クラスカースト編
第1話 オタクに優しいギャル誕生?
「おぎゃあ、おぎゃあ」
「どうしたの? おっぱいのむ?」
みなさんおはようございます。
どうも赤ちゃんです。目が覚めたらなんとも愛らしい生まれたばかりの赤ん坊でした。
うん、どういうことだ???
わたしは今まで大学生として人生を謳歌していた。いつものように起きて、講義受けて、食べて、寝て。
で、起きたらこうなってたわけ。
うむ、原因がわからん。生まれた日は看護師さんが言ってたのでわかるがどうやら、私の生年月日と同じで時間を遡っているらしい。そして何より長年未使用をだった我が息子がいらっしゃらず、つるつるになっておられる。さようなら、わが息子よ。
…てことはTS(性転換)した?
ふっふっふっ……はっはっはっはー!!
だめだ、ニヤケが止まらない。普通の人はこの現実に絶望するかもね。でもね私はこの機会を逃さない。長年考えてきた私の夢を叶える機会が与えられたからだ。
私の夢はそう オタクに優しいギャル を見たい、である。
Q:いやTSする必要なくない?
A:あります。
というのも私は高校生活を経験しているからわかるのだが、"オタクに優しいギャルはいない"のだ。私は悲願した。
どうしてですか、ラノベではよくいらっしゃいましたよね。(現実とラノベを直結してしまった悲しきモンスター)そこで考えた。
私がオタクに優しいギャルになればよくね?と
このためにTSする必要性があったのですね(暴論)
しかも逆行ときた。これは神様が私に機会を与えてくださったに違いない。いや実際そうなのか?私は逆行ものもよくラノベで目にしてきた。
醍醐味として、俺つえーにはなれるだろうし知識チートももちろんである。だが、実際は宝くじの番号なんて覚えてないし競馬もあまり興味がなかったので触れていなかった。触れておくべきだったな。
だが、せっかくのチャンスだ。英才教育だろうがなんだろうが受けて養殖チートしようじゃん。そして、夢を叶えるのだ。
我ながら天才だな。
「キャッキャッ」
赤ん坊の私は齢0歳ながら破顔した。
…あ、おっぱいのみます。
それから私は全力で色んな物事に取り組んだ。特にコミュニケーション能力の向上を中心に。
一人称は自ずと「私」を使うことが多かったので特に違和感はなく。
また時代も私が歩んできた人生と同じ背景を辿っているらしい。有名人とか音楽とか同じだったから。もちろん親も同じだった。預言者なろうかな?…いや、やめとこう。
〜少女英才教育中〜
お母さん、この習い事初めちゃダメ…かな?
(不安げな顔)…ほんと? ありがとう!(笑顔)
うーんチョロい
あれ、私が男だった時より優しいような…
うん深く考えるのはやめよう
〜少女英才教育中〜
あ、私は(オタクに優しいギャルを目指しているので)男に興味ありません。むしろ百合に挟まる男は絶対に許さない委員会なので。
あ、なんでもないよ。うん。
…私は女の子だからよし!!
タッタラー!どんどんぱふぱふ!!
最強スペック(養殖)美少女爆誕!
親にゴマをすりながらたくさんの習い事をさせてもらった。勉強も前世までの知識があるからそこまで苦労しなかった。ギャル知識を入れるために、親にあまりしたことがないおねだりをしてパソコン購入してもらい、(この時親はなぜか泣いていた)今の流行りについて調べ、流行に乗り遅れないように努力した。また、オタクに話しかけるデッキを作るためにマンガを購読し、アニメを視聴した。小中ではコミュニケーション能力の向上のために年齢問わず色んな人に話しかけた。全ては高校のために!!
ここでわたしの今世培ったステータスをお披露目しよう。
名前は「白凪 葵」(しらなぎ あおい)
なんとも可愛い名前にしてくれた。ギャルっぽいかはわからないが。小中ではしろちゃんと呼ばれていた。髪が白いかららしい。
前世の名前が「蒼」(あおい)だったため私自身名残があるし、名前を言い間違う心配もなくてよかった。
そして自他共に認める美少女フェイス。
可愛いものは可愛いと認めて何が悪い。前世でもそれなりに顔には自信があったが彼女はできたことがない。なぜ?
(教室の隅でラノベ読んどるからやないかい)
うちの家系はみんな顔がいいのでその遺伝子をガッツリ受け継いで生まれた。
まじでナイスマイファザー、マザー。
特徴としては、まず髪が白い。うちの親はどちらも髪が黒いのだが、私はアルビノらしい。
髪の遺伝子くんどこ…
まぁ…白髪っていいよね!
顔は歩けば10人に9人くらいは振り向くとても可愛らしい顔である。凛とした表情に血色の良い肌、鼻が高く小鼻が小さい。横顔もバッチリである。目はクリックリでお人形さんかな?と思うほど。小中の友達にも人形ですかと真面目に言われた。
次にナイスバディだ。
Q:お前自分の体の話しかしないやん。
A:みんな好きでしょ可愛い子。
身長は160センチ。体重はひ・み・つ
バストは言わずもがな、ばいんばいんである。
つま先がギリ見えるくらい。ご飯をたべるとある一点に栄養が集中するんだよね。友人に言うと本当に怒られるからみんな言わないようにしようね。ウエストラインはきゅっと引き締まってくびれがある。バストも相まってメリハリがしっかりしている。
お尻はきゅっと引き締まって、ぷっくりしている。ダンスの習い事もやっていたおかげか程よい筋肉もつき、モデルのような体型になった。
そして声も素晴らしい。それほど高くない声で、キーキーとした声ではない。むしろ聞き取りやすいダウナーボイスというやつである。
ボイトレを欠かさずやっていたから、他の声も出すことができるが喉に負担がかかってしまうので極力やらない。なにより自分の声にストレスがないのがこの声だったのだ。
もはや文句を言えないほどの美少女である。
正直ここまでくるのは大変だった。性別が変わってしまったということが大きいが慣れるまでに時間を要した。年々成長していく身体を見るたびに、罪悪感のようなものを感じていたが、性別が変わったこともあり徐々にだが受け入れることができた。だが、性自認は男である。
わたしは女の子とイチャイチャしたい!!
オタクに優しいギャルと言っても男を好きになるわけではない。ただ優しいだけである。
趣味を共有できる女友達ってよくない?だから、私は自らがギャルになることによって、普段女子に話しかけられない男子を救済すると共に、女の子と合法的にイチャイチャできるのである。最強だな!
てなわけで迎えた高校入学。
あえて友人が誰もいなそうな新しい環境を選んだ。小中ではギャルギャルとしたことはしていなくむしろ、真面目ちゃんだったので、高校デビューを疑われかねない。
そう、私は高校デビューに全てをかけていたのである。
ブレザーの下にパーカーを着込んで、はい完成
「お父さん、お母さん、いってきます。」
「はい、気をつけてねあおい。」
よし!がんばるぞー!!
だが葵は気が付かない。
オタクに優しいギャルを演じるつもりが、スペックが仇となり、周りからは清楚なお嬢様と思われていることに。
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