疑問

2026年 09月27日 日曜日 19時55分

UCIA日本支部捜査基地 グラウンドベース 食堂


 夕方に教会から基地へ戻り、一通りのデスクワークを終わらせた私と神蔵は、トレーニングルームで汗をかいた。基礎的な体力錬成を初め、自然粒子を感じる為の瞑想等もこなした。霧峰さんに敗北を喫した神蔵は、木刀を必死で打ち込んでいた。よほど悔しかったのだろう。霊的加護を得た人間が発揮するその力。私は只、その力に驚愕するしか無かった。


 その一方で、神蔵を倒した霧峰さんを圧倒的な手数で押し、持っていた長剣をたたき割った室長の力は恐ろしいと言わざるを得ない。室長は恐らくサバイバルナイフの使い手だ。


「二人とも、これを食べて精を付けてくれ。今日はハードなトレーニングだったみたいだな」


 スティーブンが夕食を運んできた。小エビのサラダにジューシーなステーキ。コンソメスープも付いている。


「いつもすまない」


「神蔵が礼を言うなんてめずらしいな。いつもは黙って食ってるが」


 スティーブンが笑いながらそう言った。


 私も神蔵も、黙々と食事を続けている。というのも、教会でのトレーニングの後、専用の装置で二人の霊的許容限界値であるSP(Spiritual Power)と秒間粒子吸収率であるMPS(Mana Power Second)の数値を測定したのだが、二人ともSPに関しては測定不能。MPSに関しては50以下という数値だった。MPSに関しては粒子を吸収する事がまだ出来ないため仕方が無いとのことだったが、SPが測定不能というのが腑に落ちない部分だ。どんな人間でも100から200程度のSPがあるらしく、霊能者などは1000近いSPがあるらしいが、どういった理由で測定不能なのかは分からないとのことだった。


 ちなみに朝霧さんは別の意味で両数値とも測定不能だったようで、一度機械を壊してしまったらしい。それ以来、数値を測定することは止めてしまったようだ。


 ある程度食べ終わったところで、神蔵に聞いてみる。


「しかし、腑に落ちないわね。念動力が使える神蔵のSPまで測定不能なんて。機械が調子悪かったんじゃない?」


「まあ、どうこう言ったところで測定が可能になるわけでも無い。致し方ないだろう。その後に室長はすんなり測定できたのが意外だったが――」


 私達の後に室長が測定すると、驚くべき事にSPは486もあった。一般人以上に霊力はあることに、室長はさぞご機嫌だった。今回教会へ赴いたことで、室長はアルサード教会に対しかなり好意と興味を抱いたようだ。


「室長、強かったね。あそこまで全力を出してたの初めて見たけど……」


「NavySEALs。その中でもトップクラスの能力を持ち、かつ戦闘狂のような側面があったと聞く。人は極限状態や精神的に追い込まれると、冷静な判断が行えなくなる傾向があるが、室長はその逆。極限状態に近づけば近づくほど、頭が冴え渡り戦闘に駆り立てられるそうだ。あくまで聞いた話だが」


