第2話 太極とは

太極とは


 極めて大きいもの、はっきりと陰陽に分かれる前の混沌としたもの。易神の降臨するところと考える人もいます。


 太極は易そのものであり、それは陽でも陰でもなく、積極でも消極でもなく、有でも無でもない陰陽に分かれていない状態を名付けているのです。

 太極の根底にさらに無極を想定する宋の儒家・しゅうとんと儒家の一派・朱子学で有名なしゅもいます。



 太極によると宇宙の本質は宇宙全体の生成活動そのものであり、その活動は必ず陰陽の両極として行うことになります。それが「これ両儀を生ず」であって、太極は陰陽とは表裏一体をなすものであり、ふたつと別のものではありません。


 一方に陽があれば他方には必ず陰があるといった関係を表しています。

 一方にプラスが生じれば他方には必ずマイナスが生じるのであって、太極が一度働き出して現れると、直ちに陽と陰という、互いに対立的すると同時に互いに牽引するような活動をするものとして具体化するわけです。




 太極、実は多くの人が見ているのです。

 大韓民国(韓国)の国旗が「太極旗」と呼ばれているのをご存知でしょうか。

 なぜ「太極旗」なのかはわかりますか。

 旗の中央に丸が描いてあり、赤と青とで人魂のような勾玉のような形をしていますよね。

 あれが太極を表した「太極図」です。

 韓国が「儒教の国」だからこそ、儒教の教科書である「四書五経」のうち五経の筆頭として「周易」からなる『易経』が挙げられてるのです。国旗からして儒教を前面に出しているのです。実際の韓国人が儒教に倣っているとは思えませんが、国家の建前としてはそういうことになっています。


 『易経』は秦の始皇帝の反儒教施策「焚書坑儒」において「占いの本だから」という理由で焚書を免れたという逸話があります。

 古代中国でも「占いといえば周易(易占)」と一大勢力を築いていたことがわかります。



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