第2話

家を出てすぐは昔ながらの家が立ち並んでいる。


そこから坂を下ると整備された道路が見え新しい住宅街の通りに入る。


私の少し前で意気揚々と歩いている赤いリードが似合う柴犬の砂を踏む音だけが耳に入る。


少しすると川沿いの大きな並木道に入り落ち葉で赤と茶色に染まった道をひたすらく。


平日の昼間なんて誰も会わないだろうと思っていたが、小さな子供連れのお母さんや、散歩中の老人など、それなりに人がいることに驚いた。


ふと並木道の先を見ると、キャップを被り、ランニングウェアを着た若い男性が走ってきているのが見える。


あの人はなぜか時間帯もよく被り、この道でよく見かける。


少し挨拶とかした方がいいんだろうか。


そう考えてるうちにキャップでよく見えない目が合った気がした。


すると彼は、今私たちが歩いている道から逸れ土手の上の道にあがっていった。


もしかしたら時間帯を合わせてくるストーカーだと思われたかもしれない。


落ち込んだが、別にそんな事実があるわけではないし、少し見すぎてしまったことを

反省した。


いつもの場所で折り返し、家に帰る。


今度から少し時間を早めようと決意した。

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