第11話 ヤンキーと先輩

冬眠してました。

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キーンコーンカーンコーン


 遠足が終わった次の日、授業は5分短縮で行われていた。先生達の会議があるかららしい。中学までは50分授業だったのが、高校で55分になって、少し長く感じていた授業も、今日は短縮で短く感じる。なのでいつも眠そうに授業を受けている隣人のえりは、元気そうだ。


「はー4限まであっという間だったわー」


「今日はずっと起きてたね」


「そりゃーね、時短ほど嬉しいものはないよ。毎日こーならないかなー」


「流石に無理だよ。多分夏休みなくなるよ」


「えーそれもっとやだ」


「でしょ?」


「うん」


「それになにかと学校来てた方が楽しくない?家でゴロゴロしてるよりもさ」


「それはあるわ。わたしはあおちーに会うために学校来てるし」


 私に会うために来てるんだ。学校来る理由が不純な気がするけど、ちゃんと来るだけで偉い。あ、もちろん私もえりに会えるだけで嬉しいですよ。学校に来てる目的はギャルになるためだけどな!


「それは嬉しい。ありがとう」


「どいたしまして、わたしもありがとー!」


ほんとに元気だな。


「それよりさお昼食べよー」


「あ、今日私購買行ってみたいんだよね」


 この学校には購買という購買はないが、パン販売が行われているらしい。私はその調査に向かうために、今日はお弁当を持ち合わせていない。なかったら大変だケド。


「あーいいね、わたしも探検まだ行ってなかったしいこー」


「それならさお弁当持って食べられそうなところ探さない?校庭とか広いし」


「いいね、わたしたちの棲家さがそう」


「棲家って」


 さて購買の場所は聞いた情報によると、生徒玄関前で行われているらしい。何人か私のクラスにもパンを持っているところを見かけたことがあるから、あるのはほぼ確実なんだけど、実際に目で見てないからわからない。いや、なかったらどこで買ってきたの?って感じだけどね。



⭐︎



 生徒玄関が見える付近まで来ると、多くの生徒が集まっている箇所があった。どうやらあそこでパン販売が行われているみたいだ。ちゃんとあってよかった。


 ん?なんか見覚えのある人いるな…なんか話してるし。聞き耳立ててみよう。


「いや、俺はべつのでもいいからお前が買えよ」


「ですが…いいのですか?」


「おう、これ欲しそうにみてただろ?それに今は別のやつを食う気分なんだ」


「そうですか…それではありがたくいただきます」


「おうよ」


 どうやらパン争いがあったようだ。だけど片方が譲ったので穏便に解決したみたい。


「優しいね玲さん」


「ん?葵と…佐藤か。見てたのか?」


「うん、譲ってるところだけだけど」


「そうか」


「なんで譲ったの?先持ってたよね?」


「そうだな…」


 玲さんが言うには、パン買おうと思ってとりあえず甘いのとしょっぱいの食べる気分だったから甘い方を先に取った。そしたらさっきの人が少し手を伸ばしているのに気がついた。どうやら玲さんが持っていたクリームパンが最後の一個だったらしく、それを狙っていたようだ。そこで、甘いものだったらなんでもよかった玲さんは、別のものが食べたくなったと言って、譲ってあげたそうだ。


 いや、これただ玲さんがめちゃくちゃ優しくて気遣いできる人じゃん。


「やっぱり優しいね」


「あいつすげーしょんぼりしてたからよ、取るわけにはいかねーだろ」


「案外やさしーね、ねこちゃん」


「ほらほら俺の話はいいから、お前らパン買わなくていいのか?もうなくなるぞ」


 照れ隠しかな?耳が赤くなってるよ。カッコいい一面、可愛いところもあるな。さすがヤンキー。


「ほんとだ、いっそげー!」


 玲さんの話を聞いていたら、どうやらパン競争は終盤らしい。はやく取っておかないと。…入手できたのはメロンパン。人気そうなのが一個だけ残っていたので取ったけど、他の人はいらなかったのかな?とりあえず昼食は確保することが出来てよかった。


「買えたか?」


「うん、メロンパン買ったよ」


「わたしはチキンバーガー買ったよ!」


「おう、マジか。どっちも人気ですぐ売り切れることが多いんだが、今日は残ってたか」


「ラッキーだったね」


「あー…あいつらか」


 玲さんがどこかをみて納得したような表情をしてるけどどうしたんだろ?


