第5話-2
追憶の焦点
第2章 陰謀の影
2.見えない犯行
現場は一時騒然となったが、幸い、ミーシャに怪我はなく、精神面にも異常はなかった。彼女は何事もなかったかのように気丈に振る舞った。
これで一件落着とはいかず、神流は警視庁に緊急連行されていき…
「………」
パーティー騒動の一部始終を知っている不審者が群衆に紛れていた。
新室たちは不利な状況に追い込まれて、ひとまず
紅一点の神流が抜けて、残った野郎メンバーの表情に覇気がなかった。重苦しい空気が流れる中、
「現状では任務を続行するのは難しい、ちゃんと整理しよう」
「停電の原因は分かるか?」
新室が訊いた。
「システムの
「ここは電気室か、誰か映っているな」
「室内の防犯カメラの記録映像を調べてみた、映っているのはホテルの男性スタッフだ…」
「彼は何を?」
藍井が訊いた。
「恐らく、停電を起こす細工を…」
「連行の手配は?」
新室が藍井に訊いた。
「警視庁捜査員の手が回っている、ホテル内にいた人間は皆、事情聴取する必要があるからな」
「彼女はどうなるんです?」
浅野が心配そうな表情で訊いた。
神流は現在、警視庁の取調室にいた。彼女は担当捜査員にずっと睨まれて沈黙状態だった。部署が違えど同業者であるが、特別扱いはされなかった。神流は事情聴取の他、身辺調査、噓発見器による調査を受けることとなり、徹底的に調べられていた。
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