Valentine's Homemade~手作りチョコを貴方に~

みなと劉

苦手だけどお願い届いてこの思い

窓辺に立つ彼女は、手に持った生地とチョコを見つめながら小さなため息をついた。「ああ、何てことかしら。お菓子作りが苦手なのに、なんでこんなことに挑戦しているんだろう?」


先輩は優しく微笑みながら、彼女の肩に手を置いた。「大丈夫だよ、君ならきっと素敵なチョコができるさ。」


彼女は彼の言葉に背中を預け、微笑む。「でも、なんで私がこんなことをしているのかって思ったら、結局、あなたにあげたいからなんです。」


先輩は驚いた表情を浮かべつつも、温かい笑みで答えた。「本当に?それなら、嬉しいよ。」


彼女はチョコ作りに取り掛かりながら、心の中で思った。「この気持ち、どう伝えたらいいんだろう。」


先輩は彼女の悩む表情に気づき、優しく微笑んで言った。「君の気持ち、言葉にしなくても、きっと伝わるよ。」


バレンタインデー当日、彼女は包みを手にして先輩の元へ。「これ、私が作ったの。少し失敗もあるけど、受け取ってくれるかな?」


先輩は包みを開け、中身を見て驚きの表情を見せた後、にっこりと笑った。「ありがとう、これが君の手作りなんだね。嬉しいよ。」


彼女の顔は赤らんで、嬉しさで胸がいっぱいになった。「本当に?」


先輩は彼女の手を取り、そっと頬にキスをした。「本当だよ。君の手作りチョコ、一番美味しい。」


彼らの心の中には、バレンタインデーの甘酸っぱい思い出が刻まれていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Valentine's Homemade~手作りチョコを貴方に~ みなと劉 @minatoryu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