第36話 最高ランク五

グアナタ北西の山脈から魔獣が大量発生したと連絡が入る。古代魔獣関連ではないようだが、距離が近く強力な魔獣達が現れたため俺達も討伐に参加する。敵は巨大魔獣が多数、ギルドによると難易度は最高ランクの星五。多くの冒険者の力が必要となる。


「行ってきます」


リレーをし近くまで移動、すでに多数の冒険者達が魔獣達と交戦中。魔獣の数が凄まじい。冒険者達も数はいるが押されている。遠くに見える岩山から黒いつぶつぶか多数下降していることがわかる。岩山の上で大量に湧きあふれてこちらに流れてきているのだろう。テラに乗り上空へ、魔獣が密集している場所へ行き上からブレスを放つ。


「アブソリュート・ゼロ!」


受けた魔獣は一瞬で凍りつき、さらにその勢いにより粉砕される。威力が高すぎるため地面をえぐり付近は氷の世界へと姿を変える。直接ブレスを受けていない近くにいた魔獣も凍りつく。足止め成功、乗り換え上空から攻撃を行いながら山脈を目指す。山を越えると、魔獣達が多数生息している地域に入る。


「うひゃー、地上以上にいるよ」


盆地のようになっていて水があり荒らされてしまったが森もあったようだ。ここで生まれた魔獣達が溢れてこちらに来たのだろう。俺達の存在に気がついた魔獣達が魔法弾を発射。難なくかわす。避けながら魔獣が多い場所を探す、ここだ。魔法結界を発動、近くにいる弱い魔獣を一掃、さらに無敵中に魔法弾にかすることによりボムゲージを溜める。弾数が多いため一気に三分の一まで溜まった。また移動しボム、少し戦ってボム、合計三発のボムにより多くの魔獣を倒す。しかしまだまだ魔獣はいる。こちらに飛んでくる魔獣もいる。カトナに乗り距離を離し、シーズで追尾弾を適当にばらまく。空を飛ぶ巨大魔獣が襲いかかってきたが、威力を上げたルイの両腕ビームにより一撃。威力はコキュートス並にあるからな、しかも射程もそこそこある。エマとアイエスによる無限弾の攻撃を軸に魔獣達を片付けていく。こうして残りは地上の巨大魔獣だけとなった。獣人化できて飛べる冒険者達が山を登り援軍に駆けつける。向こうも片付いたか。後は冒険者とともに魔獣達を討伐、無事ランク五ミッションをクリア!


「勝ったー!}

「やったぞー!」


勝鬨をあげる冒険者達。喜びの声が聞こえる中、敵弾に当たりに行くのはどんな動きだとか俺達の奇妙な行動に驚く冒険者もいる。他所から見たら敵弾に張り付いているのは確かにおかしな行動だな。シューティング初心者の頃の俺と同じ意見だろう。戦いは終わり皆街へ帰る。規模が規模なため、報酬はギルド員達が調べたあとになるからかなり先になりそうだ。まあお金じゃないけど。俺達も竜人の国に戻った。


「ご苦労だった、ゆっくり休んでくれ」

「はい」

(ランク五をほぼ彼らだけで簡単に攻略してしまった。やはり世界の命運は彼らにかかっているようだ。既に前から彼ら任せではあるがな、ははは)


前までなら苦戦しただろうが正直今回は楽勝だった。彼女達が強くなったことを実感する。後は古代魔獣か。こうして時間が過ぎ、ある日の昼頃。


「古代魔獣が元帝国領に現れました。しかも複数!」

「複数だと!」


見たことがない魔獣達が多数出現と報告が入る。魔法都市の古代の文献に載っている魔獣だったため、古代魔獣と断定。特徴を聞くと、どうやらSTGで出会ったことがある奴らだった。数多くいるのはボスクラスではなく雑魚機体達。確か設定ではそいつ等を生み出したマザーなるボスが居たな。ギリィが古代魔獣マザーを復活させ雑魚を生み出させたといったところか。出現地点は帝国領南部。すでに各国はいつでも避難できるように準備は整っていたため、住民たちは速やかに避難、大陸北側の港街から現在他国へスムーズに脱出中。


「頼んだぞ」


王の言葉を受け、俺達は帝国へ移動、古代魔獣退治へと赴く。

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