「綿毛と小人とそよ風の旅路」

羽瀬川由紀

第1話

たんぽぽの綿毛に乗ってどこまで行こうか。

ふわふわの綿毛と優しい風と一緒に

ここまで来てしまったのだけれど、

新しく辿り着いた土地には、

楽しく賑やかに、

わいわいとその土地で

生きてる人達と

優しく見守ってくれてる花や

木と水達が住んでいた。


ここを離れたくないと思うけれど、

また新しい風が吹いてきたから、

僕は旅に出ないとね。

そういう性分だから。もっと広い世界を見たい。新しいものに出会いたい気持ちが強いから。


今まで住んでいたお家にさようならと

ありがとうございますの挨拶を。


静まりかえった部屋に過ごした時間が

ぽつり、ぽつりと甦る。

楽しい日、悲しい日、寂しくて震えた日

たくさんの朝も昼も夜が緩やかに折り重なって、暖かな時間がそこにはあって、

離れがたいけど、優しく送り出してくれる

部屋に別れを告げた。


また会う日までお元気で。

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「綿毛と小人とそよ風の旅路」 羽瀬川由紀 @yuki024

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