わってきたような気がした。
「私でよければ、よろしくお願いします!」
こうして俺とビリアは幼馴染という枠組みを抜け出し、互いを信頼し合うパートナーになった。
互いの両親やストレチア……島の仲間達が俺達のことを祝福してくれた。
俺は改めて思った……この島の子として生まれてよかったって……。
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それからの日々は今まで以上にキラキラ輝いていた。
今まで隣にいるのが当たり前だったビリアの存在が、俺の中でより大きくなっていった。
普通につないでいた手が繋ぎにくくなってしまった……面と向かって話すことに恥じらいを覚えてしまった。
何よりも……ビリアがこんなにきれいな子だったと、付き合ってから初めて気づかされた。
これが人を愛するということなのかもしれない……
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「お父さん! 娘さんを俺……僕にください!」
ビリアと交際を始めてから2年の月日が流れた……親父は年齢を考えて引退し、俺はその後を継いでいた。
島では親父以上の漁師になったと言ってくれるが、親父はまだまだひよっこだと言う。
本島に頑固な親父だ。
そしてビリアとの関係もかなり親密になっていった……。
結婚は人生最大の決断だ……交際は勢いで続けてきたけど、結婚はそういう訳にはいかない。
まずは交際しながらお互いを知り……そして結婚を徐々に視野に入れようと2人で決めていた。
そしてこの日……俺はとうとうビリアの両親に結婚を許してもらおうと彼女の家に足を運んだ。
いつものラフな格好じゃあ失礼だから、ビシッと俺なりにしっかりとした服装で挑んだ。
「どうしたんだ? 改まって……」
俺達の交際は島中のみんなが知っているし、互いの両親も俺達の仲を認めている。
でもだからと言って、こういう手順は省くべきじゃないだろ?
「いえ、こういうことはきちんとしたいので……」
「まったく……相変わらず妙な所で律儀な奴だ」
「本当……親父さんにそっくりね」
「じゃあ改めまして……娘さんをください!!」
「うん……ビリアを幸せにしてやってくれ」
「2人とも、しっかりね!」
ビリアの両親に許しをもらい、俺達の結婚が現実になる日が近づいてきた。
島のみんなも自分達のことのように俺達を祝福してくれた。
「アネモネ、ビリアを幸せにしてやってくれよ?」
「ありがとうなストレチア! 結婚式にはごちそうを作ってくれよ!?
お前の料理はこの島1番だからな!」
「うっうん! 腕によりをかけて作るよ」
「楽しみにしてるぜ!!」
親友であるストレチアも俺とビリアの結婚を喜んでくれた。
俺は人生最大の幸福に包まれていた……この幸せが永遠に続くんだ……そう思っていた。
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ある日……大きな台風が島を襲った。
これまで何度か台風による被害があったが、今回は例を見ないほどヤバいものだった。
吹きすさぶ風によって家は屋根や壁を引きはがされていく……。
ある程度補強されているとはいえ、古い民家ばかりだからな……自然の力の前には無力だ。
空からは弾丸のように雨のしずくが降り注ぎ、地面は水に沈み始めている。
台風というよりももはや嵐だな……。
俺は親父とおふくろを連れて島にある鉱山へと避難した。
ここは昔、鉱石がザクザク取れた宝の山だったらしいが、鉱石が出なくなった今は穴だらけのみすぼらしい山だ。
でもかなり頑丈な山だから、島の避難所として活用されている。
ビリアとその両親をはじめ、島の住人達が次々と避難してくる中……。
「ストレチア!!」
「ストレチア!! どこにいるの!?」
ストレチアの両親が慌てふためいた様子でストレチアの名を叫んでいたのだ見えた。
「おじさんおばさん! どうしたんだ!?」
「あっ! アネモネ君! それが……ストレチアの姿が見えないんだ」
「えっ!?」
「家から一緒にここまで走ってきたんだが、途中ではぐれてしまって……」
「先にここへ避難していると思って来たんだけれど……」
「じゃああいつ……まだ村に!?」
考えるよりも先に、体が動いていた。
ストレチアを探しに行こうと本能的に飛び出そうとしたがビリアに引き留められてしまった。。
「何すんだよ!?」
「ストレチアを探しに行く気なんでしょ!?」
「わかってんなら放せよ!」
「馬鹿! こんな外の中を出ていったらどうなるかくらいわかるでしょ!?」
そんなことはわかっている。
いくら俺が馬鹿だからって、外が危ないことくらいは理解している。
自分を過信してもいないし、自然をなめてもいない。
でも俺にはストレチアを放っておくことができない。
あいつは俺の大切なダチだ!
ダチを守る……それが俺のモットーだ!!