「あいつらって?」


「あーいやなんでもねぇ」


「ふーん、まぁいいか。あおちーこれからどこ行く?」


「どこにしようか、校庭とか行ってみる?」


「校庭なら良いとこ知ってるぜ。一緒に来るか?」


 お、いい情報じゃないか。連れて行ってください玲さんや。


「いいね、行こうよえり」


「あいあいさー」


私たちは玲さんに連れられて校庭へ向かった。



⭐︎



 今日も今日とて声をかけられることが多いな。白凪さんこんにちはー程度だけどね。だけどみんな挨拶出来て偉いなーって思う反面、知らない人達からも挨拶がくるもんだから人気者になったんだと勘違いしちゃうよ。名前なんか覚えられてるし。髪が目立ってるんだろうけどね。


「それにしても葵声かけられすぎだろ。友達多すぎないか?」


「それなー、ちょっと妬ける」


 こんな風に心配される始末だし。えりは拗ねないでくださいな、それも可愛いけどさ。


「知らない人達の方が多いよ。友達はクラスの人だけだし」


「それにしては名前呼ばれてたが」


「それは私もわかんないけど…なんでだろうね」


「あおちーが可愛すぎるからしかないと思うけど…」


 そんな話をしている私たちは、校庭の穴場スポット(玲さんが言ってた)のベンチに横並びで座っている。木陰がいい感じに入ってきて、涼しく感じる場所だ。


「いい場所取れたね」


「おう、ここいつも空いてるんだ。まだ少しさみーから外出るやつの方が少ねぇし」


 たしかにまだ寒くなったりすることがあるから、教室とかで食べてる人が多いかも。入学してまだ一月も経ってない私たち一年生からすると、冒険してる人の方が少ないしね。


「そういえばえりはお弁当あるよね?パンも買ったんだ?」


「お弁当あるよー!けど足りないんだよねー。学校ってなんかカロリー消費えぐいからお腹ぺこぺこなんだよね」


あーなるほど。確かに学校ってめっちゃお腹空く気がする。3限の後とか体育の後とかお腹なりそうになるから、頑張って抑えたりするよね。ちなみに私はお腹をへこませる派です。


「たしかにそうかもね」


「あおちーこそメロンパン一個で足りるの?」


「うん、これ結構カロリー高くてさ他の食べちゃうと太っちゃうから。あ、豆乳はあるよ。カロリーオフだけど」


「カロリーとか気にしてるんだ…」


「今でも十分細いだろ。食わないとガリガリなるぞ、葵」


「私でも体につきやすいから気をつけないとビックになっちゃうよ」


 女の子に生まれ変わってから特に甘いものとか好きになって、油断してたくさん食べちゃうことが昔あったが、普通に体重が一気に増えたことがあったので危機感を持つようになったんだよね。私はほっそりとしたギャルになりたいから。