「神蔵は室長とトレーニングで良い戦いしてるんじゃ無いの? クリスがそんなことを言っていたけど」


「あくまで俺に関しては対等に武器を使った、それだけだ。そこそこ戦えているとは思うが、まだ本気を見せていないと感じる。底が知れない」


 神蔵が食後のコーヒーをティーカップに注ぐ。夕食時にはスティーブンがコーヒーをポットに入れてくれていた。


「考えてみたんだが、俺達のSPが何故計測不能だったのか? 一つ心当たりがある」


 なんとなくは私も察しているが……


「菊菜お婆ちゃん……かな?」


「そうだ。姫宮、お前は学生時代の頃から、何かの儀式を婆様から教わっていたな」


 三年に一回の、姫宮家の神事。境内で神事の舞を行い、明け方までお婆ちゃんと一緒に祈りを捧げる。


『鎮め給え。眠り給え。やがて来る夜明けの為に。鎮め給え。眠り給え。月の光を浴びて。鎮め給え。眠り給え。登りゆく朝日が、目覚め燃えゆくその時まで』


 菊菜お婆ちゃんから教わった祈りの言葉の一節。子供心にその言葉が何処かしら怖かったことを今でも覚えている。祈り、舞う。また祈る。これを夜明けまで繰り返すのだ。


「まあ、一応儀式の内容に関しては秘密。お婆ちゃんから他言無用って言われてるから。私も実際何のためにやっているかは、分からないしね」


 神蔵はコーヒーを口に含む。


「婆様の言いつけなら仕方無いが、俺もお前も厳しく育てられた。この辺りのことについて、婆様と一度顔を合わせて話した方が良いのかもしれないな」


「そうだね。前回の神事が去年。せっかく日本にいるわけだしね…… ただ、それが許される時間があればだけど」


 今夜は事件発生の恐れがある。そして私と神蔵は基地での待機命令だ。事件が発生すれば捜査でそれどころでは無くなるだろう。いちど室長に相談した方が良いのかもしれない。


「俺から室長の方に掛け合ってみよう。静岡なら車で二時間もあれば着く」


 そんなこと話していると、タイミング良く室長がやってきた。


「お疲れ様。今夜は仲良くご飯かしら」


 薄ら笑いを浮かべる室長。教会から戻ってきてからというのも機嫌が良さそうだ。


「スティーブン! 夕食おねがい! 今日は肉多めでね!」


 本日のメニュー表を見た室長。たくさん体を動かしたから、お腹が空いているようだ。


「しかしあの霧峰結衣花。霊的加護があったとはいえ、神蔵から鮮やかに一本取るとは、なかなか見所のある子だ。あのまっすぐな強さを求める瞳。わたしは大変気に入ったよ」


 室長は教会もそうだが、なにより霧峰さんをいたく気に入っている様子だった。ストレートの綺麗なロングヘアーをなびかせながら長剣を振るう彼女は、女性からみても一際美しかった。下級生から大変慕われている理由が分かった気がする。


「室長。一つ相談なんだが――」


 神蔵が先ほどのことを室長に説明し相談する。


「なるほど。朝霧はたしかに不思議がっていたな。強い霊的な力を確かに感じると言っていたものの……」


「私のお婆ちゃん、姫宮菊菜は霊的な払い事の相談が来ることも多かったです。お婆ちゃんが私や神蔵に何か守護的な術をかけている可能性もある。その辺りのことをはっきりさせておきたいんです」


 私はそう室長に言った。


「分かった。事件次第だが考えておこう。お前達二人は極力基地から動かすなと上から指示が出ている。当分は我慢してもらうかもしれんが、すまんな」


 室長がそう言った後、スティーブンが室長の夕食を運んできた。


「ハーディ。肉は二倍に増量しておいた。その様子だと久しぶりに昂ぶったな」


「スティーブン、みんなの前では室長と呼びなさいと言ってるでしょうに」


「俺はもう只のコックさ。昔は地獄のNavySEALs第13部隊の暴れん坊だったがな」


 大きな笑い声を上げるスティーブン。


「そういえば室長。着任時から思ってたんですが、みんな日本語で話してますよね。UCIAここのチームはみんな日本にルーツがあるんですか?」


 着任時、室長から最初に声をかけられた時も日本語だった事を覚えている。


「そうだな。私も葉山もスティーブンもそうだが、両親が軍人で日本の米軍基地に勤務していた。皆子供時代は日本にいた経験がある。NavySEALs第13部隊は表向きには存在しない、超法規的作戦を行う部隊だ。当然日本語も習得する必要があるが」


 室長がステーキを優雅に切りながら語る。


「やはりそうだったか。NavySEALs第13部隊。どんな任務も四人で完遂する凄腕の集まりと聞いていたが」


 神蔵がコーヒーを飲みながらそう言った。

 

