第3話 美少女の秘訣

仲良くなる計画は順調!

そして本物のギャルというものを実感した。ギャルと仲良くなるのは難しいと思っていたが、思ったよりも話しやすかったし、話してて楽しい人だった。なにより気を遣わなくていいよオーラがでてたので気が楽だった。野生のギャル、ありがとうございます。今は女の子だから自然と女の子と話す機会がが多いけれど、それでも緊張はする。だって私は女の子が好きだからね。というか私今日女の子と2人だけで出かけたんだよね?これってデートなのでは?

とか考えながら家に帰る。


お父さんお母さん、ただいまー。ご飯?食べるよー。準備手伝うね


「いただきます」


今日もお母さんの料理おいしいねーとか家族で会話をする。


「今日はどんな子と遊んできたの?」


と、お母さんが聞いてくる。そういえば、私はこれといって友達と外に遊びに行ったことを話したことがなかったな。


「気を遣わなくていい人だったよ」


率直に思ったことを言う。えりは初対面からこちらの様子を伺っているような感じだったし、私に話しやすいように促してくれた。うん、やっぱりいい子だな。どうしてギャルやってるんだろ…いや、ギャルだからいい子なのか?

…なんかおかしくなりそうだからこの辺でやめておこう。


とか考えてると、お父さんが静かにそれは女の子かい?と聞いてきたので、そうだよと返す。

女の子なら安心だねと何やら納得しているようだ。娘に友達ができて嬉しいのかな?




ご馳走様をしたのでこれからお風呂に向かう。

生まれ変わってからというもののお風呂が前より好きになった気がする。女の子になった影響がでているんだろうか。まぁ、前より時間がかかるようになったから大変ではあるんだけどね


それではみなさんお待ちかねの入浴ターイムはカットです。(無慈悲)

見たかった?残念!プライベートな空間なので見せません。別に変なことはしませんから。

ただ、お風呂に入るだけです。本当です。


ふー、お風呂気持ちよかった。髪の水滴をタオルである程度乾かしてから、頭にタオルを巻く。ここからは素早くいくよー

私は女子ガチ勢の部類なのでケアとかはしっかりとやっている。最初はなくてもよくね?とかおもっていたけどとりあえず始めてからは、やらないとモヤモヤするようになった

さて、髪が蒸れないうちに手入れ始めよう


まずは顔から、化粧水・美容液・乳液の順番で顔に丁寧に塗っていく。これするとお肌ぷるっぷるになるんだよね


次にボディオイルを腕とか足に塗っていく。主に肘とか膝に塗ると乾燥とかから守れていいよ。おかけでお肌すべすべになった


そしたらやっとドライヤー君の出番です。前世ではお風呂上がってドライヤーするくらいで終わってたから、今考えるとすごい手間暇かけるようになったな私。温風冷風切り替えながら鏡を見つめる。


「うん、やっぱり私かわいいな」


自分のことめっちゃ好きやんとか思うかもしれないけど、なにせ自信があるからね。かわいいものをかわいいと認めて何が悪い。それに自分自信を認めると自己肯定感が増すし、本当にかわいくなっていくものだと思う。気の持ちようだよ


髪が乾いたのでパジャマを着る。

私はジェ〇ピケのパジャマを愛用している。

これ、伸縮性あるし着心地もいい。

そしてなによりかわいいのだ。そりゃ人気よ。

あと私はオーバーサイズの服を好んで着るから相性がよかったりする


それからキッチンに向かう。

お風呂上がりは牛乳だよね。コップを取り出し、注いでいく。銭湯とかにも絶対って言うほど常備してある牛乳、いろんな種類あるけど私はノーマルの牛乳が好きだ。お風呂上がりってなんであんなに美味しんだろうね。


「おいしい」


腰に手を当ててゴクゴクと喉を鳴らす。

飲む時無意識に腰に手を当てるのなんでだろうね。体制とかの問題なのかな?