「ダチが危ない目に合ってるかもしれないのに、じっとなんてしてられるかよ!!」
「アネモネ!!」
ビリアを振り切って、俺は村へと駆け出した。
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「ストレチア! どこだ!?」
大声でストレチアを呼ぶも、雨風で遮られちまう。
視界も足元も最悪で人探しなんてとてもできる環境じゃねぇ……それでも俺はあきらめる気はない。
ストレチアを見つけるまでは……。
「あっアネモネ!!」
その時……ストレチアの声がかすかに聞こえてきた。
俺はそれを頼りにストレチアの姿を必死で探し回った。
「ストレチア!」
俺はビリアの玄関で倒れているストレチアを発見した。
「大丈夫か!?」
「はっはさまれて動けないんだ……」
「待ってろ!」
ストレチアは転倒した靴箱に挟まれて身動きが取れないでいた。
どうしてストレチアがこんな所にいるかはわからないけれど、そんなもん後回しだ!!
俺は靴箱に指を掛け、渾身の力で持ち上げようとするが……すげぇ重量で持ち上げきれねぇ!!
おまけに雨で手が滑るからうまく力を入れることもできねぇ……クソッ! だからってあきらめてたまるか!!
今、ストレチアを助けられるのは俺だけなんだ!!
俺は靴箱を持ち上げることに全神経を集中させ……少し隙間を空けることができた。
「出られるか!?」
「うっうん!」
這いつくばりながらストレチアは靴箱の下からどうにか出ることができた。
よかった……とほっと胸をなでおろした瞬間!!
ガラガラ!!
「うわぁぁぁ!!」
「アネモネ!!」
雨風に耐えきれなくなったビリアの家が崩壊を起こし、上から瓦や木材の雨が降り注いできやがった。
俺は逃げる間もなく、瓦礫の山に押しつぶされ……俺の意識はここで途切れてしまった。
※※※
「アネモネ! 返事をして!!」
「びっビリア……」
うっすらと意識を取り戻すと、俺の手をビリアが握っていた。
雨で冷たくなっている俺の手に、彼女がぬくもりをくれる。
そのぬくもりが、失いかけている俺の生命力を繋ぎとめているように感じる。
「アネモネ……きっと助かるから。 死んじゃだめだよ?」
「ば……馬鹿野郎。 縁起でもないこと言うんじゃねぇ……お前を残して死ねるかよ」
ガラにもなく泣いてんじゃねぇよ……いや、泣かせたのは俺なんだよな。
俺が1人で突っ走ったせいで、ビリアを泣かせてしまった。
これから一緒に幸せになろうとしている女を泣かせるなんて……親父に知れたら鉄拳制裁なんかじゃ済まないな。
……本当に悪かったな、ビリア。
いつも心配させてばかりで……。
彼女に心の中で詫び、俺の意識は再び暗闇の世界へと落ちていった。
--------------------------------------
「……」
再び気が付くと……俺は診療所のベッドの上にいた。
やんちゃばかりしてケガをするたびに何度も見上げた診療所の天井……。
「気が付いたか?」
俺の顔を診療所の先生が覗きこんでくる。
「先生……」
「ビリアやみんなに感謝しろよ? もう少し運ばれてくるのが遅かったら、今頃あの世だぜ?」
「すいません……心配ばかりかけて」
「馬鹿野郎……謝るのは俺の方だ、すまん」
「どうして先生が謝るんですか?」
「……」
先生はどこか悔しそうに歯を食いしばって俺の体に掛けられている布団をめくりあげた。
「!!!」
俺は言葉を失った……そこに当然ある俺の足が……2本とも消失していたんだ。
包帯でぐるぐる巻きにされているけど、膝から下の部分がないのは明らかだ。
腕の感覚はあるのに、足の感覚は全くない。
「お前の足は瓦礫で押しつぶされてな? そこに毒素が溜まって壊死していたんだ。
お前の命を優先するには、もうこうするしか方法がなかったんだ。
すまない……俺の力不足のせいだ」
「……」
先生のせいじゃない……先生は俺の命を救おうと頑張ったんだから。
「ストレチアは……無事ですか? ビリアは大丈夫ですか?」
「ストレチアは擦り傷を少し作っただけだ。
ビリアの方は少しやっかいな風邪を引いて、今はウチで安静にしている」
「ビリアが風邪?」
「お前が診療所に運び出されるまでずっとお前のそばから離れなかったみたいでな。
まああんな雨風の中に長時間いれば無理もない」
そうか……ビリアに心配をかけるばかりじゃなく、風邪まで……俺の軽率な行動のせいだ……。
※※※
あの後先生に色々診てもらったけど、足以外は後遺症もなく大丈夫みたいだ。
「アネモネ……」
「……」