「まあ軍の中ではある程度噂になっていたのは知っている。正直ひどい作戦が多かったのも事実だ。元NSナイトストライカー隊長の神蔵なら分かると思うが、己を機械に徹しないと完遂できない作戦もあった。私も葉山もスティーブンも、もうそういうのはこりごりだよ」


 室長がナイフとフォークを使い、話しながら上品にステーキを食べる。


「鬼のハーディ隊長が懐かしいぜ。皆、近距離戦闘を徹底的に叩き込まれた。素手からサバイバルナイフ、バールのような物からスコップまで。訓練で骨折や重症者多数で、過酷と言われるBUD/S基礎水中爆破訓練をくぐり抜けた奴らでもほとんどがついて行けなかった」


 昔を懐かしむように語るスティーブン。


「BUD/Sで過酷と言われるのは地獄の一週間ヘルウィークくらいだが、私から言わせればあんなのは砂遊びに過ぎん。NavySEALs各チームの隊長レベルですらヌルいのが多かったからな。まあその後、私が求めるレベルが異常だったことは反省しているよ。今はとても優しいだろう?」


 室長がにこやかに笑いながらステーキを食べている。そんな時代の室長に会わなくて良かったと心底思う。


「そういえば葉山さん、室長のチームにいたんですよね? なんか想像できないなぁ」


 いつも和やかな眼鏡男子。かつチャラい感じの葉山だが……


「あいつは、いまでこそあんな感じだが、俺より相当怖いぜ。あいつは医学の相当な知識もあればナイフ戦も凄まじい強さだった。一時期はハーディと互角だったからな。あいつの拷問だけは――死んでも受けたくないね」


 恐れるように言うスティーブン。医学の相当な知識。これを意味するところが非常に恐ろしく感じる。ナイフ戦が室長と互角だったというのも驚きだ。


「――まあ、葉山が敵じゃ無くて良かったわ。仕込んだのは私だが、あいつは狂気じみた戦闘センスがある。なるべく戦闘からは離れた環境に身を置くのが正解だろう」


 室長が夕食を食べ終わり、ティーカップにコーヒーを注ぐ。

 

「そういえば、今度教会のミサに行こうと思ってな。お前達もどうだ?」


 教会のミサ。そういえば哲也からも誘われた気がする。室長も一緒なら色々と安心できる。


「はい。そういえば透鴇からもミサに誘われました。室長と一緒なら色々と安心です」


 そう答える私。


「神蔵はどうだ? 霊的能力の開花には信仰心も大切なのだろう?」


 神蔵がコーヒーを飲み干す。


「あいにく群れるのは性に合わん。それに俺はアルサードを信仰する気は一切無い。過去の行いを懺悔しろと言われれば――応じるかもしれんがな」


 神蔵はそういうとテーブルから立ち上がり、食堂から出て行った。


「まったく。透鴇課長と顔を合わせたくないのかもね。モテる女は辛いわね。姫宮」


 室長は少し心配そうに私を見つめる。


「透鴇課長と神蔵。なんだか随分と関係が悪いようだけど。心当たりはある?」


 確かに日本に来てからというもの、神蔵は哲也を避けているような気がする。哲也も以前六本木で食事をしたときは神蔵を心配していたようだが、それ以降はなにか様子が変わったように思える。


「私も正直…… よく分かりません」


 と言うほか無かった。


「透鴇課長が姫宮をお気に入りなのはしょうがないとして、あまり神蔵に敵意を向けないようお願いしておいてね。険悪なムードは周りに悪影響を与えるわ」


「はい。透鴇にはそれとなく伝えておきます」


 UCIAと公安、それにアルサード教会は今は共同でAWへの捜査を行っている。もちろん哲也も、それは分かっていると思うのだが……



2026年 09月30日 水曜日 19時10分

UCIA日本支部捜査基地 グラウンドベース 食堂


 あれから三日が経った。27日の満月、その夜に事件は起きなかった。明け方まで警戒態勢だったものの何も起きず、4時間ほど仮眠を取った後、基地内でのトレーニング、午後はアルサード教会での霊的能力訓練。その後基地に戻りデスクワークとトレーニングを行った。この三日間はその繰り返しだった。


