最終章 第1話ー1
転生g@me
最終章(LAST-STAGE) 最後の契約
1.
物語は終盤に突き進もうとしていた。藤雄がザゼルに連れてこられた場所は…
「ここは…?」
藤雄とザゼルがいる場所は暗闇で、空気だけがある空間だった。
「亜空間だ、現実世界と完全に遮断された
「何故、こんな場所に?」
「君に見せたいものがあるんだ」
ザゼルはそう言って、藤雄を別の場所に案内しようとした。
ザゼルの先導で虹色の出入り口を抜けていくと、また新たな場所へと通じていた。
「さっきのところとあまり変わらないようだが…」
藤雄が疑いの目を向ける中、ザゼルは不敵な笑みを浮かべた。すると…
その時、藤雄たちのいる空間に変化が起きた。いつの間にか、彼らは山中の草原で立っており…
「ここは何処だ」
「………」
ザゼルは藤雄の質問に答えず、じっと周りの風景を見ていた。自然が満ち溢れた日本の山岳地帯、川のせせらぎ、優しい風の音、気候も良く、何とも長閑であったが…
藤雄たちがいる平静な草原は、やがて物々しい空気に包まれた。馬の足音が聴こえて、その音は次第に大きくなっていく。そして、近づいてくる馬には馬術に長けた武者が
気づけば鎧を身に
「おいおい、何が始まるんだ?」
「合戦だよ」
藤雄が焦る中、ザゼルは涼しい顔で成り行きに任せようとした。
「うぉぉぉぉぉ…わぁぁぁぁぁぁ」
草原で両軍の武者たちが気合の雄叫びを上げて、互いに攻撃を仕掛けた。戦闘の迫力は凄まじく、殺気に満ちていた。藤雄たちは殺伐とした現場の中心にいて巻き込まれることになるが…
「うわぁぁ!」
藤雄は馬に乗った武者軍に襲われそうになるが…
「ふ…大丈夫だよ」
ザゼルがそう言うと、彼らに突っ込んでくる武者軍に異変が起きた。
「あれ…?」
刀を構えた武者軍は、藤雄たちをすり抜けていった。
「安心しな、単なる記録映像だ…実際、戦国時代にいたら、とっくに俺たちの首は吹っ飛んでるよ」
「戦国時代…」
「〝桶狭間の戦い〟は学校の授業で習っただろ、ついでに〝本能寺の変〟も観るかい?」
「とても映像とは思えない、実にリアルだ」
藤雄は合戦の場で五感が刺激されていた。映画とは違い、戦国時代に足を踏み入れたと錯覚を覚えるほどだ。
「君たちの世界にあるVRと似た技術だ、直接行くこともできるが…」
「それはどういう意味だ?」
「時間を遡るってことだ、俗に言う〝タイムマシン〟…部署が違うがね」
今更だが、藤雄はザゼルの言ったことが真なのか嘘なのか、見極めることが困難だった。
「はっきり言って分からないことだらけだ、ちゃんと説明しろ」
「ここは人類の歴史を記録・管理する場所だ」
「人類の歴史というとどれぐらい?」
「600万年分だ」
藤雄たちが会話する最中、空間の風景は切り替わっていった。
人類誕生の瞬間、国家建立、文明の進歩、長きに渡った戦争や紛争、世界各国の陰謀の裏側や解明されていない謎の事件など、人類の歴史全てが映し出されていた。
「歴史学者が来れば喜ぶだろうが、僕みたいな凡人が観ていると頭がおかしくなりそうだよ」
「だろうな、知りすぎるのも罪ってことだ」
藤雄は衝撃的な
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