「えりも結構細いよね、ウエストとか細く見えるよ」


「私は運動してるからねー。食事管理とかあんましたことないけど…」


 食事管理のこと気にしてるみたいだけど、多分普通の高校生でしてる方が珍しいと思うよ。私は例外として。


 それにしてもえりはほんとにスタイリッシュな体型に見える。ちょっと気になるな…お腹突っついてみよ。


「流石だね、腹筋割れてる」


「わーもうくすぐったいよー」


「でも横のとこぷにぷにだね。ずっと触ってられそう」


「もーなんかえっちだなぁー、はいやめやめ」


 頬を染めてお腹を守るように抱え込むえり。多分そっちの方がえっちだと思いますけど…さてじゃれ合うのはここまでにして、玲さんに聞いてみたかったこと聞いてみようかな。


「そういえば玲さんは入学してから初日に遅れてきたけど、あれはどうしてなの?」


 噂程度では聞いたことがあったが、確信がなかったし、正直普通にサボりかなって思ってた。けど今日パンを譲る現場を目撃したから、噂は本当なのかもと今は思えてきた。


「ん?ああ、あれか。登校してたらおじいさんに話しかけられてな。道迷ってたから一緒に行ってやったんだ。そしたら遅刻したってわけだ」


「あれほんとだったんだ?!なんか意外…」


 えりが全力で驚いたような表情を浮かべる。それはそれでちょっと失礼な気もするけど、気持ちはわかる。


「あの時先生あんまり信じてなさそうだったもんね」


「ああ。あのセンコーあんま好きじゃないんだよな。なんか目つけられてる気がするし」


「見た目からでしょ?」


「それはあるかもね」


 えりと見つめあって笑い合う。おんなじ事考えたみたい。


「おいおいそれ言ったら葵の方が目立つだろ」


「あおちーはもう目立ち切ってるからね。ほらこの髪と顔でさ」


 と言いながら頭を撫でてくるえり。なんだかいつも割れ物を扱うかのように撫でてくれるから、嬉しいんだよね。ガシガシされるのもいいけど、髪の毛崩れちゃうし。大切に扱ってくれてるみたいでいい気持ちだ。


「ふふっ」


「っ…ほら可愛い」


「…確かにな」


「私はえりの方がもっと可愛いと思うけどね」


「わたしより可愛い人に言われても説得力ないけど」


「えりは可愛いよ、誰よりもね」


「もう、またそうやって無自覚出るんだから」


「?」


 無自覚ってよく言うけど、どの辺が無自覚なんだろう。私は思ったことを言っただけなんだけど。思わず首を傾げちゃったよ。


 それよりも撫でてくれながらも、照れてるえりを見て、私は目の保養になっております。かわいいね。


「おいおいイチャイチャするのは勝手だが、よそでやってくれよ。見せられる側の気持ちも考えてくれ」


「えっとごめん、別にイチャイチャしていたわけじゃなくて…」


 おっと玲さんをほったらかして怒らせてしまったかもしれない。申し訳ないことをしたな。


「いや謝らないでくれ、なんかこっちが申し訳なくなってきた。悪い、強く言い過ぎた」


「私こそごめんね。仲直りの握手でもする?」


「握手か、まぁいいが」


「えー解決したー?」


「お前は許さん」


「なんでー?!」


この後えりは頭ぐりぐりされてた。痛そう。



⭐︎



放課後、今日は部活もないのでえりの部活を見に来ている。初めて見学に行くのでちょっと緊張しているが、全国レベルのバスケを見れるというワクワクが上回っている。それにえりの活躍してるとこ見れたら嬉しいからね。


「こんにちは、今日は見学させてもらいます、白凪葵と申します。お手伝いできることがあれば何なりと申し付け下さい」


「あなたのことは佐藤から聞いている。私がここの女バスの部長をやっている鈴木澪だ。今日は見学ということでゆっくりしていってくれ」


 部長さんは私より背が高く目がキリッとしているかっこいい系の人だ。えりから聞いた話だと確かこの人は、2年生の頃にも活躍していて、インターハイでも得点を多く重ねたエースだったそうだ。


「はい、よろしくお願いします」


「澪ちょっといい?実は今日家の用事でマネージャーが来てなくて…」


 と言って部長に話し始めたのは他の部員の人だろうか。部長を呼び捨てにしているから同学年の人と見受けられる。それよりマネージャーがいないって聞こえたような…


「なるほどな…白凪と言ったな。お前今日だけマネージャーの仕事やってみないか」


「マネージャーですか?」


「ああ。実はうちのマネージャーが今日は来れなくてな、人手がいるんだ。なにせ見学してるだけだと暇になるだろう?」


 まぁ確かに見学して応援しているよりも、マネージャーをやって応援した方が暇は潰せるかもしれない。それにちょっと面白そう。フレーフレーって言っとけばいいかな?