 基地での待機命令。これはいつまで続くのだろうか? おそらく1週間ほどで解除されるだろうとのことだったが、こうも基地にいる時間が長いと気が滅入る。もちろん娯楽はそれなりにあるし、食も不満は無い。だが外に出る機会と言えばアルサード教会への霊的能力訓練の時だけだ。


「お腹空いたー。毎日毎日ここに缶詰なのも辛いなー」


 クリスが愚痴を言いながら食堂に入ってくる。次第に葉山、そして神蔵と室長も入ってきた。


「おー、全員揃って夕食ってのもめずらしいな。今日は特製ナポリタンに魚介のスープ。割とあっさり目な感じか」


 葉山がそう言いながら席に座る。


「たまにはこんな日があっていいと思うー。あんまり肉が続いても飽きるしね-」


 クリスがそんなことを言いながら、私の隣に座った。


「麻美、アルサード教会での霊的訓練どうだった? そろそろなんか掴めてきた?」


 私も神蔵も、そして室長もこれに関しては毎日不甲斐ない結果だった。


「んー、なかなか直ぐには習得できる物じゃ無いみたい。悔しいけどね」


 正直なところ、全く成長が分からない。というか出来る気がしない。なんとなく粒子的な物は感じる物の、それに関しての色が全く分からない。灰色の何かが漂っているような気がする。只それだけなのだ。


「神蔵さんも同じかなー?」


「……想像以上に、色々と難しいな。もっとも習得しようとしているものは魔術の基礎だ。そう簡単に会得できるものではないだろう」


 神蔵もやはり、進歩は見られないようだ。最も色を把握出来ている時点で私よりも進んでいるのだが、初日からの進歩を感じる事が出来ないでいる。


「姫宮も神蔵も、自然粒子の存在は感じているのだろう? 私なんかそれすらもまだ感じ取れない。先が思いやられるわ」


 室長も真剣に取り組んではいるものの、結果が現れない。もっともそう簡単に結果が出るものではない。室長もその事は分かっているとは思うが、どうしても焦りを感じてしまっているように見える。私と全く同じ気持ちなのだろう。


 そんなことを話している内に、スティーブンが皆の食事を運んでくる。一つだけ分量が山盛りなナポリタンがある。私はそれをクリスに渡してあげた。


「いただきまーす!」


 大変お腹を空かせていたらしい。ガツガツと食べ始めるクリス。その様子を眺めながら葉山が笑う。


「相変わらずな食いっぷりだな。こっちまで食欲が満たされそうだ」


「若いって良いわね。昔に比べて私は食が細くなった気がするわ」


 葉山と室長が笑いながら食事に手を付ける。


「――しかし、何も起こらんとはな。逆に不安が増すが」


 魚介スープを口に含みながら、神蔵が呟く。


「そうね。私もそれが気がかり。ちなみに本国では数件事件があったと国防総省うえから連絡があったわ。先月よりも件数が増えてる。本国でもAWが暗躍し力を付けていると思うと、気が抜けないわね……」


 室長がそう語る。

 

「実際にどれくらいの数がいるんだろうな。事件として発生しているのは、あくまでAWの中の規律違反者が起こしているんだろう?」


 葉山の問いに私は答えた。


「正直なところ、数は全く見当が付かないかと思う。審判クラスのAWなら、完全に別次元で犯行に及び、それが現実世界には現れない。あれほどのクラスが数多くいるとは思えないけど、規律に従って行動しているAWもいる。そしてこれからそれに成ろうとしている人達…… その人数は、把握出来ないと思う」


