第10話-3

追憶の焦点

最終章 クイーン・ミーシャ


1.迫りくる悪夢


「ふう…鏡で確かめるとびっくりしました、凄い技術ですね」

 神流は自身の顔に触れて、そのまま。彼女は変装マスクを被っていた。

「僕の変装技術もたいしたもんでしょう」

 神流に変装してたのはミーシャだった。よって、拉致された皇女は変装している神流ということになる。

「白石と背格好スタイルが似ていて良かった、お陰で欺けた」

「白石さんを危険な目に遭わせてすみません…」

「これも仕事だ、それに彼女は失態ミスを悔やんで挽回するつもりだ」

「新室さんは?」

を助けに行ったよ」

 藍井は不敵な笑みを浮かべながらミーシャに告げた。

 

 藍井班は新室の推測を聞き入れて、芝居を打っていた。侵入者が催眠ガスを使用した時、藍井たちは携帯型酸素マスクを装着していた。

 備えあれば患いなし、藍井班は新室の勘に頼って、テロ対策グッズを用意していた。彼らは不利な状況を装い、作戦を遂行しようと捜査対象を泳がせていた。

 ミーシャの身代わりとなった神流には発信機が取り付けられていて、新室はそれを頼りに、愛車マセラティで追跡しようとした。

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