「それとお前がやってくれればチームの士気が上がると思うんだ。主にそこの目を輝かせてる佐藤みたいにな」


「え?」


 えりがいる方を見ると確かに目をキラキラさせていた。目が合うと、頭を縦にブンブン振り始めてちょっと怖いが、そこまでやって欲しいのだろうか。他の人もなにかと頷いている人がちらほらといる。


「やってくれるか?」


やるつもりだったからここは素直に頷く。


「わかりました、やります。それでマネージャーはなにすればいいですか?」


「おう、ありがとな。そうだな、準備は基本部員のみんなでやるから、その手伝いとドリンクの補充…これは後で教える。それとストレッチの補助くらいをやってくれれば十分だ。今日は初めてだから私たちが教えながらやってもらうってことで」


「はい、任せてください」


「頼もしいな。それじゃあ今日もはじめるぞ」


「「「はい」」」



 と言うわけでバスケ部のマネージャーをやることになったのですが、現在はアップが終わりシュート連に入っています。私は先輩に教わったドリンクをボトルに詰める作業をこなしながら、バスケ部の動向を眺めているところです。そしてなぜかあちらから近づいてくる大人の人が見えてきます。んーこっちこないでくれー。


「白凪バスケ部に興味があるのか?」


「いえ、今日は友達のやっているところをみたくて見学に来ただけです。それでたまたまマネージャーが不在だったので代理でやってます」


「そうかそうか。それにしては作業が手慣れているように見えるが…元々何かスポーツはやっていたのか?」


「はじめてです」


「そうか、ならうちの女バスに入ってみないか?」


「いえ、結構です。茶道部にも入ってるので」


「うちは掛け持ちでもいいんだぞ?なにより白凪のような才能をほったらかしておきたくないんだ」


「すみません、それでも出来ません」


「そうかわかった。だがやりたくなったらいつでも言うんだぞ」


 こういう風に誘ってくるのはうちの体育の教師だ。体力テストやった日から、何かと話しかけられて勧誘されている。私は見る専だし、なんならオタクに優しいギャルなのにバリバリの運動部とかちょっと似合わないと言うか、私の解釈違いな気がしているんだよね。だから体育とかで覚醒して、ギャルすげーってなりたいんよ。だから運動部には入る気はない。ギャルが茶道やってるのもちょっとおかしな感じするけどね。


 そんなことを考えているとえりが見えたので、軽く頑張れと応援しておいた。すると私の応援に気づいたのか、めちゃくちゃ笑顔でこっちに手を振ってきた。元気だねぇ。本当に同じ高校生徒は思えないほどの無邪気さで、楽しそうに取り組む様子を見ると、こう言う子がモテるんだろうなぁっと思った。ちょっと嫌だけど。ん?なんかモヤっとした…気のせいか。


 腕が止まっていたので再び動かす。今やっている作業は、粉末のスポーツドリンク剤を水に配合してハイポーションを作っている。材料は水と粉、以上!なになに?これじゃあ甘いだろって?それなら大丈夫。水マシマシにしてありますから。ちなみに部長命令です。1本だけお手本見せてもらってその後の作業は全部私が1人でやっている。今では2本同時とかに作れるよ。慣れればこっちのもんよ。なお部長には「お前すごいな…」と感心された。


 さてさてそろそろプレーするみたいなので、応援しようと思います。



⭐︎



 プレーを見た感想としては、凄かったの一言に尽きる。流石強豪校だなと実感できるほどの実力を誇っていて、とても心をくすぐられるものだった。見ている側でも楽しいんだから、やっている側はもっと楽しくやれているのかもしれない。なにより鈴木先輩の声がけにより、チームの一体感を生み出しているのを感じとれた。流石部長といったところか。


