第19話 某月某日 🍧



明易しとなり近所も起き出して

おごそかや唐紅からくれなゐに夏の暁


ルーティンの筋トレにかく玉の汗

夏野菜サラダ玻璃器に映えにけり


冷房のカフェにひらける古典かな

もどり来て草取せんは冷えのため


猛暑日の熱きラーメン笑み草に

往路とはたがへる帰路や凌霄花


空からの風のまろうど黒揚羽蝶

うすべにの花から花へ黒揚羽蝶


指先のマウスの汗や執筆す

首筋と脇を冷やして氷菓子


窓開けて半身浴や百日紅

ラジオからレゲエのリズム跳ねて夏


鬼滅柄の団扇で風を呼びこめり

ひんやりと長座布団に昼寝かな


扇風機朝ドラ録画観直して

番組の山椒魚のお茶目かな


独り居の夕餉つましく冷素麺

安眠の冷やしまくらや夏の星




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