牛乳一気飲みした後自分の部屋にきた。

ここからは日課をしていくよ。最近やっている日課はストレッチ20分とボイトレ20分だ。


ストレッチは朝起きてからとお風呂上がりにするようにしている。朝は目覚ましになるし、固まった体をほぐせるからね。お風呂上がりは柔軟性が上がって一日の疲れを労うようにやっている。ストレッチをすると血流がよくなるので、よく眠りたい人とかやるといいかもね。


ボイトレは夜だけにしている。

Q:近所迷惑ならないんですか?

A:防音室に改装してもらったので大丈夫です

防音室にした理由はあるんだけどまた今度ね。

ボイトレは短くキツくするのがポイントだと思う。その日の調子に合わせてやるけど無理はしないようにする。運動の一環だと思ってやるとやりすぎが良くないのがわかると思う。

腹式呼吸・リップロール・裏声と楽しみながらこなしていく。


「今日も調子がいい」


うん、今日もいい声だな。(自画自賛)




日課が終わったのでここからは勉強とかしたりするのだが、あいにくまだ授業が始まっていないので今日は特になし。まぁ、家で勉強しなくても学校で聞けばだいたいわかるからやらなくてもいいんだけどね。これも習慣となっているので、復習とかはするようにしているのだ。


あとは自由時間だ。

買ってもらったパソコンをいじったり、アニメ鑑賞とかラノベ読んだりとか日によって変わる。前世では見たことなかった作品とか見るようにしているので、オタク知識もめちゃくちゃ身についていると思う。前世のアドバンテージもあるしね。


また、時間がある時にはコスプレをしてみたりすることもある。自分の容姿には自信があるから、自ずとなんでも似合ってしまうんだよね。

それもメイクをしなくてもいいくらいに。

(ケンカ売ってんのか)

メイクを覚えたいけれど一緒に出かける友人とかいたわけじゃないから、どれがいいとかまだよくわかっていない。だから今はリップを塗るくらいである。

それにクラスにいるギャルの裏の顔がオタクっていうのもまたいいよね。こっそりコミケ参加してたりする感じ。あ、他のオタクと一緒にコミケにいって「あれ、もしかして葵さん?」っていうシチュエーションもいいかもしれない。

オタクに優しいギャルはオタクだった…


長々と語っちゃったけどこれが私のナイトルーティンである。美少女の秘訣ってね?

いや、ただの自分磨きに意識があるオタクの秘訣かもしれない…




さーて寝るか。

布団に入り、一日を振り返る。

ようやく私の高校生活がはじまったんだな。

今日は私のデビュー戦顔合わせ会であり、最初の一歩であった。紆余曲折あったけどなんとか上手く行った。第一印象の操作には失敗したけどね(ギャル要素皆無)

それにえりと友達になれてよかった。

ギャルはギャルでもあれはいいギャルだ。

私にも優しくしてくれるし。

あれ、もしかしたらえりはオタクに優しいギャルだったのかもしれない?

そうだとしたら私は嬉しい気持ちにもなるけど虚しい気持ちにもなる。

私の苦労はどうすれば…とか

でもえりは私と仲良くなってくれた。

いやそうか。優しかったのは私の事をギャル仲間と認識したから仲良くしてくれたはず(違います)

ならまだ私はチャンスがある。オタクに優しいギャルになれる。それならこれからもっとギャルギャルしないとな。そもそもギャルはカーストトップに君臨していることが多い。そして今日の自己紹介でえりはカーストのトップに近くなったといってもいいだろう。そのため私はえりに話しかけたし、ギャルだったから周りも私をギャルと認識してくれるかなと思ったから。

それだけだったのに…今日は久しぶりに心を許して遊べた気がする。今までは友達はいたけど学校上の付き合いだったし、遊びに行くこともなかった。高校でつくればいいと思っていたから。自分育成に力を入れるために、友達という存在はまだ必要ないと自然に縛られていたのかもしれない。

そしたら今世の初めての友達はえりなのかも


「ふふっ」


私は布団の中で静かに微笑んだ。

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