 そして今は休憩時間で、私は先ほど作ったドリンクを配っていた。


「鈴木先輩、ドリンクどうぞ」


「んんっ…おう、ありがとな。マネージャーもやってくれて助かってるよ。大変じゃなかったか?」


「大変じゃなかったです。鈴木先輩が優しく教えてくださったのですぐ出来るようになりました。それにみなさんの練習を見れてとても楽しいです」


「そうか、それはよかった。どうだ客観的に見てみて、私たちはどんなプレーをしてるように見える?」


「私が思うに皆さん楽しんでプレーしてると思います。皆さんすごい笑顔でやっていますし、見ている私も楽しくなるので」


「ははっ流石だな、私たちは楽しんでプレーすることを心がけてるんだ。スポーツは楽しんで行うものだろう。だから強くなって連携が取れればいいわけじゃない。楽しんでこそのスポーツなんだ。うちの学校は代々この信条でやってきている」


どうりで強いわけだ。


「かっこいいですね」


「だろ?」


「はい、でもここまで強くなるのも鈴木先輩の努力だと思います。そんな先輩だからみんなついていきたくなるんです。だから先輩もかっこいいと思います」


鈴木先輩がいて、そんな背中に憧れてみんな頑張れるってことだと思う。今日の見学で実感した。


「ありがとな、面と向かって言われると恥ずかしいけど。お前、いや白凪…葵って呼んでいいか?」


「はい、もちろんです」


「私のことも澪で構わない。というか呼んでくれ」


「それじゃあ、澪…先輩?」


一瞬名前だけで呼びそうになっちゃったけど、さすがに先輩つけないとまずいよなと思ったのでつけたら疑問形になっちゃった。


「ぐはっ…」


効果はバツグンだ。ノックアウトしてしまった。名前呼んだだけだよ?


「澪と白凪ちゃん…って、え?なんで倒れてるの?」


「名前呼んだら倒れちゃいました」


「あーなるほどね、澪可愛い子に名前呼ばれるの好きなんだよね。私には見向きもしないみたいだけど…とりあえずほっとけば治るから放置でいいよ」


案外雑に扱われている澪先輩であった。


「あおちー!わたしどうだったー?」


小走りで近寄ってくるえり。


「うん、バスケ今年から始めたとは思えない動きだったよ。めっちゃカッコよかった」


「でしょでしょ?」


 わたしにかかればこんなもんよー!って言いながらピースしている。可愛いな。…なんか最近えりに対してなんでも可愛いって思えてきちゃうな。カッコいいもあるんだけど、仕草だったり表情だったり一つ一つの動作が気になっちゃうんだよね。やば、私ストーカー気質なのかな?ちょっと気をつけよ。


「えり水分ちゃんと取った?」


「うん!あおちー配合お手製のドリンクを飲んで、今は元気120%だよ!」


「ふふっ、元気でよかった」


「それよりバスケ部のみんなあおちーに興味津々っぽいよ?」


「へ?」


 突然後ろから覆い被さる感じで抱きつかれた。背中にとても柔らかいものと制汗剤の匂いが私に襲いかかってくる。あー女の子だなぁ。


「白凪ちゃんドリンクありがとね」


「白凪ちゃんはバスケ部入るの?」


「入らないです。今日はえりの見学に来ただけなので」


「えー残念。佐藤ちゃん愛されてるなー」


「私の妻だからね!」


「つ、妻じゃないからね?」


 本物のギャルはしれっとこうゆうこというからドキッとしちゃうよね。


「かわいいねぇ」


「だよね、可愛いビームをわたしは毎日くらってるからさ、わたしの限界を更新していくんだよね」


「限界突破してるんじゃない?」


「たぶんもうしてる(笑)」


「よしそれじゃあ試してみよう。白凪ちゃん、佐藤さんに耳元で好きって言ってみてくれない?」


「普段から言ってるよ」


「お前らもう付き合え」



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(英理)いつの間に先輩に名前呼ばれる仲になったの?


(葵)なんか褒めたら名前で呼ばれた。


(英理)ふーーん?

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