第5話 バッグの骨 👝
ねんねこの子の息甘しひとつ星
夏暁や病む子のまぶた薄くして
子のつむり撫でて寝かせる夜涼かな
北風や握り返して幼の手
少年のうなじの青さ聖五月
夕やけや大縄跳びに入れぬ子
遠足のしんがりとなる小柄な子
まつすぐに生きてゆかうね杜若
すんなりと肩に少女の洗ひ髪
ピアノ弾く少女のうなじ卒業す
清明やポニーテールの理系女子
ふつくらと十八歳の浴衣かな
秋澄むやバッグに入れて犬の骨
大切にされゐるむすめ冬すみれ
花芙蓉あねさん女房よき女房
親ごころ子には伝へず敷松葉
夜の墓に布団着せたし不孝の子
赤き実に小鳥来てゐるお正月
すこやかな家族のたより石蕗の花
春光や家族写真の横一列
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