掛金は飴ちゃんで
「ジャーン ケーン ポン」
その掛け声とともにミヤと俺は手元のカードをだす。
「あいこだね」
と、良樹。
「いや、この人数で投票するのが無理があるんだって」
そう、今日はミヤがやりたいといった、カードでじゃんけんをするゲームをしているのだが、いかんせん人数が少ない。
「デモ、クラスでは、デキマセン。ここはサイゲンブなので、ゲームデキマス」
ミヤがほっぺたをぷくっと膨らませる。
「いや、他にもあっただろ。人数少なくてもできるゲームが!」
「そうだね。ダブル神経衰弱とか?」
「NO!ソレダト、ショウブがツカナソウデス。ダッテ、カードをたくさんおぼえるの、君の頭じゃ大変でしょ。」
途中から流暢だな。
「なんだ、それ?俺が馬鹿だって言いたいのか?」
「Oh.ワタシ、ニホンゴ勉強中デス」
かちん。
「それ、前も思ったが、お前日本語喋れるよな?」
「What?Why? イミワカリマセーン」
「絶対意味理解してて、返事してるだろ!!」
そんなことをワーギャー叫んでいると、隣から良樹が、
「でもさ、もし本当にそんなに流暢に日本語を操っていたなら、確かにミヤちゃんのが頭が良さそうだね」
ちーん。
まさか、仲間から撃たれるとは思わなかった。
机に突っ伏しながら、良樹に恨みごとを言う。
「お前、簡単に裏切りやがって………」
「だって、僕は可愛い女の子の味方だからね」
そこで、これみよがしにミヤに向かってウィンクをする。
しかし、ミヤには効かなかったようだ。
「はぁ?なに?きもっ。ちょっとイケメンだからってそれをしたら女子がみんな落ちると思ったら大間違いよ」
まさかの攻撃に良樹も撃沈かと思いきや、
「ふふふ。もし、ミヤちゃんがそう思っていたとしても僕は平気だよ。だって、好みはみんな違うからね」
おふぅ。
メンタル強いな。
当のミヤもポカーンと良樹を見ている。
「どうするの?まだゲームやる?」
一人ご機嫌な良樹がミヤと俺に問い掛ける。
「キョウはこのへんでカンベンしておいてあげるワ」
微妙に変な日本語で、悪役みたいな台詞をミヤがいい放ち、今日の再現はお開きとなった。
今日の掛金として、ミヤが用意していたアメを三人で口に頬張りながら、机の上を片付けるのだった。
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