先生の許可をもらって病室に親父とおふくろが入ってきた。
俺は2人の顔を見ることができなかった。
ストレチアを助けたことに後悔はない……。
でもせっかく親父に一人前の漁師として認めてもらえたのに……俺は漁師としての道を自分でつぶしてしまったんだ。
2人からもらった大切な足を……俺の軽率な行動のせいで失ってしまったんだ。
俺は2人にこの上ない親不孝を働いてしまったんだ……。
目から涙があふれてくる……必死にこらえようとするけれどできない。
俺は情けない男だ……。
「ごめん……」
俺が口にできたのはそんな簡易な言葉だけだった。
「アネモネ……お願いだから謝らないで……あなたは何も悪くないのよ?」
「でも俺……」
「失礼します……」
俺と両親の会話を割って病室に入ってきたのはビリアの両親だった。
「突然申し訳ありません、お邪魔ならまた改めますが……」
「いえ……俺なら大丈夫です」
いつもフレンドリーに接してくれるビリアの両親が、どこか他人行儀に思えた。
「単刀直入に言います。
アネモネ君とビリアの結婚……白紙に戻させてもらいます」
「!!!」
「なっ! どうしてですか!? 理由をお聞かせください!!」
言葉が出なかった俺に変わっておふくろが問いかけてくれた。
「では逆に問いますが、今のアネモネ君にウチの大切な娘を幸せにする自信があるのですか?」
その問いかけに、俺は答えることができなかった。
あります!と言えればよかったんだが……両足を失った俺がビリアのために何ができるんだ?
「酷なことを言っていることは承知していますが、両足を失ったアネモネ君とこのまま結婚したとしても、娘が苦労するのは目に見えます。
私達にとって娘が幸せに生きることこそが何よりの幸福なんです。
それはアネモネ君も同じではないのですか?」
「ふっふざけないでください!! あれだけ2人を祝福しておいて……アネモネが足を失ったとたんに切り捨てるなんて……そんなのトカゲのしっぽ切りじゃないですか!!
アネモネのことをなんだと思っているのですか!?」
「では娘に苦労を背負えというのですか? アネモネ君のためにビリアの一生を棒に振れというのですか?
そちらこそ、うちのビリアを何だと思っているのですか?」
「こっこの……」
「お袋!……もういいから」
「アネモネ!?」
俺のために怒ってくれるお袋の気持ちはうれしいけれど、ビリアの両親の気持ちももっともだ。
両足を失った俺と一緒になれば、ビリアは幸せを手放すことになる。
俺のためにビリアにつらい思いをさせるわけにはいかない。
「では白紙ということでよろしいですね?」
「……はい」
「わかってくれて何よりです。 では失礼します」
ビリアの両親はそれだけ言い残してさっさと病室を後にした。
「アネモネ! 本当にこれでよかったの!?」
「仕方ねぇだろ!? 今の俺はビリアにふさわしくない」
「そうじゃなくて……あなたはこれで納得できるの!? ビリアちゃんのことがずっと好きだったんでしょう!?」
納得できるわけがない!!
でもこのまま結婚してビリアの重荷になるくらいなら……。
「俺は……」
「情けねぇ声出すんじゃねぇ!!」
「!!!」
親父の怒声が病室に響き渡った。
「親父……」
「足がねぇ男が惚れた女を幸せにできないなんて誰が決めた?
この先どうなるかわかる人間なんていねぇのに、なんで幸せにできないなんて言いきれる?」
「……」
「ビリア本人とロクに話もしてねぇのに、勝手にテメェ1人で諦めてんじゃねぇ!」
「親父……」
「俺の息子が……俺が認めた漁師が……簡単に折れるんじゃねぇ!! 馬鹿野郎が!!」
背中越しに俺を怒鳴りつける親父……でもその声はどこか震えている。
親父なりに俺を励まそうとしているんだ……不器用ながら俺に精一杯のエールを送ってくれているんだ。
「親父……」
「けっ! 気分悪りぃ!……次そんな情けねぇこと言ったら、今度は舌をぶち切ってやる!!」
親父はそう言って出ていった……ありがとう、親父。
親父のおかげで少し勇気が出てきた。
そうだよな……ビリアとしっかり話し合ったわけでもないのに、勝手に俺達だけで完結するなんておかしいよな。
俺はビリアと話し合う決意をした。
彼女は風邪で意識が朦朧としているから、意識が戻ったらきちんと話をしようと思う。
※すみません……長くなりそうなので、また区切ります。
今週中には完結させたいと思います。 by panpan
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