儚く散る五月雨の花

水瀬 透

第1話

その日は、雨が降っていた。俺は、飲み会終わりで、繁華街の裏を歩いていた時だった。俺が歩いている数歩先に、着物を着た若い女性が雨に打たれて倒れていた。

「おい、大丈夫か?」

俺が声を掛けたら女性がうめき声が聞こえてので少し安心した。だからと言ってここに置いとくわけにはいかないし、とりあえず女性に聞いてみるか。

「すみません。聞きたいことがあるんですけど、ご自分の家はわかりますか?」

と女性に聞く。女性が

「家はわかります。」

と答えた。

「じゃあ家に帰りましょう。俺が付き添いますよ。」

といったら女性は不機嫌そうな顔で

「いいえ、結構です。私、家に帰りたくないので」

と答えた。おれは、家出してきたんじゃないかと思った。だから聞いてみた。

「もしかして家出とかしてきたんですか?それとも暴力とか?」

と俺が言ったら女性が口をもごもごさせてこう言ってきた。

「まぁ家出といったほうが正しいのでしょうか?暴力は受けたことありませんし、ただ家に帰るのが嫌になっただけです」

それを聞いた俺はある提案をした。

「もしよければ…」

その言葉を言った時の彼女の反応がすごく面白い反応をした。その内容は…

「じゃあもしよければ、俺の家に泊まりませんか?」

彼女は驚き反面まぶしいほどの笑顔でこう言ってきた。

「いいんですか?泊めさせてください」

俺はその時、本当に警戒心がないんだなぁと思ってしまった。

彼女には失礼だけど。

「では、家まで案内します」

そういって俺の家に案内した。俺の家は、一括りでいうとタワマンだ。俺個人的には、タワマンに見えないけどな。オートロックを開けて、エレベーターに乗っているときに彼女に聞いてみた。

「今何歳?」

女性に年齢を聞くのは、あまりよくないけど女性というにはあまりにも若すぎる俺の予想的には、16~18歳と思う。

「15歳です。」

思わず驚いてしまった。すごい若いじゃん。え?俺犯罪になるんじゃね?嫌、俺は警察官だ。一応保護という形で家に泊めているだけだ。そういうことにしておこう。そう考え事しているとエレベーターのドアが開き俺の部屋についた。まず最初に彼女に風呂に入ってもらう。

「さぁ家に着いた。雨でぬれたでしょう?風呂沸いているからはいっていいよ。」

と彼女に風呂に入らせた俺は、着替えの準備をしていた。そこで疑問に思った。彼女が来ていた服どうやって洗濯すればいいんだろう?そうこうしている間に彼女が風呂場から呼んできた。「あのーすみません手伝ってほしいことが…」 

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儚く散る五月雨の花 水瀬 透 @roze0724

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