「麻美の言う通りかな。VARISに同じような質問してみたけど、不確定要素が多すぎてエラーになった」


 クリスがナポリタンを平らげ、魚介スープに移る。


「私達に出来る事は、極力AWからの被害者を減らすことよ。もっとも対峙したときは倒さなくてはならないけど。公安もAWを崇拝するカルト教団等がいないか捜査しているわ」


 室長のその言葉に、葉山が口を開く。


「室長。恐らく皆が思っていると思うが、僕たちUCIA日本支部の最初の任務は、世界的に起こっている白骨化事件の捜査――だったな?」


「そうだけど」


 室長がフォークを置く。


「だが、国防総省は対AW部隊を数年前から既に運用している。白骨化事件を引き起こしているのがAWだということを知っていたはずだ。僕ら三人は神蔵君と同じようにたくさんの人を殺めてきた。それと同じ事を、日本でまた行わせようとしているのか?」


 葉山の声のトーンが低い。更に葉山は続ける。


「UCIAは捜査機関。おそらく日本国内にいるAWもしくはその関係組織の諜報が主任務なんだろうが、新しく搬入された武器は完全に対AW用の特殊武装だ。どんな構造かは分からんが、威力だけなら通常の銃器を遙かにしのぐ。国防総省うえは僕たちに――何をやらせようとしているんだ?」


 葉山は憤りを感じているようだ……


 やはり過去の任務のことが、まだ心の重荷になっているのだろう。クリスも国防総省が何を考えているのか分からないと言っていた。その事について私も同感だ。


 UCIAの創設。たしかに白骨化事件の捜査が最初の任務だったが、それがAWによるものと言うことは国防総省も把握していたはずだ。そして私が審判と遭遇した後に、神蔵の情報が解禁され、私達はAWが確実に存在するということを公に知ることになる。


 もし私が審判と遭遇しなかったら……?


 神蔵の情報も解禁されることは無く、公にAWの存在を知ることは無かったのだろうか?


 葉山の言うとおり、UCIAの創設の目的は、AW及びその関係組織の諜報。それが主任務のはず。だったら最初から何故AWについて詳細な情報を国防総省は伝えなかったのだろう……?


「葉山の言うとおり、国防総省が何を考えているのかは私にも分からないわ。ただ一つ言えることは、AWという脅威が確実に存在し、それが世界中に拡散しているという事実よ。本来は極秘に処理したかったんでしょうけど、姫宮が審判と遭遇したことで、その脅威レベルが想定よりも遙かに上回った。神蔵の情報解禁もそうした理由があるのだと思う。公安とアルサード教会との連携。つまり、それだけ事態がひっぱくしているという事よ」


 室長は更に続ける。


「もしも審判クラスのAWが複数存在するということになれば、世界中で一斉に動き出す可能性があるわ。姫宮、そして神蔵が夢の中で交戦したレポートは皆が読んでいると思う。あれだけの力を現実でも引き起こせるとしたら、世界中で大惨事が起きる。もうそれが――現実に起こる可能性が十分にあるのよ」


 神蔵が口を開く。


「室長の言っている事はもっともだ。姫宮が審判と遭遇したこと。あのレベルのAWが存在したと言う事実が、事態を急変させた。もうなりふり構ってはいられなくなったんだろう。審判が姫宮に言ったことを考えると、奴らが一斉に動き出すのは時間の問題だ。俺達も――覚悟を決めた方がいい」


『我ト共に来い……姫宮麻美。お前ならいずれ私を遙かに超える、素晴らしき現代の魔術師アスファルティックウィザードと成れる! 愚者達を粛清し、新たナル世界を我々で築くのだ。コノママデハ世界は確実に崩壊する。お前はそれを誰よりも分かってイルだろう!』


 審判の言葉を今一度、思い出す。愚者達を粛清し、新たなる世界を我々で築く。


 つまりそれは、現体制を崩壊させ、AWの統治による新たなる世界を築く事。


 危機は確かに、もうすぐそこまで差し迫っているのかしれない……


 ただ、なんだろうか。何かが、引っかかる気がするのだ……



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る